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〈Seikyo Gift〉 災害時の応急手当て〈防災――身を守る行動〉 2024年11月30日

 災害時の応急手当てについて日本赤十字社に聞きました(9月1日付)。
 

 日本赤十字社は、国内外における災害救護活動をはじめ、苦しむ人を救うために、幅広い分野で活動しており、国の「指定公共機関」に定められています。
 運営する国内91の赤十字病院には医療救護班を常備しており、発災後、都道府県等と協力し、被災地でさまざまな救護活動を実施しています。
 また一般の方を対象にした応急手当てなどの正しい「知識」や「技術」を普及するための講習会を、全国各地で実施しています。
 一般の方が応急手当てを行う場合、自分自身の安全が守られている状況で行うことを心がけてください。発災直後は、大混乱し、気が動転している状況と言えます。そうした中で、目の前で倒れている人、けがをしている人がいると、すぐに助けようと体が動くのが自然かもしれません。
 しかし、自分の安全を顧みず、救助を行うことは避けましょう。必ずしも、自分が直接手当てすることだけが救助活動ではありません。素早く、正確な情報を医療従事者や周囲に届けて救助につなげることも重要です。
 また、応急手当てを行うといっても平時に練習をしていないと、正確な手当ができません。
 これから紹介する応急手当ての方法を参考に実践してみてください。
 

●直接圧迫止血法●

 止血の際は、他人の血液に触れると、感染症を起こす危険があります。できる限り、ビニール手袋や、ビニール袋を使用し、感染予防に努めてください。非常時の持ち出し品にガーゼや包帯、ビニール袋などを入れておくといいでしょう。直接圧迫止血法は、最も基本的な止血法であり、多くの出血は、この方法で止血できます。
 

①強く押さえる

 ●ビニール手袋などを着用し、ガーゼやハンカチなどで出血部位を指全体や手のひらで強く圧迫します。
 
 ●圧迫しているにもかかわらず、ガーゼなどが血液でぬれてくる場合は、圧迫部位が出血部位から外れているか、圧迫する力が弱いなどが考えられるため、出血部位を確実に押さえているか確認します。動脈からの出血では、体重をかけて圧迫の力を強めます。
 
 ●ガーゼなどが血でひどくぬれた場合は、新たなガーゼなどを重ねます。
 

②包帯などで固定

 出血が収まったら、ガーゼなどを包帯で覆い、固定します。
 

 動画はこちらから↓↓
 https://www.youtube.com/watch?v=2QPrkzrXpVA
 

●一次救命処置「胸骨圧迫」●

 倒れている人を発見したら、現場と傷病者の状況を観察します。次に大きな声をかけ、反応を確認し、反応がなかったり、反応の有無に迷ったりしたら、協力者を求めます。協力者がいる場合は119番通報とAEDを依頼し、普段通りの呼吸がなければ、すぐに胸骨圧迫を開始します。
 協力者がいない場合、自ら119番通報をし、AEDが近くにあることが分かれば取りに行きます。胸骨圧迫と併せて、技術と意思があれば、人工呼吸も行います。
 

①呼吸の確認

 胸部と腹部の動きを観察して呼吸を確認。普段通りの呼吸がない場合、またはその判断に迷う時は胸骨圧迫を開始します。呼吸の確認に10秒以上はかけないようにします。 

 

②手の位置

 ●圧迫するのは胸骨の下半分。目安は胸の真ん中です。
 
 ●救助者は圧迫部位に片方の手の手掌基部を置きます。その上にもう一方の手を重ね、上に重ねた手の指で下の手の指を引き上げます。
 

③1分「100~200回のテンポ」

 ●肘を伸ばして救助者の肩が圧迫部位の真上になるような姿勢で脊柱に対して垂直に胸骨を押し下げます。成人の場合は胸が5センチ沈み込む程度に圧迫し、胸が元の高さに戻るように圧迫を解除します。
 
 ●圧迫が弱いと効果が得られません。1分当たり100~120回のテンポで続けて30回圧迫します。
 
 ●傷病者が回復を示す変化がないか観察しながら胸骨圧迫を行います。この間にAEDが到着したら使用しますが“体から離れてください”とAEDの音声ガイドが流れるまで胸骨圧迫を継続。一人の時はAED使用を優先。AEDの操作は本体の音声ガイドに従ってください。
 
 

乳児・小児の場合

 乳児は、2本指を立てて、幼児は、片手または両手で、胸の厚さの約1/3が沈み込む程度で行います。テンポは成人と同じです。乳児、幼児ともにAEDの使用も可能です(未就学児用モードがある機種は同モードで)。
 

 動画はこちらから↓↓
 https://www.youtube.com/watch?v=NGNaD_UY-A4
 

●骨折の固定●

 患部を副子(骨折部の動揺を防ぐための支持物)で固定します。骨折部が屈曲していても、元に戻さずにそのままの状態で固定してください。固定後は、傷病者が最も楽な体位にします。
 

 ① 副子は骨折部の上下の関節を含めることができる長さ、強さ、幅を持つものであれば、どんな物でも可能(折り畳み傘、雑誌や段ボール、ノートや新聞など)。
 

 ② 手首や前腕の骨折では、肘関節から指先までの副子を骨折部の外側、内側に当て、ハンカチなどで固定します。※その後、三角巾で腕をつります。
 

 動画はこちらから↓↓
 https://www.youtube.com/watch?v=0ppMySceFT4
 

●三角巾での腕のつり方●

 三角巾は、成人で、1辺1メートル以上のものが望ましいです。風呂敷や大判のバンダナ、切ったシーツ、カーディガンなどで代用できます。
 

 ① つろうとする腕の肘側に三角巾の頂点を置き、負傷していない方の肩に底辺の一端をかけます。
 

 ② もう一方の端を、負傷している方の肩に向かって折り上げ、他方の端と結びます。
 

 ③ 頂点を止め結びにするか、折り曲げて安全ピンで留めます。
 

 動画はこちらから↓↓
 https://www.youtube.com/watch?v=qRReV5IhajE
 

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