〈インタビュー〉 今田美桜さん主演 NHK連続テレビ小説「あんぱん」
〈インタビュー〉 今田美桜さん主演 NHK連続テレビ小説「あんぱん」
2025年4月3日
- NHK総合 月~土曜 午前8時
- NHK総合 月~土曜 午前8時
今田美桜さんが主演するNHK連続テレビ小説「あんぱん」(月~土曜、前8・0=土曜は1週間の総集編)が、先月31日(月)からスタートした。今作は、国民的人気キャラクターのアンパンマンを生み出した、やなせたかしさんと暢さんの夫婦をモデルに描く、愛と勇気の物語。作中で、ヒロイン・朝田のぶ役を務める今田さんに、“朝ドラ”への思いや作品の見どころを聞いた。
今田美桜さんが主演するNHK連続テレビ小説「あんぱん」(月~土曜、前8・0=土曜は1週間の総集編)が、先月31日(月)からスタートした。今作は、国民的人気キャラクターのアンパンマンを生み出した、やなせたかしさんと暢さんの夫婦をモデルに描く、愛と勇気の物語。作中で、ヒロイン・朝田のぶ役を務める今田さんに、“朝ドラ”への思いや作品の見どころを聞いた。
ヒロインの朝田のぶを演じる今田美桜さん
ヒロインの朝田のぶを演じる今田美桜さん
◆アンパンマン誕生までの愛と勇気の物語
◆アンパンマン誕生までの愛と勇気の物語
〈前向きで温かい作品〉
〈前向きで温かい作品〉
先月22日、日本でラジオ放送が始まり100年を迎えた。その節目に放送される今作。オーディションでは、今田さんが3000人以上の中からヒロインに選ばれた。
「こんな記念すべき作品に主演として携わることができて、とても光栄に思います。毎朝見てくださる方々のためにも、責任感を持って自分らしく挑みたいです」
今田さんの脇を固める俳優には、のぶの夫・柳井嵩役の北村匠海さんをはじめ、松嶋菜々子さん、竹野内豊さん、河合優実さん、妻夫木聡さんなど、主演級が、ずらり。制作統括の倉崎憲さんは、「この数十年の朝ドラの中で一番豪華なキャストとの自負がある」と述べる。
今田さんは、こう抱負を口にする。
「北村さんとは6回目の共演です。困っている人がいると、すぐに助けてくれる優しい方で、そこは嵩の人柄と通じていますね。共演者はそうそうたる方々なので座長としてできることは少ないですが、前向きで温かい作品になるよう、常に穏やかで心広くありたいと思っています」
先月22日、日本でラジオ放送が始まり100年を迎えた。その節目に放送される今作。オーディションでは、今田さんが3000人以上の中からヒロインに選ばれた。
「こんな記念すべき作品に主演として携わることができて、とても光栄に思います。毎朝見てくださる方々のためにも、責任感を持って自分らしく挑みたいです」
今田さんの脇を固める俳優には、のぶの夫・柳井嵩役の北村匠海さんをはじめ、松嶋菜々子さん、竹野内豊さん、河合優実さん、妻夫木聡さんなど、主演級が、ずらり。制作統括の倉崎憲さんは、「この数十年の朝ドラの中で一番豪華なキャストとの自負がある」と述べる。
今田さんは、こう抱負を口にする。
「北村さんとは6回目の共演です。困っている人がいると、すぐに助けてくれる優しい方で、そこは嵩の人柄と通じていますね。共演者はそうそうたる方々なので座長としてできることは少ないですが、前向きで温かい作品になるよう、常に穏やかで心広くありたいと思っています」
〈諦めず夢に向かって〉
〈諦めず夢に向かって〉
のぶは、子どもの頃から行動力があり、快活な性格から“ハチキン(勝ち気な)おのぶ”と呼ばれる。昭和初期で、今ほど女性の自由が認められていなかった時代。商事会社に勤める父・結太郎(加瀬亮)は、のぶに「おなごも大志を抱け」と語る。その言葉を胸に、彼女は高知新聞社に就職し、戦後初めて採用された女性記者として道なき道を開いていく。
「今も昔も、夢をかなえるために必要なのは“諦めない心”だと思います。私自身、芸能の道に進むため、両親を説得するのは大変でした。だけど諦めなくて本当に良かった。撮影しながらそんな過去を思い返しました。夢に向けて頑張り続ける主人公の姿を見て、勇気をもらってくれたらうれしいです」
役作りのため、やなせさんが残した著作や写真資料に目を通したという今田さん。戦前から戦後という激動の時代を支え合ってきた二人の姿は、どう映ったのか。
「やなせさんにとって、暢さんはとても大きな存在だったと分かりました。どんな苦難があっても彼を明るく照らし、その絵を信じ続けた人なので、暢さんがいなければアンパンマンは生まれていなかったと思います」
のぶは、子どもの頃から行動力があり、快活な性格から“ハチキン(勝ち気な)おのぶ”と呼ばれる。昭和初期で、今ほど女性の自由が認められていなかった時代。商事会社に勤める父・結太郎(加瀬亮)は、のぶに「おなごも大志を抱け」と語る。その言葉を胸に、彼女は高知新聞社に就職し、戦後初めて採用された女性記者として道なき道を開いていく。
「今も昔も、夢をかなえるために必要なのは“諦めない心”だと思います。私自身、芸能の道に進むため、両親を説得するのは大変でした。だけど諦めなくて本当に良かった。撮影しながらそんな過去を思い返しました。夢に向けて頑張り続ける主人公の姿を見て、勇気をもらってくれたらうれしいです」
役作りのため、やなせさんが残した著作や写真資料に目を通したという今田さん。戦前から戦後という激動の時代を支え合ってきた二人の姿は、どう映ったのか。
「やなせさんにとって、暢さんはとても大きな存在だったと分かりました。どんな苦難があっても彼を明るく照らし、その絵を信じ続けた人なので、暢さんがいなければアンパンマンは生まれていなかったと思います」
快活な姿から“ハチキン”と呼ばれるのぶ
快活な姿から“ハチキン”と呼ばれるのぶ
〈“自分が好き”な自分に〉
〈“自分が好き”な自分に〉
やなせさんは、自身の戦争体験から「正義はある日、突然逆転する」と思い知らされる。そして、逆転しない正義とは「目の前で飢えている人がいれば、一切れのパンを差し出すこと」として、体現したヒーローがアンパンマンだった。
「アンパンマンは幼い時から大好きで、『アンパンマンのマーチ』の歌も、いつ覚えたのか分からないくらい身近な存在でした。大人になってから歌詞に触れると捉え方も変わりますし、だからこそ、こんなに長く愛される作品なんだと感じています」
ドラマやCMなど、テレビで見ない日はないほどの活躍を見せる今田さん。日々、目まぐるしく変化する芸能界にあって、心がけていることとは――。
「“自分のことを自分が一番好きでいる”ということを大切にしています。そのために、どんなことも全力で頑張りたいし、楽しんでいきたい。いろいろな選択がある人生の中で、無理せず好きな方を選んでいきながら、この先も自分が自分をちゃんと好きでいられるように頑張りたいなって思います」
やなせさんは、自身の戦争体験から「正義はある日、突然逆転する」と思い知らされる。そして、逆転しない正義とは「目の前で飢えている人がいれば、一切れのパンを差し出すこと」として、体現したヒーローがアンパンマンだった。
「アンパンマンは幼い時から大好きで、『アンパンマンのマーチ』の歌も、いつ覚えたのか分からないくらい身近な存在でした。大人になってから歌詞に触れると捉え方も変わりますし、だからこそ、こんなに長く愛される作品なんだと感じています」
ドラマやCMなど、テレビで見ない日はないほどの活躍を見せる今田さん。日々、目まぐるしく変化する芸能界にあって、心がけていることとは――。
「“自分のことを自分が一番好きでいる”ということを大切にしています。そのために、どんなことも全力で頑張りたいし、楽しんでいきたい。いろいろな選択がある人生の中で、無理せず好きな方を選んでいきながら、この先も自分が自分をちゃんと好きでいられるように頑張りたいなって思います」
◆取材後記
◆取材後記
数十社による分刻みの取材。疲労はあるはずだが、写真撮影では爽やかな笑顔を輝かせ、記者の質問に対しては言葉を選びながら丁寧に、誠実に答えてくれた。
「アンパンマン」で好きなキャラクターは、ドキンちゃん。「天真らんまんさに加え、たまに毒を吐く、その正直さ。しょくぱんまんが来たらメロメロになっちゃう自由さが大好きです」と。偶然か否か。ドキンちゃんのモデルは暢さんといわれている。
明るくパワフルなヒロインによって紡がれる毎朝の物語は、見る者を“元気100倍”にすることだろう。
数十社による分刻みの取材。疲労はあるはずだが、写真撮影では爽やかな笑顔を輝かせ、記者の質問に対しては言葉を選びながら丁寧に、誠実に答えてくれた。
「アンパンマン」で好きなキャラクターは、ドキンちゃん。「天真らんまんさに加え、たまに毒を吐く、その正直さ。しょくぱんまんが来たらメロメロになっちゃう自由さが大好きです」と。偶然か否か。ドキンちゃんのモデルは暢さんといわれている。
明るくパワフルなヒロインによって紡がれる毎朝の物語は、見る者を“元気100倍”にすることだろう。
【記事】鈴木政己 【写真】外山慶介
【記事】鈴木政己 【写真】外山慶介
◆プロフィル
◆プロフィル
いまだ・みお 1997年3月5日生まれ、福岡県出身。「花のち晴れ~花男 Next Season~」(2018年)で注目を浴びる。以降、ドラマや映画、CMなどで活躍。「東京リベンジャーズ」(21年)で日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。主な出演作は「トリリオンゲーム」シリーズ、ドラマ「花咲舞が黙ってない」(24年)、映画「AT THE BENCH」(同)など。
いまだ・みお 1997年3月5日生まれ、福岡県出身。「花のち晴れ~花男 Next Season~」(2018年)で注目を浴びる。以降、ドラマや映画、CMなどで活躍。「東京リベンジャーズ」(21年)で日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。主な出演作は「トリリオンゲーム」シリーズ、ドラマ「花咲舞が黙ってない」(24年)、映画「AT THE BENCH」(同)など。
公式ホームページはこちら
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