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【電子版先行】『希望対話』の言葉は、池田先生からのメッセージ――〈作家・佐藤優さんと学園生の対話プロジェクト「明日への扉Ⅱ」〉第2回 東京・創価中学校 2026年8月25日

  • 負けない心を育み夢に挑戦
佐藤優さんと東京・創価中学校の生徒による対話プロジェクト。世界平和のあり方やチームワーク、後悔しない進路の選び方など、多彩なテーマについて語り合った(7月16日、東京・小平市の創価学園池田講堂で)
佐藤優さんと東京・創価中学校の生徒による対話プロジェクト。世界平和のあり方やチームワーク、後悔しない進路の選び方など、多彩なテーマについて語り合った(7月16日、東京・小平市の創価学園池田講堂で)

 作家の佐藤優さんと東西の創価中学生による対話プロジェクト「明日への扉Ⅱ」。初回となった関西創価学園での開催(本紙8月22日付2面に詳報)に続き、第2回は先月16日、東京・小平市の創価学園で行われました。前回と同様、題材は池田大作先生の著作『希望対話』です。「より良い友情を築くためには」「夢をかなえるためにすべきことは」など、生徒の切実な問いかけに、佐藤さんが真剣勝負で答える本企画。学園生たちは心の中で創立者と対話しながら、同書を巡って友人と語り合い、この日を迎えました。現代の“知の巨人”と称される佐藤さんは先生の言葉をどう読み解き、生徒の疑問や悩みに応じていくのか――当日の模様に迫ります。(記事=鹿野洋司)

こちらから、本連載の過去の記事が見られます

創立者の精神を受け継ぐ

 真夏の太陽に照らされ、朝から厳しい暑さとなったこの日。キャンパスに立ち込める熱気は、これから始まる「白熱の対話」を予感させるようでした。
 
 午前10時40分、第1部の講演が池田講堂でスタートしました。
 
 開口一番、佐藤さんは「私は学園創立者・池田先生を心から尊敬しています」と述べ、先生を知った経緯を語りました。
 
 1990年7月、池田先生が旧ソ連のゴルバチョフ大統領と初めて会談を行った時のこと。当時、“ソ連の国家元首として、初の来日が実現するかどうか”に注目が集まっていました。
 
 先生は世界平和を願う一人の民間人として、胸襟を開いた対話を展開。この会見の席上、大統領は「訪日」の意向を示し、翌年春に実現しました。
 
 その時、外交官としてモスクワの日本大使館に勤務していた佐藤さん。国家を超え、人類の未来のために尽力する先生の姿に、「本当の文化人・宗教人であり、心が正しく強い人だ」と、深い感動を覚えたと言います。
 
 そして、期待を込めて生徒たちに呼びかけました。
 
 「学園生の皆さんには、池田先生の行動を誰よりも学び、その精神を継承していく使命があると思うのです」

「負けじ魂」の生き方の大切さを訴える佐藤さん
「負けじ魂」の生き方の大切さを訴える佐藤さん
「本当に頭がいい人」とは

 その後、『希望対話』の重要な部分を、生徒たちと一緒に確認していきました。「一学期」の章のタイトルは「頭がいいって どんな人?」。この章には、次の先生の言葉があります。
 
 「『生まれつき頭がいい』ように見える人も、人の見えないところで努力しているものです。
 だから結論を言えば、『頭がいい人』というのは『絶対に諦めない人』です。わからないことから逃げるんじゃなく、『何としても、わかろう』と『攻めていく人』です。その『強い心』の人が、頭のいい人なんです」

 
 佐藤さんはこの一節に触れつつ、ある高校時代の友人のエピソードを紹介しました。
 
 ――友人は高校時代、サッカー部で一生懸命に汗を流した。しかし、強豪校が多い地域にあって、全国大会には一度も届かなかった。それでも大学卒業後は人材業界に進み、プロスポーツ選手の引退後の就職支援に携わったことがきっかけで、Jリーグの理事に。やがてリーグのトップであるチェアマン(理事長)を託され、経営課題の克服に手腕を発揮した――。
 
 大好きなサッカーに関わり続けることを「諦めなかった」友人。本当に好きなことを追いかけ続ければ、夢は何らかの形で実現すると、佐藤さんは語ります。
 
 それは佐藤さん自身の実感でもあります。大学時代に抱いた「神学を究めよう」との意思を貫き、作家になった今ではキリスト教に関する多くの著作を執筆。母校の教壇にも立ってきました。
 
 ロマンを持つ人は「幸せだ」と。だからこそ、「簡単に諦めないで、夢に挑み続けてほしい」と語りかけました。
 
 さらに佐藤さんは、同じ章にある「できるところから始めることです。できれば、がんばって『自分はこれが得意だ』というものを『一つ』つくってください。『自分はやればできるんだ』という自信が、『頭が良くなる最高の薬』です」との言葉を引きました。
 
 学校の期末試験を終えて、どうしても成績が振るわないと悩む人もいるでしょう。その時は、まず1科目に特化し、クラスでトップになれる科目をつくってみよう――こうアドバイスを送りました。
 
 「先生の著作から、具体的な問題を解決する知恵を引き出すことができます」と力を込める佐藤さん。学園生たちは『希望対話』の言葉に線を引きながら、真剣に耳を傾けていました。

『希望対話』を手に、珠玉の言葉に向き合う生徒たち
『希望対話』を手に、珠玉の言葉に向き合う生徒たち
両立から逃げない

 第2部は、学園生とのトークセッションです。冒頭、男子生徒から「勉強と部活など、物事を両立する上での助言をいただきたいです」と、質問がありました。
 
 佐藤さんの答えは明快でした。「最も大切にすべきは、勉強についていけるようにすることです。ともかく、学校の試験で取りこぼしがないようにしていこう」。その上で、「これがしっかりできれば、今は部活で完全燃焼するくらい打ち込んだらいいのです」と。
 
 将来、大学を受験するなら、中学・高校で部活に集中できる期間は限られている。「中途半端にせず、納得できるまでやり切ることが大事です」と訴えました。
 
 吹奏楽部で励む女子生徒からは「目標を達成するために大切なことは?」との質問が。佐藤さんは「何事も『負けてたまるか』という気持ちで臨むことです」と応じました。ただ大会に参加できればいいのではなく、あくまで「勝つこと」を目指す。「戦う姿勢」で取り組む中でこそ、本当の人間性が磨かれると言います。
 
 ここで話は再び「両立」へ。人間の心は弱いもので、勉強がうまくいかない時は“部活が忙しいから”と、一方のせいにしてしまいがち。逃げないためのカギは「自分が何を大切にすべきか」という軸を持つことだと言います。
 
 「例えば、勉強は“仕事”で、部活は“趣味”と捉えてみる。こう区別することで、両者のバランスを取ることができます」
 
 そして、こう呼びかけました。
 
 「悩みから逃げないで、『希望対話』にある池田先生の言葉に、『相談』していこう」
 
 先生との“心の対話”を通して、「負けない心」を培ってほしい――学園生たちは深くうなずきながら、その言葉を受け止めていました。

向上心を胸に、代表の生徒が質問を投げかけた
向上心を胸に、代表の生徒が質問を投げかけた
楽しく勉強する工夫を

 中学受験を経て学園に入ったという男子生徒からは、こんな質問が。「勉強が嫌いでつらいのですが、どうしたらいいですか?」
 
 率直な問いに、場内がどっと沸きます。佐藤さんは「それは深刻な問題だな(笑)」と冗談まじりに。「勉強は役に立つと思う?」との問いかけに、生徒は「思ってないです」と素直に答えます。
 
 「そうでしょう。人間はね、嫌いで、役に立たないと思っていることは、目標を達成するとすぐ忘れてしまうんだ」と佐藤さん。
 
 それでも、関心のあること、好きなことは、そう簡単には忘れないもの。そこで佐藤さんは、「勉強が面白くなるように、いろんなコンテンツを活用してみよう」と提案しました。
 
 例えば、戦争の歴史に関心があるなら、太平洋戦争を題材にした映画を見てみる。現代社会に潜む貧困問題を描くドラマや、駅伝で躍動する留学生ランナーの“真実”に迫ったノンフィクションにも優れたものがあると言います。
 
 活字や映像を通して問題意識を広げていく。その上で、「世の中の複雑な仕組みを知っていく基礎として、学校の勉強や受験で得た知識は必ず役に立つのです」と、優しく語りかけました。
 
 将来は「国連職員になりたい」という男子生徒。佐藤さんは、エールを送りました。
 
 「『創価学園出身のあなたがいるから大丈夫』と言われるくらい、大舞台で活躍してほしい」

取材後記

 東西の創価中学生に、アンケートを実施しました。
 
 その中には「『希望対話』の一つ一つの言葉が、私たちに向けた、池田先生のメッセージであることに気が付きました」など、驚きや発見、感謝の思いがつづられていました。
 
 こうした生徒の感想に目を通した佐藤さんは、次のコメントを寄せてくださいました。
 
 「池田先生の心を継ぐ学園生が、真剣に日々の生活に取り組んでいる姿に、大きな感銘を受けました。創価教育を受けた若き人々が、日本と世界の柱となって活躍することを確信しています」
 
 「これからも勉学に励み、周囲の方々への感謝を忘れず、親孝行にも努めてください」
 
 対話プロジェクトは、これからが本番。舞台は秋へと移ります。

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