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【電子版先行】入園倍率11倍の名門・香港創価幼稚園 池田先生の訪問から33年  2026年5月13日

  • 未来の希望はここから!――「子ども第一」の徹底した少人数教育
香港創価幼稚園の誕生日会で、子どもたちの笑顔があふれる
香港創価幼稚園の誕生日会で、子どもたちの笑顔があふれる

 世界有数の国際都市・香港では、少子化が深刻さを増している。出生率は0・84(2024年)にとどまり、子どもの数の減少を背景に、定員割れとなる学校も少なくないという。そうした中、昨年の入園倍率が約11倍と、ひときわ存在感を放っているのが香港創価幼稚園である。創立者・池田先生が訪問して、今月15日で33年。“名門幼稚園”として知られる同園の歩みや教育実践を、現地で取材した。(記事=髙橋毅、写真=外山慶介)

1月に誕生日を迎える園児の名前が呼ばれると、会場から大きな拍手が
1月に誕生日を迎える園児の名前が呼ばれると、会場から大きな拍手が

 「ハッピー・バースデー・トゥ・ユー!」――園児たちの元気な声が響き渡る。1月下旬、香港創価幼稚園の講堂で開かれた誕生日会。1月生まれの園児一人一人の名前が呼ばれるたび、会場は温かな拍手に包まれた。
 
 子どもたちの頭には手作りの王冠が輝く。記念撮影後、園児と教員がダンスを披露。はじける笑顔から“一人を大切にする教育”が自然と伝わってきた。
 
 同園の魅力の一つが、充実した「教育環境」である。園舎は3階建て。1、2階に教室、3階には運動や発表会に使用する講堂のほか、音楽室や語学学習室を備える。階段は園児の身長に合わせ、高さが異なる3段階の手すりが設置され、安全面への配慮も行き届いている。

充実した「教育カリキュラム」で注目を集める同園。自由選択の時間では、芸術や科学など好きなコーナーで園児が遊び学ぶ
充実した「教育カリキュラム」で注目を集める同園。自由選択の時間では、芸術や科学など好きなコーナーで園児が遊び学ぶ

 もう一つの特長は、「子ども第一」の徹底した少人数教育だ。
 
 同園では、午前・午後それぞれに年少・年中が3クラスずつ、年長が4クラスの計20クラスを編成。1クラス約30人の園児に対し教員3人を配置し、子ども一人一人の性格や発達段階に応じた丁寧な関わりを実践している。
 
 また、自由選択の時間を設けた「教育カリキュラム」も特色の一つである。芸術や科学、積み木などから、園児が自ら関心のある活動を選択。遊びを通して学んでいく。
 
 教員主導から、子ども中心の学びへと転換することで、主体性や思考力を育んでいる。年齢の違う園児が一緒に遊ぶ機会も多く、年上の子が年下の子を助ける様子が日常的に見られ、思いやりの心が自然と培われているという。

石麗儀副園長
石麗儀副園長

 こうした人間教育を重視した教育カリキュラムなどが高く評価され、2006年に香港政府教育局から「最優秀幼稚園」に認定された。09年には教員3人が「行政長官卓越教学賞」を受賞。その一人である石麗儀副園長が教えてくれた。
 
 「教員同士が互いを尊重し、対話を重ねながらカリキュラムを作っています。協力し合う教員の姿そのものが、子どもたちにとって“生きた模範”となり、感謝や助け合いの心を育んでいます」

「私の生命也」
香港創価幼稚園を訪問し、園児を温かく励ます創立者・池田先生。「堅強(つよく)・正直(ただしく)・活溌(のびのびと)」とのモットーを胸に、園児がすくすく成長している(1993年5月15日)
香港創価幼稚園を訪問し、園児を温かく励ます創立者・池田先生。「堅強(つよく)・正直(ただしく)・活溌(のびのびと)」とのモットーを胸に、園児がすくすく成長している(1993年5月15日)

 香港創価幼稚園は、海外初の創価幼稚園として1992年9月に開園した。卒園生は6000人を超え、弁護士や医師、通訳、パイロット、教員など、多彩な分野で活躍する。
 
 93年5月15日、創立者の池田先生は香峯子夫人と共に同園を訪問。先生は園児たちと握手を交わし、記念のカメラに納まった。さらに「香港幼稚園は 私の生命也」「君たちよ! 正しい人に! 美心の人に!」との指針を書き贈った。

李瑞琪副主任
李瑞琪副主任

 この時、創立者に花束を贈ったのが、1期生の李瑞琪さんだ。「私のことを知ってほしくて、自分の写真を写真立てに入れて渡しました。すると、先生は『ありがとう』と優しく声をかけてくださいました」と当時を振り返り、笑みを浮かべる。その手には、創立者との記念写真が握られていた。
 
 2000年12月、池田先生は香港SGI総合文化センターで、同園を卒園した1~3期生の代表と7年7カ月ぶりに再会した。
 
 「みんな大きくなったね!」「成長した皆さんと、お会いできて本当にうれしい!」
 
 先生の慈愛に満ちたまなざしと力強い励ましに、李さんは“いつか、人を育てる教育の仕事に就きたい”と心に誓った。
 
 その決意のまま勉学に励み、12年から香港創価幼稚園に勤務。現在は、副主任として年長クラスを担当する。
 
 李さんは、創立者の著作である小説『新・人間革命』の「子どもを育成するということは、未来を建設することだ。ゆえに、教育は、最も大事な聖業となる」との言葉を胸に刻み、子どもたちの成長を支える。
 
 「池田先生が創価幼稚園を創立したのは、希望あふれる未来を築くためだと思います。未来の希望と光る幼稚園となるよう努力していきたい」――李さんの瞳が輝いた。

補助金の対象園
馮婉惠園長
馮婉惠園長

 2019年に園長に就任した馮婉惠さん。その直後に直面したのが、20年の新型コロナウイルスの感染拡大だった。休園を余儀なくされ、「何をすればよいのか分からず、本当に大変でした」。
 
 それでも“子どもたちの成長を止めてはいけない”と、教員全員が心を一つにし、知恵を出し合った。
 
 オンライン授業を開始。画面共有で動物を探すゲーム形式の授業など、園児の興味や発達段階に合わせた工夫を重ね、学ぶ喜びを届け続けた。

同園では、一人の教員が10人ほどの園児を担当。徹底した少人数教育で、一人一人に寄り添った保育を行っている
同園では、一人の教員が10人ほどの園児を担当。徹底した少人数教育で、一人一人に寄り添った保育を行っている

 コロナ禍で特に力を入れたのが、新任教員の育成だった。「『教育の目的は子どもの幸福』という創価教育を、どう伝えていくかが最大の課題でした」
 
 馮園長は、創価教育の父・牧口常三郎先生の『創価教育学体系』や池田先生の著作を学び、教育理念を教員と共有した。その中で、池田先生の「子どもにとって最大の教育環境は教師自身である」との言葉を改めて確認。さらに「香港幼稚園は 私の生命也」との指針を抱き締め、教員一人一人が子どもを最大限に尊敬し、自主性を大切に育む実践を積み重ねていった。
 
 こうした不断の努力が実を結び、同園は香港政府の幼稚園教育支援制度に基づく補助金の対象園となった。保護者の経済的負担も軽減され、安心して子どもを通わせられる環境が整えられている。
 
 馮園長は23、24年度に行政長官卓越教学賞の選考委員を務めるとともに、現職園長として外部観察員を担当するなど香港全体の幼児教育の向上にも尽力。「自ら幸福を創造し、人類に貢献できる世界市民を育てたい」と意気込む。
 
 ――池田先生は同園を訪問した33年前、語った。「子どもたちは本当に、にぎやかだ。この、にぎやかさから、未来の平和が生まれるんだ。文化も生まれるんだ」
 
 この言葉の通り、香港創価幼稚園の明るい園舎から、きょうも未来をつくる希望の声が響いている。

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