〈SUA卒業式〉 アメリカ創価大学で第21回卒業式
〈SUA卒業式〉 アメリカ創価大学で第21回卒業式
2025年5月26日
- 希望の未来開く挑戦の先頭に 23カ国・地域121人が使命の舞台へ、大学院の6人も
- オーランド・ブルーム氏(俳優・ユニセフ親善大使)が記念講演
- 希望の未来開く挑戦の先頭に 23カ国・地域121人が使命の舞台へ、大学院の6人も
- オーランド・ブルーム氏(俳優・ユニセフ親善大使)が記念講演
卒業式終了後、創価芸術センター前の広場で、卒業生が角帽を空に投げる(23日)©Soka University of America
卒業式終了後、創価芸術センター前の広場で、卒業生が角帽を空に投げる(23日)©Soka University of America
【アリソビエホ】アメリカ創価大学(SUA)の第21回卒業式が23日午後(現地時間)、カリフォルニア州オレンジ郡アリソビエホ市の同大学・創価芸術センターで開かれた。式典では、英国出身の著名な俳優であるオーランド・ブルーム氏が記念講演(要旨を後日掲載)。ユニセフ親善大使としての知見や、創立者・池田大作先生との思い出を語りつつ、卒業生への祝意と期待の言葉を述べた。卒業生の保護者・家族をはじめ、理事、教職員ら約1000人が俊英たちの門出を祝した。動画配信サイトでも同時中継された。(取材=中谷光昭)
【アリソビエホ】アメリカ創価大学(SUA)の第21回卒業式が23日午後(現地時間)、カリフォルニア州オレンジ郡アリソビエホ市の同大学・創価芸術センターで開かれた。式典では、英国出身の著名な俳優であるオーランド・ブルーム氏が記念講演(要旨を後日掲載)。ユニセフ親善大使としての知見や、創立者・池田大作先生との思い出を語りつつ、卒業生への祝意と期待の言葉を述べた。卒業生の保護者・家族をはじめ、理事、教職員ら約1000人が俊英たちの門出を祝した。動画配信サイトでも同時中継された。(取材=中谷光昭)
平和と共生の地球社会を創る 英知の人材が新出発
平和と共生の地球社会を創る 英知の人材が新出発
SUAの創価芸術センターで行われた卒業式
SUAの創価芸術センターで行われた卒業式
肌寒かった朝の曇天が一転、午後には澄み切った青空が広がり、暖かな陽光がSUAのキャンパスを照らしていた。本部棟「ファウンダーズ・ホール」の傍らで、ピースレイク(平和の池)から吹き上がる噴水を眺めながら、談笑する21期の卒業生たち。シックな黒のガウンに身を包み、首には、家族や在学生、寄付者らから贈られた色とりどりの花のレイをかけている。エド・フィーゼル学長をはじめ、オーランド・ブルーム氏も駆け付け、一緒に卒業記念のカメラに納まった。
午後2時に始まった卒業式。卒業生一人一人の名前が呼ばれると、会場からは割れんばかりの拍手と歓声が。誕生日の卒業生が学位記を受け取ると、会場が一体となって「ハッピーバースデー」を歌う場面も。観客席に座る友人や両親に手を振ったり、投げキッスをしたり。場内は終始、「一つの家族」のような温かい雰囲気だった。
肌寒かった朝の曇天が一転、午後には澄み切った青空が広がり、暖かな陽光がSUAのキャンパスを照らしていた。本部棟「ファウンダーズ・ホール」の傍らで、ピースレイク(平和の池)から吹き上がる噴水を眺めながら、談笑する21期の卒業生たち。シックな黒のガウンに身を包み、首には、家族や在学生、寄付者らから贈られた色とりどりの花のレイをかけている。エド・フィーゼル学長をはじめ、オーランド・ブルーム氏も駆け付け、一緒に卒業記念のカメラに納まった。
午後2時に始まった卒業式。卒業生一人一人の名前が呼ばれると、会場からは割れんばかりの拍手と歓声が。誕生日の卒業生が学位記を受け取ると、会場が一体となって「ハッピーバースデー」を歌う場面も。観客席に座る友人や両親に手を振ったり、投げキッスをしたり。場内は終始、「一つの家族」のような温かい雰囲気だった。
学部(21期生)と大学院(10期生)の卒業生が、フィーゼル学長、オーランド・ブルーム氏らと記念のカメラに。背景の大理石の壁には、創立者の指針や寄付者の名前が刻まれている。卒業生たちは報恩感謝の人生を誓う(SUAの「平和の噴水」の前で)
学部(21期生)と大学院(10期生)の卒業生が、フィーゼル学長、オーランド・ブルーム氏らと記念のカメラに。背景の大理石の壁には、創立者の指針や寄付者の名前が刻まれている。卒業生たちは報恩感謝の人生を誓う(SUAの「平和の噴水」の前で)
21期生がSUAに入学した当時(2021年)はまだ、新型コロナの影響があり、感染の広がりを注視しながら、慣れない大学生活をスタートさせなければならなかった。
不安を抱える21期生の心に希望の灯をともしたのが、入学レセプションに贈られた、池田先生のメッセージである。「未曽有の試練に直面する人類は今、平和と共生の地球社会を創造しゆく新たなビジョンと哲学、そしてその実現を担いゆく世界市民の育成を必要としています。この尊き挑戦の先頭に立つ英知の人材こそ、開学20周年の節目に集い合った皆さん一人一人なのです」
創立者の言葉を、21期生は身近なところから体現していった。国籍が同じ人や気の合う人同士で固まるのではなく、文化を異にする友の輪にも積極的に飛び込み、「共通点」を見つけ、友情を育んだ。誰も独りぼっちにしないよう、声をかけ、励まし続けた。
そんな21期生の姿を見て、ある在学生は語っていた。「先輩たちは、人種や言語を超えて絆が強く、カフェテリアでも、いつも仲良く食事をしている姿が印象的でした」
21期生がSUAに入学した当時(2021年)はまだ、新型コロナの影響があり、感染の広がりを注視しながら、慣れない大学生活をスタートさせなければならなかった。
不安を抱える21期生の心に希望の灯をともしたのが、入学レセプションに贈られた、池田先生のメッセージである。「未曽有の試練に直面する人類は今、平和と共生の地球社会を創造しゆく新たなビジョンと哲学、そしてその実現を担いゆく世界市民の育成を必要としています。この尊き挑戦の先頭に立つ英知の人材こそ、開学20周年の節目に集い合った皆さん一人一人なのです」
創立者の言葉を、21期生は身近なところから体現していった。国籍が同じ人や気の合う人同士で固まるのではなく、文化を異にする友の輪にも積極的に飛び込み、「共通点」を見つけ、友情を育んだ。誰も独りぼっちにしないよう、声をかけ、励まし続けた。
そんな21期生の姿を見て、ある在学生は語っていた。「先輩たちは、人種や言語を超えて絆が強く、カフェテリアでも、いつも仲良く食事をしている姿が印象的でした」
エール大学、コロンビア大学など名門大学院に進学
エール大学、コロンビア大学など名門大学院に進学
SUAの第21回卒業式から。感謝、希望、決意――それぞれの思いを胸に
SUAの第21回卒業式から。感謝、希望、決意――それぞれの思いを胸に
今回、卒業を迎えた学部生は、アメリカ、日本、中国、モロッコ、ガーナ、セルビア、ペルー、ベトナム、ロシア、ザンビア、エチオピア、インドネシアなど、23カ国・地域から集った121人。大学院修士課程のプログラム「リーダーシップと社会変革のための教育基礎学」を修了した5カ国の6人と合わせ、127人が使命の舞台に雄飛した。
卒業生からは、エール大学、シカゴ大学など、名門大学院への進学者も数多く誕生した。アメリカ出身のデヴィン・ウェバーさんも、その一人である。3年次に、有望な研究者を育成するアメリカ国立科学財団主催のインターンに合格。今後は、コロンビア大学ティーチャーズカレッジに進学し、「将来は数学の教育者になりたい」と語る。
ウェバーさんは入学前、他大学に在籍していた。しかし、過剰なまでに成績を競い合う環境に疑問を抱き、「人格を磨き、人間として成長したい」とSUAの門をたたく。「入学当初は、内気な性格で、友達をつくることが苦手だった」と言うウェバーさん。だがSUAでは、皆が気さくに声をかけてくれ、いつも人の輪に囲まれた。
学友に研究内容を発表した際、「君の説明は本当に分かりやすい。デヴィンは教え方が上手だね」と喜んでくれたことがあった。また、学生自ら企画・設計し、教授の助言を受けながら進める研究授業「インディペンデント・スタディー」では、教授がウェバーさんの熱意を受け止め、全面的に支援してくれた。こうした環境が教育者としての夢を育んだ。ウェバーさんは「創価教育における数学の意義や役割を模索したい」と語る。
今回、卒業を迎えた学部生は、アメリカ、日本、中国、モロッコ、ガーナ、セルビア、ペルー、ベトナム、ロシア、ザンビア、エチオピア、インドネシアなど、23カ国・地域から集った121人。大学院修士課程のプログラム「リーダーシップと社会変革のための教育基礎学」を修了した5カ国の6人と合わせ、127人が使命の舞台に雄飛した。
卒業生からは、エール大学、シカゴ大学など、名門大学院への進学者も数多く誕生した。アメリカ出身のデヴィン・ウェバーさんも、その一人である。3年次に、有望な研究者を育成するアメリカ国立科学財団主催のインターンに合格。今後は、コロンビア大学ティーチャーズカレッジに進学し、「将来は数学の教育者になりたい」と語る。
ウェバーさんは入学前、他大学に在籍していた。しかし、過剰なまでに成績を競い合う環境に疑問を抱き、「人格を磨き、人間として成長したい」とSUAの門をたたく。「入学当初は、内気な性格で、友達をつくることが苦手だった」と言うウェバーさん。だがSUAでは、皆が気さくに声をかけてくれ、いつも人の輪に囲まれた。
学友に研究内容を発表した際、「君の説明は本当に分かりやすい。デヴィンは教え方が上手だね」と喜んでくれたことがあった。また、学生自ら企画・設計し、教授の助言を受けながら進める研究授業「インディペンデント・スタディー」では、教授がウェバーさんの熱意を受け止め、全面的に支援してくれた。こうした環境が教育者としての夢を育んだ。ウェバーさんは「創価教育における数学の意義や役割を模索したい」と語る。
SUAの第21回卒業式から
SUAの第21回卒業式から
福岡県田川市出身のミチカ・ニシカワさんは、ひとり親家庭で育った。看護師として懸命に働き、SUAに送り出してくれた母・恵美さんへの親孝行を誓い、向学の青春を歩んできた。環境問題への関心を深め、3年次には、フランスに留学。現地の学生に交じり、フランス語で講義を受けながら、地球温暖化や気候変動について研究した。NGO(非政府組織)に加わり、現地のコミュニティーとの協働研究も行った。「そうした経験が、少しでも後輩たちの力になれば」との思いで、SUAでは自身の留学体験をシェアしてきた。
卒業後は、米国デューク大学の大学院に進み、環境マネジメントを研究するニシカワさん。「私たちは卒業してもなお、SUAの“若き創立者”としての自覚で、後輩たちの道を開いていくために、努力していきたいと思います」
福岡県田川市出身のミチカ・ニシカワさんは、ひとり親家庭で育った。看護師として懸命に働き、SUAに送り出してくれた母・恵美さんへの親孝行を誓い、向学の青春を歩んできた。環境問題への関心を深め、3年次には、フランスに留学。現地の学生に交じり、フランス語で講義を受けながら、地球温暖化や気候変動について研究した。NGO(非政府組織)に加わり、現地のコミュニティーとの協働研究も行った。「そうした経験が、少しでも後輩たちの力になれば」との思いで、SUAでは自身の留学体験をシェアしてきた。
卒業後は、米国デューク大学の大学院に進み、環境マネジメントを研究するニシカワさん。「私たちは卒業してもなお、SUAの“若き創立者”としての自覚で、後輩たちの道を開いていくために、努力していきたいと思います」
SUAの第21回卒業式から
SUAの第21回卒業式から
式典では、アメリカ国歌斉唱の後、フィーゼル学長が祝辞を述べ、俳優でユニセフ親善大使のオーランド・ブルーム氏が記念講演。卒業生一人一人に修士号、学士号の学位記が手渡され、卒業生の代表4人があいさつした。
終盤には「創立者賞」の発表が行われた。
受賞したのは、ブラジル出身のジュリア・ミヤガワ・ブラガさん。ブラジル創価学園を卒業した彼女は、学生自治会の委員長として、SUAや、後輩のために献身してきた。
ブラガさんは語る。「創立者賞は、同期を代表していただいたものです。これからも、最高の同期と団結し、貢献的人生を歩んでいきます」
最後に、SUAの歌「希望の光」を、在学生が演奏・合唱。卒業生の門出に花を添えた。
式典では、アメリカ国歌斉唱の後、フィーゼル学長が祝辞を述べ、俳優でユニセフ親善大使のオーランド・ブルーム氏が記念講演。卒業生一人一人に修士号、学士号の学位記が手渡され、卒業生の代表4人があいさつした。
終盤には「創立者賞」の発表が行われた。
受賞したのは、ブラジル出身のジュリア・ミヤガワ・ブラガさん。ブラジル創価学園を卒業した彼女は、学生自治会の委員長として、SUAや、後輩のために献身してきた。
ブラガさんは語る。「創立者賞は、同期を代表していただいたものです。これからも、最高の同期と団結し、貢献的人生を歩んでいきます」
最後に、SUAの歌「希望の光」を、在学生が演奏・合唱。卒業生の門出に花を添えた。