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本陣 93~95ページ 【小説「新・人間革命」】第17巻 2025年5月8日

 山本伸一は、町田から来たという婦人の決意を聞くと、微笑み、頷きながら語った。
 「嬉しいね。頼もしいね。その意気だよ。ご家族は信心していらっしゃるの?」
 「はい。主人も、子どもも、また、実家の父母も、一生懸命に信心しております。
 私が入会したのは、結婚前でしたが、その時は父母も、姉たちも大反対でした。家から閉め出されてしまったこともありました。
 “なぜ、学会のすばらしさがわからないのだろう”と思うと、悔しくって、何度泣いたかわかりません」
 「そう。大変だったんですね」
 彼女は、満面に笑みを浮かべて言った。
 「でも、今はそうしたことが、一番誇らかで、愉快な思い出になっています」
 「そうなんだ。そうなんだよ。厳しい試練の冬も、勝利の春が来れば、すべては喜びに変わる。涙あっての笑いです。労苦あっての歓喜です。
 苦闘している時には、“なんで自分ばかり、こんなに大変な思いをしなければならないのか”と思うこともあるでしょう。しかし、それは、自ら願い求めた使命の舞台なんです。苦悩が深ければ深いほど、それだけ偉大な使命を担っているということなんです。
 つまり、あなたは、どんなに厳しい家庭の状況であっても、家族の一人が立ち上がれば家庭革命はできる、一家和楽は実現できるということを証明してみせたんです。
 同じような状況で、悩み、苦しんでいる人が、その事実を知れば、皆が“私にもできるんだ!”と希望をもつでしょう。勇気をもつでしょう。ご家族の学会への無理解というのは、あなたがその使命を果たすための舞台だったんです」
 婦人は、何度も頷きながら、伸一の話を聞いていた。
 「人生の充実感や痛快さは、幾つ苦難を乗り越えてきたかによって決まります。いかに年齢を重ねようが、苦闘がなければ精神は空疎です。自分の幸福のため、充実のために、自ら戦いを起こすことです。そして、自身の挑戦のドラマをつくるんです」 

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