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〈フォーカス 平和運動〉 今回のテーマ 難民の日 2026年6月20日

 きょう20日は、紛争や迫害等で避難を余儀なくされた人々が置かれている苦境への理解を深め、支援に向けた関心を高める「世界難民の日」です。世界各地で難民問題が複雑化する中、“誰も置き去りにしない社会”を実現するためには、国際機関や各国政府、市民社会などが、それぞれの立場で支援を強化することが必要になっています。創価学会は難民支援の一環で、中東のヨルダンで音楽教育プロジェクトに取り組んできました。活動の概要と受講生の声を紹介します。

創価学会と「国境なき音楽家」がヨルダンで実施している音楽教育プロジェクト。受講生が昨年、アル・カラク地域で開催したコンサートには文化大臣らも出席した
創価学会と「国境なき音楽家」がヨルダンで実施している音楽教育プロジェクト。受講生が昨年、アル・カラク地域で開催したコンサートには文化大臣らも出席した
●池田先生の言葉から

 音楽は心に呼びかけ、誰もが持っている「魂の琴線」に共鳴と友情のハーモニーを響かせる。
 その音律は、ある時は生きる勇気を、ある時は平和の祈りを、また、ある時には人間の誇りを呼び覚ます。そういう徳の力が、音楽にはあるのだ。

 ※池田大作先生の指導選集〈下〉『広宣流布と世界平和』からの抜粋。

創価学会と「国境なき音楽家」が実施するヨルダンでの音楽教育プロジェクト

 ヨルダンはシリアやパレスチナ自治区などと国境を接し、100万人単位の難民を受け入れている。その中には心にトラウマを抱えた子どもたちや、避難生活の長期化で教育を受ける機会を逸してしまう子どもたちが多いことから、学会はオランダのNGO「国境なき音楽家(MWB)」と共に、音楽教育プロジェクト「音楽は私たちをつなぐ」をヨルダンで実施している。
 
 同プロジェクトでは音楽家や音楽教師、音楽学校出身者らを主な対象としており、障がい児を含めた弱い立場に置かれた子どもたちへの教育方法や接し方などを伝えている。地域に支援の担い手を育成することで、草の根の連帯を広げることを目指す。
 
 2021年にスタートして以来、受講生を通じて支援を受けた受益者は1000人単位に上る。このほど現地から届いた2025年度の総括リポートによると、昨年は周辺地域の政情不安などが続いたものの、継続的に活動を進めることができた。

 「音楽リーダーの研修コース」にはヨルダンの音楽家や音楽教師のほか、ザータリ難民キャンプで暮らす教育者ら35人が参加。音楽を使用した教育・心理支援研修を開いた。
 
 子ども向けの「音楽教育コース」では、アル・カラク地域の子どもたち約40人に週1回、伝統音楽の楽器・合唱レッスンを行ったほか、1月には子どもたちによるコンサートを開催した。
 
 特別な支援を必要とする子どもへの「音楽療法を用いた研修」では、12人の子どもに直接のセッションをもったほか、受講者が学んだ技術を活用して229人の子どもたちを支援した。
 
 MWBで中東地域のプログラムマネジャーを務めるファビエン・ヴァン・エック氏は、「さまざまな困難がある中、プロジェクトを継続できるだろうかという懸念もありましたが、創価学会と関係団体の皆さまの寛大なご支援とご尽力で、多様で複雑な状況にある子どもたちのサポートを続けることができました」「研修を受けた受講生に学習体験の振り返りを執筆してもらいましたので、ぜひご覧いただきたいと思います」と語った。

 こちらでプロジェクトに参加した受講生へのインタビュー動画が視聴できます

〈参加した受講生の声〉
●ヘバ・アル=サイーダさん 教育に対する考え改まった

 “私の声は美しくないし、恥ずかしくて人前でなんか歌えない! これまで楽器を演奏したこともないし、そもそも名前すら知らない!”
 
 音楽療法コースが始まった当初、私の頭の中にはこうした考えが駆け巡っていました。
 
 プロジェクトでは音楽が子どもたちの技術向上や認知能力、社会性の発達に貢献することを学びました。また、物語に歌を取り入れる方法や特定のメロディーが、物語をより生き生きと魅力的なものにすること、そして自分の声が美しくなくてもよいと気づきました。
 
 さらに、小さなドラムやベルなど簡単な楽器を使って子どもたちが探究し、自己表現することを促す環境をつくる方法も学びました。楽器は単に音を出すためのものではなく、集中力や注意力を高め、運動能力を向上させるための教育ツールでもあるのです。
 
 私が最も影響を受けた点の一つは、音楽の授業を効果的に構成し、運営する方法です。ただ曲を流して子どもたちに演奏させたり、聴かせたりするだけでは不十分です。子どもたちが参加しやすいように、心理的な準備や年齢に応じて内容を調整する必要があることを知りました。
 
 また、音楽を演奏したり手拍子をしたりすることで、内気な子どもでも自分を表現できるため、壁を破る素晴らしい方法になり得ることを発見しました。子どもたちがそれぞれの形で音楽と関わり、最大限の恩恵を受けられるよう、最適な方法を見つけ出す必要があると学びました。
 
 こうした経験は教育全般に対する私の考え方を改め、教育における双方向的な手法の重要性をより深く認識することができました。
 
 一連のコースを終える頃には、歌ったり作曲したりすることへの恥ずかしさなど、全く気にならなくなっており、ためらいがちで不安だった最初の自分とは別人になったように感じました。

●ワサンさん 地域や家庭に架け橋を築く

 私はヨルダンに住んでおり、昔から文化や音楽に親しんできました。ただ、私が住んでいる地域には音楽の先生がなかなか見つからないのが実情です。
 
 音楽の遺産は、子どもたちと歴史や伝統とのつながりを強め、世代間の隔たりを埋める上で非常に重要です。音楽を通して文化的・精神的遺産を教えることは、その保存に役立つだけでなく、子どもたちに帰属意識や責任感を育み、文化的な意識を高めることにもつながります。
 
 私たちのセッションでは、子どもたちに楽器を貸し出し、自宅で練習してもらいます。その後、子どもたちは楽器を持参してレッスンを受け、そこで友だちと出会い、一緒に音楽について学び、演奏しています。
 
 子どもたちはよく、レッスンに加えて週に3、4回練習していると話してくれ、聞くたびにうれしくなります。困難な家庭環境の子どもたちもいますが、プロジェクトが進むにつれ保護者からの支援や励ましも増えてきます。また、家族の中でも子どもたちが刺激を受ける様子が見られます。
 
 例えば、プログラムに参加したある2人の女の子は、兄弟姉妹が「ウード」(弦楽器)のレッスンをとても楽しんでいる姿を見て、参加を決めました。1人はバイオリンのクラスにも参加し、もう1人は合唱団に加わる予定です。私たちは地域社会だけでなく、家族の間にも架け橋を築いているのです。
 
 この素晴らしいプログラムに参加して意欲的な子どもたちと触れ合うことで、私自身も自分がどれほど音楽に情熱を注いでいるかを改めて実感しました。困難な境遇にある子どもたちが集まって音楽を奏でている姿を目の当たりにして、私も音楽学校で「カーヌーン」(弦楽器)を習いたいと思うようになりました。
 
 今後、上達したら、子どもたちと一緒にイベントで演奏したいと考えています。

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●国連UNHCR協会の特別キャンペーン

 国連UNHCR協会は本年の「世界難民の日」に寄せて、特別キャンペーン「もしも わたしが あなただったら」を実施している(7月31日まで)。
 
 これは、「映画を観る」「ウェビナーで話を聞く」「SNSで誰かと共有する」という三つのアクションを通じて難民一人一人の現実に思いをはせ、想像することから支援を呼びかけるもの。

きょう創価文化センターがブルーライトアップ

 また、難民支援の連帯のしるしとしてUNHCR駐日事務所が呼びかけるブルーライトアップに賛同し、総本部の創価文化センターがきょう、ライトアップされる予定となっている。

 特別キャンペーンの詳細はこちら

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