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〈フォーカス 平和運動〉 クローズアップ SDGs採択から10年の成果と今後の課題 2025年7月16日

  • ●SDGsジャパン 大橋正明共同代表理事に聞く

 SDGs達成に取り組む日本のNGOやNPOが加盟する「SDGs市民社会ネットワーク(SDGsジャパン)」で、共同代表理事を務める大橋正明氏に話を聞いた。(聞き手=大橋秀樹)
 
 
 ――ここまでの10年のSDGsの成果について、どのように評価されていますか?
 
 
 新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)によって、SDGsの進捗は大幅に滞ったと指摘されています。本来、SDGsはパンデミックを防ぐ役割も担っていたはずです。新型コロナのワクチン接種が貧しい途上国に十分に行き渡らなかったことは、かつてエイズ治療薬がアジアやアフリカの人々に届かなかったのと同様の不平等を繰り返してしまいました。
 
 さらに現在、国連を中心とした多国間主義が揺らぎ、自国を優先する風潮が一部で強まっています。そうした状況が相まって、SDGsの達成率は16%から17%程度にとどまってしまっているのが現状です。
 
 一方、SDGsの取り組みを通じて、さまざまな問題が相互に関連し合っているという理解が深まり、分野を超えた連携が多く生まれました。例えば教育と貧困、あるいは環境といった問題は分けて考えるのではなく、関連性を考慮して解決の方途を探るべきです。
 
 この「相互関連性」がSDGsの本質であり、その意識が広がってきたことは重要な成果といえるでしょう。
 
 しかし、政府や国際レベルで同様の理解が進んでいるかというと必ずしもそうではありません。だからこそ、市民社会が声を上げる必要性が増していると痛感しています。

協調・協働の潮流を市民の連帯で

 ――今月14日にニューヨークの国連本部で始まったハイレベル政治フォーラムでは、日本のSDGsの実施状況も報告されます。
 
 
 日本政府の報告は今回で3回目ですが、以前よりもマルチステークホルダー(さまざまな関係当事者)の関与を積極的に進めるようになってきた印象があります。
 
 市民社会の意見も前回、前々回に比べて、より多く取り入れられるようになりました。SDGsジャパンが日本のSDGs達成度を評価し、成果と課題、そして政府に対する提言をまとめた「SDGsスポット・ライト・レポート2025」も、日本政府の実施状況の報告書作成に大きく影響したと実感しています。
 
 日本は多国間主義を堅持してきた国の一つとして、自国優先主義的な風潮にとらわれずに、これからもさらに多国間主義の枠組みを強く要求し、ポストSDGsの議論を力強くけん引してほしいと期待しています。
 
 特に、核兵器廃絶や環境問題、SDGsが訴えてきたような課題などについて他国と力を合わせて推進することで、困難な状況に置かれた国々の代表としてリーダーシップを発揮できる可能性があると思います。
 
 
 ――目標の達成期限である2030年に向けて、特に若い世代に期待されていることはありますか。
 
 
 SDGs的な多国間主義、グローバルな理想主義が時代の潮流となっていかねばなりません。その大きな原動力は、若い人たちの力であると思います。
 
 私たちのような市民社会の声が少しずつでも重なることで、大きな影響力を生み出せると信じています。とりわけ、信念に基づいた力強い声を市民社会や宗教界が一緒になって出すことが重要です。
 
 SDGs達成のために、今後も共に行動を続けていきましょう。

 【ハイレベル政治フォーラムとは】
 
 正式名称は「持続可能な開発に関するハイレベル政治フォーラム」。国連が主催し、SDGsを含む「2030アジェンダ」の進捗を確認する。各国が「自発的国家レビュー(VNR)」と呼ばれる実施状況に関する自己評価を発表し、課題や教訓などが共有される。

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