〈インタビュー〉 上川隆也さん主演「能面検事」
〈インタビュー〉 上川隆也さん主演「能面検事」
2025年7月10日
- テレ東系 金曜 午後9時
- ※7月11日からスタート
- テレ東系 金曜 午後9時
- ※7月11日からスタート
主人公の検事が、警察組織や検察上層部による圧力、組織のしきたりに屈することなく、事件の真相に迫っていくテレ東系の連続ドラマ「能面検事」(金曜、後9・0=初回は15分拡大して放送)が、7月11日からスタートする。主役を務める上川隆也さんに、作品の魅力を聞いた。
主人公の検事が、警察組織や検察上層部による圧力、組織のしきたりに屈することなく、事件の真相に迫っていくテレ東系の連続ドラマ「能面検事」(金曜、後9・0=初回は15分拡大して放送)が、7月11日からスタートする。主役を務める上川隆也さんに、作品の魅力を聞いた。
上川隆也さん 衣装協力:ロスガポス フォー スタイリスト
上川隆也さん 衣装協力:ロスガポス フォー スタイリスト
――原作は“どんでん返しの帝王”の異名を持つ、ベストセラー作家・中山七里さんによる『能面検事』シリーズです。中山さんは「主人公が無表情であるがゆえに、感情の表現が難しく、映像化は絶対無理」と語っていましたが、それほどの難役を演じます。
中山先生の作品は、とにかくストーリーテリング(語り聞かせ)な構成が魅力で、原作も最後まで手を止めることなく読まされてしまう力強い作品ばかり。難しさというより、自分が魅せられた作品で演じられることへの喜びの方が大きいです。先生の作品が持っている妙味に、映像の力を加味して、より分かりやすく、より楽しく、奥行きや膨らみをもってお届けしたいです。
――原作は“どんでん返しの帝王”の異名を持つ、ベストセラー作家・中山七里さんによる『能面検事』シリーズです。中山さんは「主人公が無表情であるがゆえに、感情の表現が難しく、映像化は絶対無理」と語っていましたが、それほどの難役を演じます。
中山先生の作品は、とにかくストーリーテリング(語り聞かせ)な構成が魅力で、原作も最後まで手を止めることなく読まされてしまう力強い作品ばかり。難しさというより、自分が魅せられた作品で演じられることへの喜びの方が大きいです。先生の作品が持っている妙味に、映像の力を加味して、より分かりやすく、より楽しく、奥行きや膨らみをもってお届けしたいです。
◆どこまで体現できるかが演じる上での楽しみです
◆どこまで体現できるかが演じる上での楽しみです
――主人公・不破俊太郎は大阪地検きってのエース検事。何があっても淡々と職務を全うし、一切忖度しない様子に、周囲から「能面」と呼ばれています。
「能面」という言葉をどこまで咀嚼し、体現していけるのか。それが今回の、僕が演じる上での楽しみなんです。伝統芸能の「能」は、演者が面を着けることで、かえって性別や年齢を超えた“無限の表情”を醸し出す、豊かな芸術性を備えていると思うんです。そんな能の持つ多様性や制限のなさを、能面と呼ばれる不破の姿を通して表現していきたい。彼自身が全く感情のない人間かというと、決してそうではない。彼を、ただ“表情のない男”という一言に押し込めてしまうのではなく、彼も一人の人間であり、そこには何がしかの思いがあって、事件や人々に相対しているということをベースにしたいと思っています。
――幅広い演技力で、これまで多彩な役を演じ、視聴者を魅了してきました。役への向き合い方で、大切にしていることを教えてください。
今回の不破もそうですが、共感して役と向き合うことは、実は少ないんです。役への歩み寄りは、マスト(絶対に必要)ではないと考えていて。むしろ自分と違うからこそ、演じることに面白みを感じられると思って、役者を続けてきました。心がけているのは、僕自身がいかに楽しく、その役柄と向き合っていくか。その一点なんですよね。大変な境遇にさいなまれる人物であろうと、能天気に何も考えていない人物であろうとです。(どんな役でも)煎じ詰めると、結局は“演じる”ということに完結されるのが、僕は好きなんです。
――「ドラマ」とは、上川さんにとってどのような存在ですか。
常に「誰かの息抜きになれば」と思っています。ご覧になっている時だけは、少し現実を忘れて、心遊ばせるようなひとときになってほしい。そうした時間を提供できれば何よりだなと。僕自身は、何か特別な、社会的価値などにとらわれないでいたいと感じています。いろんな形で皆さまに憩いがお届けできれば、それが僕にとって何よりの喜びです。
――主人公・不破俊太郎は大阪地検きってのエース検事。何があっても淡々と職務を全うし、一切忖度しない様子に、周囲から「能面」と呼ばれています。
「能面」という言葉をどこまで咀嚼し、体現していけるのか。それが今回の、僕が演じる上での楽しみなんです。伝統芸能の「能」は、演者が面を着けることで、かえって性別や年齢を超えた“無限の表情”を醸し出す、豊かな芸術性を備えていると思うんです。そんな能の持つ多様性や制限のなさを、能面と呼ばれる不破の姿を通して表現していきたい。彼自身が全く感情のない人間かというと、決してそうではない。彼を、ただ“表情のない男”という一言に押し込めてしまうのではなく、彼も一人の人間であり、そこには何がしかの思いがあって、事件や人々に相対しているということをベースにしたいと思っています。
――幅広い演技力で、これまで多彩な役を演じ、視聴者を魅了してきました。役への向き合い方で、大切にしていることを教えてください。
今回の不破もそうですが、共感して役と向き合うことは、実は少ないんです。役への歩み寄りは、マスト(絶対に必要)ではないと考えていて。むしろ自分と違うからこそ、演じることに面白みを感じられると思って、役者を続けてきました。心がけているのは、僕自身がいかに楽しく、その役柄と向き合っていくか。その一点なんですよね。大変な境遇にさいなまれる人物であろうと、能天気に何も考えていない人物であろうとです。(どんな役でも)煎じ詰めると、結局は“演じる”ということに完結されるのが、僕は好きなんです。
――「ドラマ」とは、上川さんにとってどのような存在ですか。
常に「誰かの息抜きになれば」と思っています。ご覧になっている時だけは、少し現実を忘れて、心遊ばせるようなひとときになってほしい。そうした時間を提供できれば何よりだなと。僕自身は、何か特別な、社会的価値などにとらわれないでいたいと感じています。いろんな形で皆さまに憩いがお届けできれば、それが僕にとって何よりの喜びです。
◆取材後記
◆取材後記
写真撮影の冒頭、上川さんに笑顔のリクエストを。すると、今回の役柄は“能面”ということもあり、「笑顔NGなんです」と丁重なお断りをもらった。
いざ撮影が始まると、役衣装を身にまとっていることもさることながら、吸い込まれるような瞳と、迫力あるたたずまいに、思わず俳優・上川隆也でなく、能面検事・不破がそこにいると錯覚するほど。言葉や動きはなくとも演じるすごみを、目の当たりにした。「この役は上川さんしかできない」と勝手に感激しつつ、続いてインタビューへ。上川さんは、ゆっくりと一つ一つの言葉を紡いで話してくれた。
「演じること自体が楽しい」――その気持ちがあるからこそ、見ている人へ伝わり、その演技に引き込まれていくのだろう。
写真撮影の冒頭、上川さんに笑顔のリクエストを。すると、今回の役柄は“能面”ということもあり、「笑顔NGなんです」と丁重なお断りをもらった。
いざ撮影が始まると、役衣装を身にまとっていることもさることながら、吸い込まれるような瞳と、迫力あるたたずまいに、思わず俳優・上川隆也でなく、能面検事・不破がそこにいると錯覚するほど。言葉や動きはなくとも演じるすごみを、目の当たりにした。「この役は上川さんしかできない」と勝手に感激しつつ、続いてインタビューへ。上川さんは、ゆっくりと一つ一つの言葉を紡いで話してくれた。
「演じること自体が楽しい」――その気持ちがあるからこそ、見ている人へ伝わり、その演技に引き込まれていくのだろう。
【記事】松浦伸二 【写真】石川大樹 【レイアウト】鈴木駿
【記事】松浦伸二 【写真】石川大樹 【レイアウト】鈴木駿
◆プロフィル
◆プロフィル
かみかわ・たかや 1965年5月7日生まれ、東京都出身。95年、NHKドラマ「大地の子」で主役に抜てきされる。以降、舞台や映画、ドラマのほか、バラエティー番組の出演や声優としても活躍。主な主演作は、NHK大河ドラマ「功名が辻」(2006年)、「遺留捜査」シリーズなど。主演舞台「忠臣蔵」が東京・明治座を皮切りに、12月から全国で順次上演予定。
かみかわ・たかや 1965年5月7日生まれ、東京都出身。95年、NHKドラマ「大地の子」で主役に抜てきされる。以降、舞台や映画、ドラマのほか、バラエティー番組の出演や声優としても活躍。主な主演作は、NHK大河ドラマ「功名が辻」(2006年)、「遺留捜査」シリーズなど。主演舞台「忠臣蔵」が東京・明治座を皮切りに、12月から全国で順次上演予定。
◆直筆サイン入り色紙をプレゼント
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上川さんの直筆サイン入り色紙を、1人の読者にプレゼントします。応募方法は紙面でご確認ください。
公式ホームページはこちら
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