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〈Seikyo Gift〉 訪問販売・点検商法のトラブル〈暮らし〉 2025年11月29日

  • 言葉巧みな勧誘に要注意

 インターホンが鳴り、見慣れない人が用件は告げずに「玄関にお願いします」と訪問してきた経験はありませんか。安易にドアを開けてしまうと、長いセールストークの末に、無料点検や高額な商品・サービスの契約を迫られる――こうした「訪問販売」や「点検商法」のトラブルに巻き込まれる危険があります。特に点検商法の相談は近年急増しており、誰もが被害に遭う可能性があります。独立行政法人「国民生活センター」に実際の相談事例や、気を付けるべきポイントを聞き、まとめました。(10月31日付)

不安をあおる手口

 「訪問販売」とは、業者が消費者の自宅などを訪れ、商品の購入やサービスの契約を勧めることです。これには、商品を売りに来るだけでなく、点検や診断を装って訪問するケースも含まれます。
 
 「点検商法」は、業者が事前の約束なしに消費者の自宅を訪れ、「無料で点検します」「近隣で工事をしているのでついでに」などと持ちかけて、床下、屋根、外壁などを点検する手口です。点検後には、「このままでは危険だ」「すぐに工事しないと大変なことになる」などと、事実と異なる、または不必要な不安をあおって、高額なリフォーム工事や修理契約を迫ります。
 
 点検商法の相談件数は、2022年度の8166件から、24年度には1万9215件と大幅に増加しています。本年度も9月末時点で、すでに8508件の相談が寄せられ、増加傾向にあります。
 

狙われやすい高齢者

 被害は特に高齢者に集中しています。ある70代の被害事例では、屋根修理業者を装った訪問者から不必要な契約を勧められます。家族に相談したいと伝えても「今だけの特別な価格です」などと即時契約を迫られ、約40万円の契約をしてしまいました。
 
 また、こうしたリフォーム工事や修理契約の被害額は、高額になる事例があります。特に、高齢者がターゲットとなり、「工事中に会社の広告を出させてもらえれば、モニター価格で安くなります」などと言葉巧みに勧誘し、契約を結ばせる事例が多く見られます。
 

太陽光発電もターゲット

 近年、住宅設備の中でも、太陽光発電システムや蓄電池などの再生可能エネルギーに関連する訪問販売トラブルも急増しています。
 太陽光発電に関する相談件数は、23年度に304件だったのが、本年度は9月末時点で、すでに371件に達しています。
 これらの勧誘では、業者が「太陽光パネルの点検が義務化されたので無料点検に来ました」などと偽り、無料点検後に、太陽光パネルの洗浄等の契約を迫られたという相談が増えています。
 ある80代の消費者が、点検後に業者から「太陽光パネルを長期使用するためには洗浄とコーティングが必要」と告げられ、言われるがまま約40万円の契約を結んでしまった事例もあります。
 

 
 悪質な訪問販売や点検商法による被害に巻き込まれないために、日頃からの心構えが大切です。「トラブルを防ぐ4つのポイント」を意識するとともに、「典型的な誘い文句」を知っておくと、安易な契約を結んでしまうリスクを下げられます。
 

〈トラブルを防ぐ4つのポイント〉

 ①きっぱりと断る
 突然の訪問や点検の申し出に対しては、「結構です」「いりません」などと明確に断りましょう。
 

 ②すぐに契約や支払いをしない
 「今だけ」といった甘い誘いや、「すぐにやらないと危険」という脅し文句に惑わされてはいけません。その場で契約書にサインしたり、お金を支払ったりすることは絶対に避けてください。
 

 ③冷静に判断する
 契約内容や工事の必要性について、家族や信頼できる人に相談しましょう。複数の業者から見積もりを取り、比較検討することが大切です。
 

 ④不安を感じたら相談窓口へ
 万が一、勧誘を受けたり、契約してしまったりして、不安を感じた場合は、すぐに消費生活センターに相談してください。特定商取引法に基づき、契約後でも一定期間内であれば無条件で解約できるクーリングオフ制度が適用される場合があります。
 

〈典型的な誘い文句〉

 ・訪問・点検のきっかけ
 「近くで工事をしている者です」
 「工事のあいさつに来ました」
  
 ・不安をあおる
 「このままだと台風が来たら雨漏りしますよ」
 「すぐに直さなければ大変なことになります」
  
 ・負担が軽くなると思わせる
 「この場で契約していただくと特別に安くできます」
 「通常より大幅に割り引いた価格です」
 「保険金を使って修理すればいいじゃないですか」
 

困ったらすぐ消費者ホットライン「188」

 悪質な勧誘に遭ったり、不安な契約をしてしまったりしたら、一人で悩まず、すぐ消費者ホットライン「188(いやや)」に電話しましょう。音声アナウンスに従って郵便番号を入力すると、お住まいの地域の消費生活センター等へつながります。
 〈受付時間〉
 平日:午前9時~午後5時
 土曜・日曜・祝日:午前10時~午後4時
 ※相談窓口によって受付時間が異なります。
 ※年末年始(12月29日~1月3日)を除き、原則、毎日利用できます。

 
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