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アメリカ創価大学 卒業生の話題 2025年6月30日

 先月、アメリカ創価大学(SUA)を卒業した21期生の3人に、SUAでの学びや卒業後の進路について聞きました。

アメリカ創価大学の本部棟「ファウンダーズ・ホール」。ピースレイク(平和の池)から噴水が噴き上がる
アメリカ創価大学の本部棟「ファウンダーズ・ホール」。ピースレイク(平和の池)から噴水が噴き上がる
ネパール出身 アーナブ・パンディさん
夢を開いた奨学金 必ず恩返しの一生を

 ――ご出身はどちらですか? また、SUAへの進学理由を教えてください。
  
 私は、ネパールの首都カトマンズで生まれ育ちました。ネパールにいる卒業生の方々からSUAのことを聞き、最も魅力に感じたのは、SUAの奨学金制度です。
  
 ずっと、「アメリカで高等教育を受けたい」と思っていましたが、わが家は決して裕福ではなく、その願いを実現することは非常に困難でした。
 SUAの奨学金制度が、私の夢を開いてくれました。SUAの寄付者の皆さまに感謝しています。必ず恩返しします。
  
 ――卒業に際し、最も感謝を伝えたい人は?
  
 母です。父が病を患っているため、長い間、家のことも仕事も母が一人で切り盛りしてくれています。
 幼い兄弟がいるため、母はネパールを離れられず、SUAの卒業式には参加できませんでしたが、学業に励み、親孝行したいと思います。
  
 ――SUAの教授たちは、あなたの成長をどのように支えてくれましたか。
  
 私はもともとシャイで内向的な性格でしたが、SUAの授業で、興味がある分野は積極的になれる自分の一面を発見できました。
  
 チャレンジの機会や可能性を模索していたところ、私の決意を知った教授が熱心にサポートしてくださり、SUAの中で、ネパールの文化理解を促進するクラブを立ち上げることができました。
 大学構内で、母国のダンスや食事を紹介する中で、自身のアイデンティティーを知ってもらえることの喜びを実感しました。
 学生の情熱を、真正面から受け止めてくれる教職員のサポートは、SUAの魅力を語る上で、欠かせない要素です。
  
 ――卒業後の進路を教えてください。
  
 ノースカロライナ大学で、細胞生物学の修士課程を経て、生物科学で博士号を目指します。
 創立者・池田先生が示してくださったSUAの理念の中に「貢献的人生」との言葉があります。アカデミックな知識は、その「貢献」の領域や可能性を広げる力になります。
 学究心を高く維持し、SUAの理念を体現したいと決意しています。

ガーナ出身 フィリップス・アメチコールさん
陰で献身する中で 多くの真心に気付けた

 ――どんな経緯で、SUAを知りましたか。
  
 母国(ガーナ)に住むSUAの卒業生から聞きました。大学で異文化に触れる機会を得たかったので、全学生にスタディー・アブロード(海外留学)の機会が開かれていることは、とても魅力でした。
  
 留学は、パリ・カトリック大学に行き、フランス語を学びました。印象深いのは、83歳のホストマザーとの思い出です。
 彼女は英語が話せなかったので、私はたどたどしいフランス語でコミュニケーションを取りました。
 最初は失敗が怖くて、なかなかフランス語を話せなかったのですが、彼女は「どんなに間違えてもいいよ」と優しく受け止めてくれました。
 言葉はうまく話せなくても、同じ人間として相手を信じ、尊敬し、向き合っていくことの大切さを、彼女から学びました。
  
 ――SUAの寮生活で得たものはありますか。
  
 ルームメートはアメリカ人の同級生でした。入学当初からアメリカの文化を丁寧に教えてくれ、生活必需品も一緒に買いに行ってくれました。
 SUAの寮は、多様性の中にも、支え合いの文化が根付いています。
  
 私も誰かの支えになりたいと、2年間、レジデント・アシスタント(寮生活をサポートする学生スタッフ)を務めました。
 ある日の深夜、寮で停電が起きたことがあり、すぐに職員の方に伝えました。深夜にもかかわらず、すぐにスタッフの方が駆けつけてくれ、復旧に当たってくださいました。
  
 「人のために」と陰で献身するようになると、こうした職員やスタッフの皆さんの真心に気付き、感謝できる自分に変わっていきました。
  
 ――SUAでの経験を、どう生かしたいですか。
  
 世間では、数カ国語が話せる人などを「世界市民」と呼ぶかもしれませんが、私がSUAで学んだのは、差異と向き合い、その違いを理解し、尊重できる「寛容性」を備えることが「世界市民」の要件であるということです。
  
 私は、エール大学の修士課程で国際開発経済学を学びますが、SUAで学んだ寛容性を磨き、他者に貢献する生き方を貫きたいと思います。

ブラジル出身 ジュリア・ミヤガワ・ブラガさん
他者との差異の中に「共通点」を見いだす

 ――ブラジル創価学園のご出身と伺いました。
  
 小学校から高校まで通いました。入学理由は、たまたま近所だったからです(笑)。入学するまでは、創価教育のことを知りませんでした。
  
 高校の時、日本の創価学園生と一緒に、SUAでの研修プログラムに参加し、ブラジル創価学園で形成された私の価値観が、SUAの理念とも深く一致していると知りました。
  
 それは「何のため」という「学問の目的意識」を常に確認することであり、その最大の目的に「人々への貢献」を掲げている点です。
  
 ――創立者の理念から学んだことは何ですか。
  
 “世界市民たれ”との指標です。それを目指す上で、私のキーワードとなったのは“Committed(献身的に深く関わる)”です。
  
 「世界市民」という目標は崇高ですが、その過程には、日々の“Committed”があるということを学び、学生をサポートする諸活動に加わりました。
 人前に立つのは苦手で、不安もありましたが、SUAを守り、発展させようと尽力する教職員や先輩の姿を見て「同じ勇気を持ちたい」と思いました。
  
 ――多様性のキャンパスで「友情」を育むために、心がけてきたことは?
  
 他者との差異の中に、「共通点」を見いだすことです。ある先輩は、どんな相手とも共通となる土台を探す中で、結局は皆、「幸せを目指して生きる人間同士」であることに気付けるようになる、と教えてくれました。
  
 また、リベラルアーツのカリキュラムで養う知的好奇心は、対人関係にも良い影響をもたらしてくれました。
 国籍や文化などの表層にとどまらず、「あなたという人を知りたい」という姿勢が身に付きました。
  
 ――卒業後のプランを教えてください。
  
 サンフランシスコの法律事務所でインターンを行い、タイでの国連の会議の運営に関わった後、来年2月から中国の大学で働く予定です。
  
 その後、大学院で国際法を専攻し、将来は国際紛争解決の枠組みを強化する仕事をしたいと考えています。

SUAのキャンパスには、学生たちの故郷の市名が記された旗が掲げられている
SUAのキャンパスには、学生たちの故郷の市名が記された旗が掲げられている

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