〈メディカルトピックス〉 近視進行抑制に新治療法
〈メディカルトピックス〉 近視進行抑制に新治療法
2026年4月11日
点眼薬やコンタクトレンズなど、近視の進行を抑える新しい治療法について掲載します。また、産後1カ月間の入浴について、医師らの研究結果を紹介します。
点眼薬やコンタクトレンズなど、近視の進行を抑える新しい治療法について掲載します。また、産後1カ月間の入浴について、医師らの研究結果を紹介します。
◆近視の進行抑える点眼薬、コンタクトレンズ
◆近視の進行抑える点眼薬、コンタクトレンズ
世界的に増加傾向にある近視。特に、スマートフォンやゲーム機などを近距離で見つめる機会が増え、子どもの近視の急増が懸念されています。眼鏡で矯正すれば問題ないとされてきましたが、緑内障など目の病気のリスクを高めることが分かってきました。国内では最近、近視の進行を抑える点眼薬やコンタクトレンズが承認され、子どもの近視抑制の転機になると専門家は期待しています。
世界的に増加傾向にある近視。特に、スマートフォンやゲーム機などを近距離で見つめる機会が増え、子どもの近視の急増が懸念されています。眼鏡で矯正すれば問題ないとされてきましたが、緑内障など目の病気のリスクを高めることが分かってきました。国内では最近、近視の進行を抑える点眼薬やコンタクトレンズが承認され、子どもの近視抑制の転機になると専門家は期待しています。
世界人口の半数
世界人口の半数
海外の報告によると、2000年に世界人口に占める近視の割合は23%、強度近視は3%で、50年にはそれぞれ50%と10%に増加すると予測されています。国内では文部科学省による25年度の調査で小学6年生の48%、中学3年生の65%が裸眼視力1・0未満でした。
近視とは、眼球の奥行き(眼軸長)が長くなって、網膜の手前で像を結んでしまう状態。凹レンズで光の屈折を弱め、ピントが合う位置を網膜に合わせることで鮮明に見えるようになります。
裸眼視力1・0未満の場合は近視が疑われますが、視力が落ちる原因は近視だけではありません。主観的な見え方を除く観点からも、ピントが合った際の屈折率と眼軸長とで近視の程度を判定します。
海外のデータでは、近視に伴い網膜剝離のリスクが3・45倍、緑内障が1・95倍に高まります。強度の近視では網膜剝離のリスクが12・62倍、緑内障が2・92倍と、さらに高まります。
近視の予防には屋外で過ごす時間を増やすことと、スマホやデジタル機器、本などを近距離で凝視する時間を減らすことが効果的とされますが、近視が進み始めた際に進行を抑える治療法が近年、登場してきました。
海外の報告によると、2000年に世界人口に占める近視の割合は23%、強度近視は3%で、50年にはそれぞれ50%と10%に増加すると予測されています。国内では文部科学省による25年度の調査で小学6年生の48%、中学3年生の65%が裸眼視力1・0未満でした。
近視とは、眼球の奥行き(眼軸長)が長くなって、網膜の手前で像を結んでしまう状態。凹レンズで光の屈折を弱め、ピントが合う位置を網膜に合わせることで鮮明に見えるようになります。
裸眼視力1・0未満の場合は近視が疑われますが、視力が落ちる原因は近視だけではありません。主観的な見え方を除く観点からも、ピントが合った際の屈折率と眼軸長とで近視の程度を判定します。
海外のデータでは、近視に伴い網膜剝離のリスクが3・45倍、緑内障が1・95倍に高まります。強度の近視では網膜剝離のリスクが12・62倍、緑内障が2・92倍と、さらに高まります。
近視の予防には屋外で過ごす時間を増やすことと、スマホやデジタル機器、本などを近距離で凝視する時間を減らすことが効果的とされますが、近視が進み始めた際に進行を抑える治療法が近年、登場してきました。
多焦点
多焦点
安静時や睡眠時に活発になる副交感神経の働きを抑える薬アトロピンが近視の進行抑制に効果があることが分かり、低濃度アトロピン点眼薬「リジュセアミニ」(参天製薬)が24年12月に承認され、25年春から販売されています。近視矯正の効果はなく、日中は眼鏡を使用しながら毎日寝る前に点眼します。
クーパービジョン・ジャパンは米食品医薬品局(FDA)が承認している多焦点コンタクトレンズ「マイサイトワンデー」の販売を26年2月に始めました。厚生労働省が25年8月に承認しました。
眼球はピントの合う位置に従って眼軸長を調整する性質があります。ソフトコンタクトレンズの同心円状に近視矯正の屈折率を持つ部分と、網膜の手前にピントを合わせて眼軸長がさらに伸びるのを防ぐ部分を配置し、臨床試験では近視の進行を3年間で59%抑制しました。毎日使い捨てで視力を矯正しながら清潔に続けられます。ただし日中にコンタクトレンズを適切に扱える小学校中学年以上が対象になります。
これら二つの治療法は厚労省が近視進行抑制治療として承認していますが、保険適用はなく、自費診療です。関係者によると、点眼薬は月5千円ほど、多焦点コンタクトレンズは月1万円ほどかかるといいます。
安静時や睡眠時に活発になる副交感神経の働きを抑える薬アトロピンが近視の進行抑制に効果があることが分かり、低濃度アトロピン点眼薬「リジュセアミニ」(参天製薬)が24年12月に承認され、25年春から販売されています。近視矯正の効果はなく、日中は眼鏡を使用しながら毎日寝る前に点眼します。
クーパービジョン・ジャパンは米食品医薬品局(FDA)が承認している多焦点コンタクトレンズ「マイサイトワンデー」の販売を26年2月に始めました。厚生労働省が25年8月に承認しました。
眼球はピントの合う位置に従って眼軸長を調整する性質があります。ソフトコンタクトレンズの同心円状に近視矯正の屈折率を持つ部分と、網膜の手前にピントを合わせて眼軸長がさらに伸びるのを防ぐ部分を配置し、臨床試験では近視の進行を3年間で59%抑制しました。毎日使い捨てで視力を矯正しながら清潔に続けられます。ただし日中にコンタクトレンズを適切に扱える小学校中学年以上が対象になります。
これら二つの治療法は厚労省が近視進行抑制治療として承認していますが、保険適用はなく、自費診療です。関係者によると、点眼薬は月5千円ほど、多焦点コンタクトレンズは月1万円ほどかかるといいます。
度数減らせる
度数減らせる
睡眠時に特殊なハードコンタクトレンズを装着し、角膜の形状を一時的に矯正するオルソケラトロジーも海外で広く使用されています。装着開始2年間で近視進行を32~63%抑制するとの報告があります。国内では薬事承認されていませんが、自費で利用できます。
日本近視学会の理事長を務める東京科学大学の大野京子教授(眼科学)は「点眼薬と多焦点コンタクトレンズは近視になり始めた子どもが使うことで、将来的な近視度数をかなり減らすことができる。国内では近視対策が遅れてきたが、新しい治療法の承認は大きな福音となる」と話しています。
睡眠時に特殊なハードコンタクトレンズを装着し、角膜の形状を一時的に矯正するオルソケラトロジーも海外で広く使用されています。装着開始2年間で近視進行を32~63%抑制するとの報告があります。国内では薬事承認されていませんが、自費で利用できます。
日本近視学会の理事長を務める東京科学大学の大野京子教授(眼科学)は「点眼薬と多焦点コンタクトレンズは近視になり始めた子どもが使うことで、将来的な近視度数をかなり減らすことができる。国内では近視対策が遅れてきたが、新しい治療法の承認は大きな福音となる」と話しています。
◆産後早期の入浴、問題なし
◆産後早期の入浴、問題なし
産後1カ月の間に入浴で湯船につかっても感染症は起きない半面、入浴に対する満足度はとても高まったとの研究結果を、国立成育医療研究センター周産期・母性診療センター産科の小川浩平、衣斐凜子両医師らが国際学術誌に発表しました。
発表によると、日本では経膣分娩後1カ月は湯船につからないよう指導されることが多いといいますが、それが会陰部の傷や子宮の感染リスクを高めるという医学的根拠はありませんでした。一方、欧米を中心に座浴(下半身浴)が近年注目され、血流を促進して痛みを和らげる効果があると報告されていました。研究チームは「今回の研究により、日本での入浴制限の慣習を見直してもいい可能性が示された」とコメントしています。
研究では、2024年8月から25年3月までに、同研究センターと現在の国立国際医療センターの2施設で経膣分娩によって出産した成人女性計577人を二つにグループ分け。253人には1カ月健診までシャワーだけで湯船に入らないよう指示し、324人には自由に入浴してもらいました。
1カ月健診までに感染による子宮内膜炎や会陰部の傷の感染症などが起きたかどうかを検証すると、両グループとも感染症を起こした女性はいませんでした。
1カ月健診時、質問票で抑うつスコアによるメンタルヘルス(心の健康)の評価や会陰部・骨盤の痛みの有無、入浴への満足度も調査。メンタルヘルスの問題や痛みの発生では、統計的な差がないものの、自由に入浴したグループの方が低い傾向がうかがえました。
一方、入浴に「満足している」と答えた割合は入浴を制限したグループの19・8%に対し、自由に入浴したグループは75・9%と圧倒的に高くなりました。
産後1カ月の間に入浴で湯船につかっても感染症は起きない半面、入浴に対する満足度はとても高まったとの研究結果を、国立成育医療研究センター周産期・母性診療センター産科の小川浩平、衣斐凜子両医師らが国際学術誌に発表しました。
発表によると、日本では経膣分娩後1カ月は湯船につからないよう指導されることが多いといいますが、それが会陰部の傷や子宮の感染リスクを高めるという医学的根拠はありませんでした。一方、欧米を中心に座浴(下半身浴)が近年注目され、血流を促進して痛みを和らげる効果があると報告されていました。研究チームは「今回の研究により、日本での入浴制限の慣習を見直してもいい可能性が示された」とコメントしています。
研究では、2024年8月から25年3月までに、同研究センターと現在の国立国際医療センターの2施設で経膣分娩によって出産した成人女性計577人を二つにグループ分け。253人には1カ月健診までシャワーだけで湯船に入らないよう指示し、324人には自由に入浴してもらいました。
1カ月健診までに感染による子宮内膜炎や会陰部の傷の感染症などが起きたかどうかを検証すると、両グループとも感染症を起こした女性はいませんでした。
1カ月健診時、質問票で抑うつスコアによるメンタルヘルス(心の健康)の評価や会陰部・骨盤の痛みの有無、入浴への満足度も調査。メンタルヘルスの問題や痛みの発生では、統計的な差がないものの、自由に入浴したグループの方が低い傾向がうかがえました。
一方、入浴に「満足している」と答えた割合は入浴を制限したグループの19・8%に対し、自由に入浴したグループは75・9%と圧倒的に高くなりました。
◆腹膜透析患者に交流の場
◆腹膜透析患者に交流の場
自宅で治療できる腹膜透析は、週3回、1回4時間程度の通院が必要な血液透析に比べて生活の自由度が高い半面、患者同士のつながりや情報の乏しさから不安を抱えやすいといわれます。
そんな患者の孤立感を和らげようと、NPO法人腎臓サポート協会がフェイスブックを利用した交流の場「つなGOOD(つなグー)」を開設しました。
医学的助言ではなく、療養生活の工夫や日々の困り事などを共有し、経験を語り合うことで不安解消を目指すといいます。
腹膜透析は、おなかの中の腹膜腔に透析液を注入し、一定時間ためた後に排出して血液を浄化する治療法。日本透析医学会の2024年の統計によると、血液透析などとの併用も含めると1万774人が利用し、年々増加傾向にあります。
自宅で治療できる腹膜透析は、週3回、1回4時間程度の通院が必要な血液透析に比べて生活の自由度が高い半面、患者同士のつながりや情報の乏しさから不安を抱えやすいといわれます。
そんな患者の孤立感を和らげようと、NPO法人腎臓サポート協会がフェイスブックを利用した交流の場「つなGOOD(つなグー)」を開設しました。
医学的助言ではなく、療養生活の工夫や日々の困り事などを共有し、経験を語り合うことで不安解消を目指すといいます。
腹膜透析は、おなかの中の腹膜腔に透析液を注入し、一定時間ためた後に排出して血液を浄化する治療法。日本透析医学会の2024年の統計によると、血液透析などとの併用も含めると1万774人が利用し、年々増加傾向にあります。
ご感想や取り上げてほしいテーマは、こちらからお寄せください。
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