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〈教学〉 5月度座談会拝読御書 2025年5月4日

  • 単衣抄
拝読御文

 日蓮、日本国に出現せずば、如来の金言も虚しくなり、多宝の証明もなにかせん。十方の諸仏の御語も妄語となりなん。仏の滅後二千二百二十余年、月氏・漢土・日本に「一切世間多怨難信(一切世間に怨多くして信じ難し)」の人なし。日蓮なくば、仏語既に絶えなん。(御書新版1849ページ4行目~6行目、御書全集1514ページ13行目~15行目)

〈池田先生の指針から〉 毅然たる師子王の闘争に連なる

 三十二歳の立宗の時から、大難が雨のように降り注いできた。それでも、大聖人は一歩も退かれなかった。本抄で大聖人が述べられている諸難の一部を具体的に記せば、次のようになります。
 ――清澄寺を追い出され、故郷・安房を追われ、御両親・親族が苦しめられ、草庵を夜討ちされ、小松原で襲撃された。デマを広められ、悪口を数知れず投げつけられた。小松原の法難では左腕を折られ、額を刀で切られ、弟子も討ち死にした。平左衛門尉が逮捕に来た時には少輔房に経巻で打たれ、竜の口の法難では頸を切られようとし、伊豆と佐渡の二度の流罪にもあわれた――。
 それでも大聖人は、「いまだこりず候」(全1056・新1435)、「悦んで云く本より存知の旨」(全910・新1226)、「日蓮兼ての存知なり」(全958・新1287)と言われて、勇んで立ち向かわれたのです。
 それも全部、民衆のためです。全部、私どものためです。大聖人は御自分のためには、何ひとつ求められなかった。
 安穏な御生活を送ろうと思えば、できたかもしれません。ひとたび立てば大難がくることも、ありありと分かっておられた。にもかかわらず、大聖人は、あえて立たれたのです。
 この御手紙(=単衣抄)でも、受けられた難を列挙されながら、ひとつも恨みがましさや愚痴の表現がありません。むしろ、大難を大いなる誇りとしておられる。
 毅然たる師子王の鼓動が伝わってきます。私どもは、その門下です。大聖人の大闘争に連なっているのです。これほどの誉れはありません。(『永遠の経典「御書」に学ぶ』第1巻)

学会員一人一人が仏法正義の証明者
キーワード① 幾多の難を忍ぶ大慈悲の心

 釈尊滅後の悪世末法において、誰が法華経を弘通するのか――これが、「未来」に焦点を当てた経典である法華経を貫く重要なテーマです。
 拝読御文では、法華経の「一切世間多怨難信」の文が引かれていますが、法華経には他にも、仏滅後に法を弘める人に対し、必ず大難が競い起こることが示されています。
 「刀杖瓦石」(刀や杖で打たれ、土くれや石を投げつけられる)や「数数見擯出」(度々の追放や流罪)、「悪口罵詈」(悪口を言われ、罵られる)などは、末法の広宣流布が難事であることを意味しています。
 これらの迫害を、経文通りに一身に受けて、忍難弘通の大闘争を貫かれたのは、日蓮大聖人ただお一人でした。
 立宗宣言以来、大聖人の御生涯は、命に及ぶ大難の連続でした。二度に及ぶ流罪や竜の口の法難、あらゆる階層の人々から浴びせられる悪口の数々――。しかし、大聖人は「難を忍び慈悲のすぐれたることはおそれをもいだきぬべし」(新72・全202)と仰せのように、万人の幸福を願う大慈悲の心から、全ての障魔を敢然と打ち破り、正義の言論戦を展開されたのです。
 法華経を身で読まれた事実を踏まえ、大聖人は、法華経の行者の自覚と確信を揺るぎないものにされました。いかに深遠な法理を示す経文があっても、それを現実に体現しゆく人がいなければ、偽りの言葉になってしまいます。大聖人の命を賭した激闘によって、万人成仏を説く法華経の文が、真実であると証明されたのです。

キーワード② 創価の旗を掲げ抜く覚悟で

 「法華経の大白法の日本国ならびに一閻浮提に広宣流布せんことも疑うべからざるか」(新173・全265)――大聖人は、万人成仏の大法が、日本のみならず全世界に広がることを確信されていました。
 この大聖人の御遺命のままに、世界広宣流布を成し遂げる使命を帯びて誕生した集いが創価学会です。創価三代の師弟は、熾烈を極める三障四魔との攻防戦に挑み抜き、悩める一人一人の胸中に妙法の灯をともしてきました。
 今や創価の連帯は192カ国・地域に拡大し、宿命転換の劇をつづる地涌の人材群が各国・地域に躍り出る“未曽有の時代”を迎えています。日蓮仏法に基づく人間主義の光が地球を包む事実こそ、学会が大聖人直結の教団である証しにほかなりません。
 広布拡大に駆ける学会員一人一人は、「日蓮なくば、仏語既に絶えなん」との御本仏の御確信に連なる仏法正義の証明者であり、妙法流布の主体者と立つ「地涌の菩薩」そのものです。
 池田先生は「使命ある賢人となりて一人立ち、勝利の道を築くことが、広布の方程式だ」「『私が創価学会だ』『私が地域の学会の代表だ』と胸を張り、悠然と正義を語り、勝ち抜いていくことだ」とつづっています。
 使命の天地で創価の旗を掲げ続ける覚悟に立てば、胸中に満々たる生命力と無限の勇気がみなぎります。弾む心で眼前の友と仏縁を結ぶ対話の積み重ねが、創価の師弟の精神と世界広布の潮流を永遠ならしめる原動力なのです。

 座談会拝読御書の音声は、こちらから。

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