深紅の大旗が15年ぶりに海を渡った。沖縄尚学が夏の甲子園で初優勝を飾った。酷暑の中、さわやかな感動を届けてくれた全ての高校球児に拍手を送りたい▼沖縄尚学は「一戦必勝」を掲げ、頂点に上り詰めた。比嘉公也監督は初戦の金足農との接戦（1対0）を制したことが大きいと振り返る。大会中は、先制されても逆転されても粘りの野球を貫いた。チーム打率は高くないが少ないチャンスをものにし、2年生のダブルエースを3年生が堅守で支えた▼準優勝の日大三にも共通する点が「厳しい上下関係がないこと」。日々の交換ノートを通じ、“対話”を重ねてきた沖縄尚学の監督と部員たち。「3年生が多くベンチに入れるよう頑張りたい」。昨春、そう書かれた一文を見て、監督は全員に言った。「学年で野球をしているわけじゃないよ」。その言葉を今の3年生は胸に刻み、学年の壁を越えたチームづくりに取り組んだという（24日付朝日新聞）▼年齢や肩書に縛られず、各人が互いを尊重し、役割を最大限に果たそうと努力する。その中で組織も個人も強く、しなやかになる。団結の妙である▼多様な人材を生かすために必要なのは「壁をつくらない」姿勢だ。まず自らが殻を破り、信頼を結びたい。（踊）

　深（しん）紅（く）の大（たい）旗（き）が15年ぶりに海を渡（わた）った。沖縄尚（しょう）学（がく）が夏の甲（こう）子（し）園（えん）で初（はつ）優（ゆう）勝（しょう）を飾（かざ）った。酷（こく）暑（しょ）の中、さわやかな感動を届（とど）けてくれた全（すべ）ての高校球児に拍手を送りたい▼沖縄尚学は「一戦必勝」を掲（かか）げ、頂（ちょう）点（てん）に上（のぼ）り詰（つ）めた。比（ひ）嘉（が）公（こう）也（や）監（かん）督（とく）は初戦の金足農との接（せっ）戦（せん）（1対0）を制したことが大きいと振（ふ）り返（かえ）る。大会中は、先制されても逆転されても粘（ねば）りの野球を貫（つらぬ）いた。チーム打率は高くないが少ないチャンスをものにし、2年生のダブルエースを3年生が堅（けん）守（しゅ）で支（ささ）えた▼準優勝の日大三にも共通する点が「厳（きび）しい上下関係がないこと」。日々の交（こう）換（かん）ノートを通（つう）じ、“対話”を重（かさ）ねてきた沖縄尚学の監督と部員たち。「3年生が多くベンチに入れるよう頑（がん）張（ば）りたい」。昨春、そう書かれた一文を見て、監督は全員に言った。「学年で野球をしているわけじゃないよ」。その言葉を今の3年生は胸（むね）に刻（きざ）み、学年の壁（かべ）を越（こ）えたチームづくりに取り組んだという（24日付朝日新聞）▼年（ねん）齢（れい）や肩（かた）書（がき）に縛（しば）られず、各人が互（たが）いを尊（そん）重（ちょう）し、役（やく）割（わり）を最大限に果（は）たそうと努力する。その中で組織も個人も強く、しなやかになる。団結の妙（みょう）である▼多（た）様（よう）な人材を生かすために必要なのは「壁をつくらない」姿（し）勢（せい）だ。まず自（みずか）らが殻（から）を破（やぶ）り、信（しん）頼（らい）を結びたい。（踊）