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和食の危機について語ってみた――学生記者のちゃぶ台
和食の危機について語ってみた――学生記者のちゃぶ台
2024年3月18日
フォトニュース番外編「学生記者のちゃぶ台」では、学生同士が、あるニュースについて語り合います。
フォトニュース番外編「学生記者のちゃぶ台」では、学生同士が、あるニュースについて語り合います。
登場人物
登場人物
インゲン 私立大に通う大学3年生。最近、旅先で郷土料理を食べ、興味が増している。
まなっち 別の私立大に通う大学3年生。「肉じゃが」が好きで、調理にも挑戦中。
インゲン 私立大に通う大学3年生。最近、旅先で郷土料理を食べ、興味が増している。
まなっち 別の私立大に通う大学3年生。「肉じゃが」が好きで、調理にも挑戦中。
イギリス・ロンドンで行われた「和食」の無形文化遺産登録10周年を記念したシンポジウム(3月11日=時事)
イギリス・ロンドンで行われた「和食」の無形文化遺産登録10周年を記念したシンポジウム(3月11日=時事)
まなっち 春休み、どこか行った?
インゲン 遠出はできなかったんだけど、東京・上野の国立科学博物館で開かれていた特別展「和食」に行ったかな。
まなっち 実は、その展示、僕も行きたかったんだ。時間がなくて行けなかったんだけど、どうだった?
インゲン リアリティーあふれるダイコンとか、迫力あるマグロとか、多くの種類の標本や模型が展示されていて。
まなっち へぇー。
インゲン 時代によって移り変わってきた日本の食卓が、彩り豊かな食品サンプルで再現されていたのも印象に残った。“歴史上の人物の食事はこんなふうだったのか!”って感動したよ。
まなっち 行きたかったなあ。
インゲン 和食って、食べ物としてのおいしさだけではなく、身近な日本の自然や四季を感じられる面白みがあるよね。
まなっち そうだね。そういえば、なんで今、和食をテーマにした展示が開かれたんだろう?
インゲン 和食が国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に登録されてから、去年でちょうど10周年だったんだ。この展示だけじゃなく、さまざまなイベントが国内外で行われたんだって。
まなっち そうなんだ!? 和食の価値が世界的に認められているのは喜ばしいことだね。でも、「遺産」に登録されるってことは、和食に何らかの危機が迫っているってことなのかな?
インゲン うん。例えば、日本各地の郷土料理は現在、担い手不足に悩まされているんだ。
まなっち 少子高齢化だし、なんとなく分かる気がする。
インゲン 去年2月、農林水産省が行った調査では、自身が生まれ育った地域の郷土料理について、「作り方を受け継いだことがある」と答えた人は20・7%、「作り方を教えたり伝えたりしていることがある」は9%にとどまっているよ。
まなっち なるほど。
インゲン あとは、食材不足もある。身近なところでいえば、おすしのネタになる魚類なんかそうだね。
日本の水産業の生産量は長期的な減少傾向にあって種類によっては深刻な不漁にも見舞われている。このままでは近い将来、食べられなくなるネタが出てくるかもしれないんだ。
まなっち それって本当なの?
インゲン 2041年には「しゃこ」、49年には「サーモン」と「いくら」の日本近海のネタがすし屋から消えるという予測もあるよ。
まなっち それはショックだなあ。シャリは大丈夫なのかな?
インゲン 地球温暖化の影響で、お米の生産も地域によっては減収が予測されているようだよ。
まなっち 思っていた以上に和食を支える基盤は揺らいでいるんだね。
インゲン 貴重な和食やその文化を未来につなげるために、私たち一人一人ができることを考えていかないといけないね。
まなっち 何かある?
インゲン 例えば、自分のふるさとや旅先の郷土料理の歴史を調べてみるとか。
まなっち なるほど。加えて、調べるだけじゃなく、実際に郷土料理を作ってみても面白いだろうね。
インゲン 確かにね。郷土料理を作るとなれば、地元の食材の購入や、地域の農業や水産業への貢献につながりそうだね。
まなっち あと、農林水産省のホームページを調べたら、1人当たりのお米の消費量は約60年前のピーク時の半分以下に落ち込んでいるし、ご飯を食べるだけでも和食文化を守ることにつながるかな?
インゲン そうなんじゃない? とにかく一人一人の小さな行動が大きな力になるはずだよね。
まなっち よし、さっそく何か和食を作ってみようかな。一緒に食べようよ。
インゲン 何を作る?
まなっち インゲン豆のごまあえは、どう?
インゲン 共食いになっちゃうなあ(笑)。
●ご感想をお寄せください youth@seikyo-np.jp
まなっち 春休み、どこか行った?
インゲン 遠出はできなかったんだけど、東京・上野の国立科学博物館で開かれていた特別展「和食」に行ったかな。
まなっち 実は、その展示、僕も行きたかったんだ。時間がなくて行けなかったんだけど、どうだった?
インゲン リアリティーあふれるダイコンとか、迫力あるマグロとか、多くの種類の標本や模型が展示されていて。
まなっち へぇー。
インゲン 時代によって移り変わってきた日本の食卓が、彩り豊かな食品サンプルで再現されていたのも印象に残った。“歴史上の人物の食事はこんなふうだったのか!”って感動したよ。
まなっち 行きたかったなあ。
インゲン 和食って、食べ物としてのおいしさだけではなく、身近な日本の自然や四季を感じられる面白みがあるよね。
まなっち そうだね。そういえば、なんで今、和食をテーマにした展示が開かれたんだろう?
インゲン 和食が国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に登録されてから、去年でちょうど10周年だったんだ。この展示だけじゃなく、さまざまなイベントが国内外で行われたんだって。
まなっち そうなんだ!? 和食の価値が世界的に認められているのは喜ばしいことだね。でも、「遺産」に登録されるってことは、和食に何らかの危機が迫っているってことなのかな?
インゲン うん。例えば、日本各地の郷土料理は現在、担い手不足に悩まされているんだ。
まなっち 少子高齢化だし、なんとなく分かる気がする。
インゲン 去年2月、農林水産省が行った調査では、自身が生まれ育った地域の郷土料理について、「作り方を受け継いだことがある」と答えた人は20・7%、「作り方を教えたり伝えたりしていることがある」は9%にとどまっているよ。
まなっち なるほど。
インゲン あとは、食材不足もある。身近なところでいえば、おすしのネタになる魚類なんかそうだね。
日本の水産業の生産量は長期的な減少傾向にあって種類によっては深刻な不漁にも見舞われている。このままでは近い将来、食べられなくなるネタが出てくるかもしれないんだ。
まなっち それって本当なの?
インゲン 2041年には「しゃこ」、49年には「サーモン」と「いくら」の日本近海のネタがすし屋から消えるという予測もあるよ。
まなっち それはショックだなあ。シャリは大丈夫なのかな?
インゲン 地球温暖化の影響で、お米の生産も地域によっては減収が予測されているようだよ。
まなっち 思っていた以上に和食を支える基盤は揺らいでいるんだね。
インゲン 貴重な和食やその文化を未来につなげるために、私たち一人一人ができることを考えていかないといけないね。
まなっち 何かある?
インゲン 例えば、自分のふるさとや旅先の郷土料理の歴史を調べてみるとか。
まなっち なるほど。加えて、調べるだけじゃなく、実際に郷土料理を作ってみても面白いだろうね。
インゲン 確かにね。郷土料理を作るとなれば、地元の食材の購入や、地域の農業や水産業への貢献につながりそうだね。
まなっち あと、農林水産省のホームページを調べたら、1人当たりのお米の消費量は約60年前のピーク時の半分以下に落ち込んでいるし、ご飯を食べるだけでも和食文化を守ることにつながるかな?
インゲン そうなんじゃない? とにかく一人一人の小さな行動が大きな力になるはずだよね。
まなっち よし、さっそく何か和食を作ってみようかな。一緒に食べようよ。
インゲン 何を作る?
まなっち インゲン豆のごまあえは、どう?
インゲン 共食いになっちゃうなあ(笑)。
●ご感想をお寄せください youth@seikyo-np.jp