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Z世代が選ぶフォトニュース 2024年9月9日

 Z世代(1990年代中盤以降生まれ)ならではの視点で、ニュースの中から注目した三つを選んでもらいました。

①新聞から広がる学びの可能性
教員や研究者らがNIEの歴史や対話の必要性について意見交換するパネルディスカッション=8月1日午後、京都市(時事)
教員や研究者らがNIEの歴史や対話の必要性について意見交換するパネルディスカッション=8月1日午後、京都市(時事)

 第29回NIE全国大会が8月1日、2日に京都市で開かれました。NIEとは「Newspaper in Education」の略であり、教育に新聞を活用し、生徒・児童の情報活用能力や読解力を伸ばす取り組みです。

 年1回開かれるNIE全国大会では、公開授業や活動報告、講演、パネル討論などが行われ、NIE活動に携わる教員らが、多彩な取り組みを学んでいます。

 今回のスローガンは、「探究と対話を深めるNIE デジタル・多様性社会の学びに生かす」です。大会では、NIEに取り組む、京都市立西京高校付属中学校の国語の公開授業が行われました。同中学校では日頃から、取り上げた文学作品について、著者がなぜそのように感じたのかを、新聞記事のデータベースなどを使って時代背景を調べ、著者の思いを探り、生徒同士で話し合いの場を持つようにしています。

 公開授業では、太平洋戦争について書かれた随筆の著者の思いを探ることを試みました。戦争体験者の証言や、戦後に振り返った日米の思惑について書かれた複数の新聞記事を取り上げ、生徒たちはチームごとに発表を行いました。授業後、ある生徒は、「日本に有利な戦況を喜ぶ市民もいた」ことを知り、多面的に物事を捉えることができ、考えが深まったと語っていました。

 新聞というと、一人で読んで完結するイメージがありますが、多様な意見を交わすための議論のツールとして使うこともできる。新聞を活用することは、これからの時代を担う若者にとって、欠かせない教育要素があると思いました。正解のない社会を生きる私たちにとって、NIEは大切な生きる力となるのではないのでしょうか。(眼鏡ゴリラ)

②「Z世代活躍課」って何をするの!?
秋田県潟上市の「Z世代活躍課」の辞令交付式に参加した若者たち=7月24日、同市(時事)
秋田県潟上市の「Z世代活躍課」の辞令交付式に参加した若者たち=7月24日、同市(時事)

 秋田県潟上市は7月24日、学生を中心とした「Z世代活躍課」プロジェクトの辞令交付式を行いました。令和6年度第1期生は、20歳以下の20人から参加申し込みがありました。Z世代活躍課では今後、地域イベントの企画や、商品開発、SNSでの情報発信など、まちづくりに関する活動を、Z世代メンバーが行います。 

 同じように、今年4月1日には、福岡県北九州市で全国初の「Z世代課」が始動しています。Z世代課は、同市役所で最年少課長の女性職員をはじめ、20~40歳代の計16人で発足。若者が政策形成に参画するための機会創出や、独自の応援事業を行っています。

 北九州市の武内市長は「若い人が流出している厳しい状況があり、若い人たちに訴えかける施策は若い人を巻き込まないと正解は見いだせない」と語っています。

 秋田と福岡の取り組みの共通点は、課題の当事者を議論のテーブルにつかせたことにあると思います。それによって、多様化する若者の意見をダイレクトに取り入れながら、まちづくりに生かしていくことが可能になります。

 また、そうしたまちづくりや地域行政へ参画することによって、若者のやりがいや生き方にも良い影響を及ぼしていくだろうと想像できます。分野は異なりますが、私自身も、学生記者として活動する中で、自分を律しながら生活できたり、充実感を感じられたりしています。 

 地域社会と若者の双方にメリットのある取り組みが、日本の大きな社会問題の解決につながっていくことを期待しています。(タグッチャン)

③肌着端材から生まれる新しい土
肌着の端材からつくった土の製品「イージーディーズリテラ」。グンゼの研究開発部門と、緑化事業を手がける子会社のグンゼグリーンが共同で開発した
肌着の端材からつくった土の製品「イージーディーズリテラ」。グンゼの研究開発部門と、緑化事業を手がける子会社のグンゼグリーンが共同で開発した

 観葉植物が灰色の綿毛のかたまりのようなものに植えられています。実はこれは、グンゼが肌着製造の過程で生じる端材を再利用して開発した人工的な土なんです。

 グンゼは、元々は製糸会社として創業し、「本来捨てられてしまうはずの肌着の端材を何とかしたい」という悩みを抱えていました。また、「人と地球に寄り添う製品・サービスを通じて持続可能な社会を実現したい」という強い思いもあり、今回の開発に至ったとのことです。

 新しく開発された土は、通常の土よりも軽く、周囲を汚すことがありません。そのため、「もっと手軽に植物がある暮らしを楽しみたい」といったニーズにも応えることができます。「消費者の要望」と「企業の環境への配慮」が合致した理想的な姿といえます。

 捨てられるはずの物から新たな価値を生み出した本製品。このような取り組みが今後さらに広がり、地球に優しいライフスタイルが普及していくことを期待しています。(まなっち)

●ご感想をお寄せください youth@seikyo-np.jp

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