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〈もうひとコエ〉 筆執る指先に、確かな信仰の“手応え” 2026年5月29日

  • 仙台市青葉区 長谷川登美さん
これまでの投稿人生を振り返る長谷川登美さん
これまでの投稿人生を振り返る長谷川登美さん

 仙台市青葉区の長谷川登美さん(77)=女性部副本部長=は、ある婦人部(当時)の先輩との出会いをきっかけに、新聞投稿を始め、さらにラジオの川柳や絵手紙、情報紙への投稿などにも挑戦してきました(3月6日付「声」)。
 その掲載数はなんと、1332回! 大変な回数です。感動した担当記者が投稿の秘訣を聞くと、「大切なのは“素直さ”かな。素直に書き続ければ、“手応えある人生”になるよ」と――。どういうことなのでしょう。宮城へ話を伺いに行きました。
 ◇ 

日々の“良かったこと”や“幸せなこと”を絵手紙で書く「絵手紙日記」。1本18メートルの巻紙に書き続けて、現在130本目となる
日々の“良かったこと”や“幸せなこと”を絵手紙で書く「絵手紙日記」。1本18メートルの巻紙に書き続けて、現在130本目となる

 ペンを持ち、さらさらと川柳を書いたかと思えば、筆に持ち替え、絵手紙用の植物の絵を描く長谷川さん。この日の植物は、“山菜の女王”ともいわれる「コシアブラ」。明るい黄緑色を落としたと思いきや、今度はパソコンを開き、エッセーを書くために熟考。その後、メールを確認し、読者への返信も忘れない。さすが、1300回以上の掲載を勝ち取った文筆闘争。切れ目がない。
 「こんなに目まぐるしくなるなんて、想像もしなかった。これも全部、信心のおかげだね」――そう語る長谷川さんが創価学会と出合ったのは18歳の時。父と共に初めて参加した座談会がきっかけだ。引っ込み思案だった性格に悩んでいた自身にとって、誰もが進んで手を挙げて発言する、その場は衝撃的だったという。「ここなら“手応えある人生”を歩めるかもしれない」と、入会を決意した。
 長谷川さんはほどなく、高校で生徒会長に。胸中で必死に題目を唱えながら、約800人の生徒の前でのあいさつや、学校を代表して街の店との渉外を経験する中で、いつの間にか引っ込み思案を克服している自分がいた。

情報誌に掲載された長谷川さんの投稿。掲載されるたびに10人以上の知り合いが感想メールを送ってくれる。もらった褒め言葉をノートに記入している長谷川さん。「皆に育ててもらって今がある」
情報誌に掲載された長谷川さんの投稿。掲載されるたびに10人以上の知り合いが感想メールを送ってくれる。もらった褒め言葉をノートに記入している長谷川さん。「皆に育ててもらって今がある」
“最初の読者”のために

 今に至る“投稿の日々”は46歳から。「広宣流布は“言論戦”」との先輩の言葉に発奮し、書くことに不慣れながらも挑戦。初めて掲載された時、あまりにもうれしくて、続けて10本をそれぞれ違うテーマで、あちこちの新聞社に投稿。しかし、結果は全て不採用だった。
 駆け出しとはいえ、「やっぱり全てが没になるのは、ショックだった」。池田先生の「何のため」との言葉が、頭の中で何度も鳴り響いた。悔しさを御本尊にぶつけながら、自問自答し続けた長谷川さん。その中で浮かんできたのは“最初の読者の存在”だった。
 「掲載されなくても、最初に手に取る新聞社の人は必ず読んでくれる。その人の心のどこかに自分の思いが残ればいいのではないか」
 その思いに至ったのは、学会活動の中で刻んだ、励ましの信念があったから。地区や支部のリーダーとして、メンバー一人一人に丁寧に向き合い、訪問・激励を重ねる中で、“目の前の一人を大切に”との精神が培われた。「例えば、父に読んでもらうように」――そう具体的に思い起こすと、心が軽くなり、筆も軽くなっていったという。

色鮮やかな長谷川さんの絵手紙。面識のない読者が「長谷川さんの絵手紙が一番に目に入る」と書いてくれたことも
色鮮やかな長谷川さんの絵手紙。面識のない読者が「長谷川さんの絵手紙が一番に目に入る」と書いてくれたことも
「失敗も 恥も財産 文にする」

 50歳から絵手紙にも挑んだ。その道に精通する人に出会い、書き方を教えてもらううちに、10年間で書いた絵手紙は2211通に。東日本大震災で被災した人たちへの励ましや、約100人の知り合いに年4回の“四季だより”を送るなど、「一人でも多くの人を励ましたい」という池田先生の歩みに続けとばかりに、とにかく書きに書き続けた。
 70歳からは川柳も。特に思い入れのある一句が、3年前に聖教新聞に掲載された「失敗も 恥も財産 文にする」。長谷川さんは、ここに「投稿者としての心構え」があると強調する。
 ある時、道路で転んだことを書いて新聞に投稿した。読んだ人のほとんどは、転んだ時の恥ずかしいしぐさを笑った。後に、「どうして転んだんだろう」と思い、市役所に尋ねると、原因は道路の整備不良。しかも、長谷川さんと同じように転んだ人も多くいたという。
 「その話に、不思議と“ハッ”としたんです。私の失敗談を読んで、読者自身が『私は転ばないようにしよう』と、少しでも教訓にしてくれたら、さらに投稿の意味が深まるのではないかって」
 それは、長谷川さんにとって、小さくて大きい気付き。
「失敗も含め、積み重ねてきた豊かな人生経験は、人びとを励ますうえでも、仏法を語るうえでも、大きな力となる。人生のすべてが生かせるのが信心なのである」との先生の言葉が頭に浮かんだ。読者を思えば、どんな経験だって、何かを書くための“ネタ”になる――そんなインスピレーションは、さらに筆を走らせる。そこから、長谷川さんは80歳になるまでに1500本の掲載を目指すようになった。

陰ながら支えてくれる夫・政惠さんへの感謝を伝える長谷川さん。時には「絵手紙日記」に、夫へのラブレターを書いているそう
陰ながら支えてくれる夫・政惠さんへの感謝を伝える長谷川さん。時には「絵手紙日記」に、夫へのラブレターを書いているそう
素直に書き続けること

 「60年近く信心をして、人生の指針は全部、池田先生に教えてもらった。こんなにたくさん“いいこと”を教えてもらって、独り占めはできないでしょう? 投稿では、先生についてほとんど書いていないけど、先生の精神は文章の中に入っていると思うの」と投稿生活を振り返る長谷川さん。これから投稿に挑戦する人に、「何でも素直に書いていいんだと伝えたい。真面目に信心していれば、すごい生き方の言葉がいっぱい命に入っていると思うの。だから、絶対に誰かの心に届く。『勝って驕らず』『負けて腐らず』の心で、ありのまま書き続けて、自分の思いが活字になった感動を、味わってほしいです」と力を込めた。
 長谷川さんは、きょうもペンを持ち、絵筆を持ち、励ましを届け続ける。その指先に、確かな信心の“手応え”を感じながら――。(記事・写真=浅見祐子)

60代からパソコンを使い始めた長谷川さん。エッセーを書くため、懸命にキーボードをたたく
60代からパソコンを使い始めた長谷川さん。エッセーを書くため、懸命にキーボードをたたく
毎日、聖教新聞の記事を切り抜き、自分にぴったり当てはまる励ましの言葉や、元気になる言葉をメモしている。忙しさの中でも語彙力を鍛えることを欠かさない
毎日、聖教新聞の記事を切り抜き、自分にぴったり当てはまる励ましの言葉や、元気になる言葉をメモしている。忙しさの中でも語彙力を鍛えることを欠かさない
◎掲載された投稿(2026年3月6日付)

 入会で得られた手応えある人生

 仙台市青葉区 長谷川登美(77歳)

 引っ込み思案で人見知りの性格だった私は、「手応えのある人生」を歩みたいと、18歳で入会しました。来年で60年を迎えます。

 入会後は婦人部(当時)の先輩からたくさんのことを学び、PTAの役員や地域活動にも取り組むように。何でも挑戦する日々を送りました。

 ある時、新聞への投稿を勧めてくれた人がいました。文章を書くことは得意ではありませんでしたが、深く興味を持ちました。早速、投稿すると、聖教新聞に掲載されたのです。

 自分の体験を通し、池田先生に教えていただいた生き方を文章にして、見知らぬ人にも読んでもらえることに、最高の喜びを感じました。

 7年前にはラジオの川柳への投稿を勧められ、挑戦しました。また趣味の絵手紙の投稿も始めました。ボランティア活動や、健康体操のサポーター、絵手紙の講師のことなど、書くことはたくさんあります。引っ込み思案で人見知りの性格はどこへいったのでしょう。まさに「手応えのある人生」になっています。

 初めての投稿から32年目の現在、新聞やラジオ、情報紙などへの掲載数は1332回になりました。一昨年は同人誌にも掲載され、そこで関わった方の推薦で昨年、「宮城県芸術協会」の一員にもなったのです。

 池田先生を心のど真ん中に、学会創立100周年の2030年を目指し、必ず人生を大勝利します。

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