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〈名物婆ちゃん 信仰体験〉 87歳VTuber「婆ちゃるアイドルやってます」 2025年11月5日

  • 題目はつらつ 青春乱舞
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1:45

 【広島県三原市】ピンクの髪を揺らし、制服姿でギャルピース!
 アニメのキャラクターで登場するその中身は御年87歳のアイドルおばあちゃん。
 始まりは3年前。
 ユーチューブ上で、バーチャル女子高生が「バリバリの後期高齢者です」「暴れてやります」とパワーワードを放ち、「メタばあちゃん ひろこ」が“爆誕”した。

下西さんは週6日、自転車でプールへ通い、1時間ほど元気に歩く。ステーキ600グラムをペロリと平らげ、「腹が減るんじゃけえ、しょうがない」。悠々自適に日々を彩る
下西さんは週6日、自転車でプールへ通い、1時間ほど元気に歩く。ステーキ600グラムをペロリと平らげ、「腹が減るんじゃけえ、しょうがない」。悠々自適に日々を彩る

 人気企画は豪快なお悩み相談。
 恋愛に奥手な男性には「男なら、ちゃっちゃと言葉で言えや。しゃきっとせい」。
 結婚生活の心得には「我慢です。どっちかが、くたばるまで頑張りんさい」。
 ズバリの物言いがバズり、テレビ、新聞と取材依頼が殺到した。

 これまでは顔出し、本名NGだったが、本紙でまさかの初公開。
 「鬼ババの顔を見て腰抜かすなよ」と、2次元から下西泰子さん=副白ゆり長=のご登場。
 本紙のお悩み相談で暴れてもらいます。

メタばあちゃん ひろこ
メタばあちゃん ひろこ
【相談1】お母さんが、いつもガミガミうるさいです。

 母親はそういう生き物。ガミガミ言うんが仕事なんよ。あんたがかわいいけえ、言いたくなるんよ。
 おばあちゃんからしたら、うらやましい悩みよ。うちじゃあ4歳の時にお母さんが死んで、その後に再婚で来た母も、8歳の時に亡くなった。

 生後半年の妹をおぶって、もらい乳のために山を越えて歩いたんよ。
 弟もまだ2歳じゃった。
 しばらくしてお父さんが病気で寝たきりになって介護が始まった。
 夜中でも便所に連れ添って尻を拭いてやる。あれが嫌じゃった。

 畑を耕し、飯を用意し、河原で洗濯をする。ろくに学校も行けんのよ。
 7年後にお父さんも旅立った。
 親に甘えた記憶が見当たらん。青春なんて、どこにもなかったんよ。

散歩が嫌いなチャコちゃん
散歩が嫌いなチャコちゃん
【相談2】彼氏がダメ男すぎて…どうすればいいですか。

 ダメ男は一生、ダメ男よ。まずは覚悟を決めんさい。
 私の夫(故人)もそうじゃった。働いても、家にちっとも銭をいれん。
 途方にくれよったら、近所の人が「信心やってみんさい」って言ってくれたんよ(1959年〈昭和34年〉に創価学会に入会)。

 「蒼蠅、驥尾に附して万里を渡り」(新36・全26)。いつも同志が「絶対に御本尊様から手を離したらいけんよ」って励ましてくれちゃった。

 今でも覚えとるんは、福山支部の結成大会(61年)。長男をおぶって参加したんよ。
 池田先生が“功徳は自分の中から湧き出てくるんだよ”って教えてくださった。
 なんだか幸せの船に乗った気持ちになってね。よーし、私も頑張るぞって。
 それからは、ずーっと題目。人を変えようとしても、うまいこといきゃあせん。
 自分が幸せを呼ぶしかないんよ。

お手製の麦わら帽子風ヘルメットを装着し、さっそうとプールへ。お仲間との水中を歩きながらのおしゃべりは「いつも同じことばっかり話しとる」
お手製の麦わら帽子風ヘルメットを装着し、さっそうとプールへ。お仲間との水中を歩きながらのおしゃべりは「いつも同じことばっかり話しとる」
【相談3】毎日、机で事務仕事ばかり。働くのがしんどいです。

 まだ座れるだけマシよ。ばあちゃんもね、夫の稼ぎがあてにならんけえ、よう働いたよ。
 ろくに字も書けんから、力仕事しかなかった。30キロの砂糖やメリケン粉をかついで配達しよったら、男衆が「たいしたもんじゃ」と褒めてくれちゃった。

 同じ市営住宅の奥さん方は「あがな(あんなこと)までして必死に働かんでええじゃろ」って笑いよった。

 頑張れたんは、2人の息子がいたからよ。
 私が親に甘えられんかったけえ、その思いはさせたくない。本を欲しがれば、何冊でも買ってあげたし、弁当を持って秋空の下でピクニックもした。
 子どもの笑顔が私の幸せじゃったから、どんなに苦しくても「今にみとれ」と懸命に働いたんよ。

働き盛りだった当時の下西さん㊧(本人提供)
働き盛りだった当時の下西さん㊧(本人提供)
【相談4】子どもが反抗期で将来が心配です。

 うちの長男も、思春期の時はいろいろ悪さして、高校の先生から「学校やめてくれ」って言われたもんじゃ。
 明日は明日の風が吹く。何を言うより、題目の背中を見せてあげることじゃと思うよ。

 不思議なもんで、ある日、息子が急に「大学に行きたい」って参考書と向き合いだした。
 ありがたくも、創価大学に合格できて、次は国家資格を取るんじゃ言うて、また勉強。
 私も働いて学費を稼がにゃならんでしょ。そしたら、すでに会社勤めしよった次男が、お兄ちゃんに仕送りをして、私を支えてくれたんよ。ええ息子じゃろ。

 長男は創大で池田先生の心に包まれながら、大学3年の時に公認会計士に受かることができました。
 その息子が結婚して、30年前にお嫁さんや孫との同居が始まったんよ。
 それからは、私に10円も出させんのじゃけえ。感謝だねえ。御本尊様が貧乏の宿命をはぎ取ってくれたんじゃね。

ユーチューブを始めて以来、家族の会話の中心はおばあちゃん(左から、長男・富男さん、泰子さん、孫・竜二さん、長男の妻・清美さん)
ユーチューブを始めて以来、家族の会話の中心はおばあちゃん(左から、長男・富男さん、泰子さん、孫・竜二さん、長男の妻・清美さん)
【相談5】定年退職してから毎日が退屈です。

 暇になると、人生は長く退屈に感じるんよ。私もね、コロナ禍の時、腸の具合が悪うなってね。84歳でついにお迎えが来たと思うた。
 なんの後悔もないもんじゃから、家族に「倒れても拾うてくれるな」って言っとった(実際は便秘だったらしい)。

 ちょうど孫が実家に戻り、ずーっと部屋でパソコンに向かってしゃべっとった。
 大丈夫かねと思ったら、ある日、「これ読んでくれんか」って台本を渡された。それがユーチューブの始まりじゃった。
 (孫の竜二さんは自らの会社で、Vチューバーやアイドルのプロデュースを手がけている)

 アニメの女子高生が、私の声に合わせて動きよる。若い頃、まともに学校へ行けんかったばあちゃんのために、孫が「こんな青春したかったんじゃないか」って作ってくれたんよね。

 ユーチューブで演劇して、ファッションショーもした。初めて学芸会みたいなことして、気持ちは、じぇっと(Z)世代です。
 アイドル仲間のばあちゃんとワイワイして、女子校におるみたい。青春乱舞じゃ。

 人生は、どこに縁が転がっとるか分からん。失敗上等よ。「年はわこうなり」(新1543・全1135)で、なんでも飛び込んでみることよ。
 くたびれよったオババが、今じゃテレビ出演して、東京大学で講師もしとるんじゃから。
 今が一番幸せよお。

「ぶいちゅーばーとか、めたばーすとか、難しい横文字は今でもよう分からん。そもそもスマホを持っとらん」
「ぶいちゅーばーとか、めたばーすとか、難しい横文字は今でもよう分からん。そもそもスマホを持っとらん」
●後記

 しゃがれた広島弁が心地よい。
 張りのある泰子さんの声は、「題目で鍛えられたもの」と家族が笑う。

 かつては隠れんぼの信心だった。ひっそりと創価学会を伏せるも、題目の声が通るのなんの。ご近所さんが「いつも、よう祈っとんね」と、いつの間にやらの学会宣言。

 どんな時も〈題目こそ、究極の幸運を開く鍵なのである〉との師の言葉と歩き、希望を咲かせてきた。

 効果抜群の題目を巡って、過去には孫と一悶着があったとか。
 ある私立大学が第1志望だった孫。
 一方、泰子さんの本音は、創価大……。
 それに気付いた孫が「ばあちゃんの祈りは、かなってしまうから祈らんでくれ」と頼んだそう。

 あれから十数年――創大を卒業した孫が、晴れ晴れとメタばあちゃんをプロデュース。
 その功績で思わぬ出世がかなったらしい。(康)

嫁の清美さん㊧、孫の竜二さん㊥と、台本の打ち合わせ。泰子さんも楽しそう
嫁の清美さん㊧、孫の竜二さん㊥と、台本の打ち合わせ。泰子さんも楽しそう

メタばあちゃんのYouTube公式チャンネルはこちら

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