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〈時事解説〉 見据えていたのは優勝の「その先」? 2023年9月16日

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優勝し、応援席へかけ出す慶応の選手たち=8月23日、甲子園球場
優勝し、応援席へかけ出す慶応の選手たち=8月23日、甲子園球場

 先日開催された第105回全国高校野球選手権大会。1916年(大正5年)の第2回大会以来、107年ぶりとなる優勝を手にしたのは、神奈川県代表の慶応義塾高校でした。

 かつて慶応義塾長を務めた小泉信三氏は「(スポーツの与える宝は)練習によって不可能を可能にする体験を持つこと」という言葉を残していますが、その言葉の通り、今回、厳しい練習を経てきた慶応義塾高校の選手たちは、かけがえのない宝の体験をしたと思います。

 さて、今回の優勝の背景には何があったのでしょうか。

 私が注目したのは、試合直後の森林貴彦監督の「優勝することで、新たな可能性、多様性を示せればいいと。常識を覆そうと頑張ってきた。うちの優勝から新しいものが生まれればうれしい」とのコメントです。このコメントからは、優勝そのものを目指していたというよりも、優勝の「その先」を見据えていた印象を受けました。

 思い起こすと、大学で陸上競技をやってきた私自身の経験としても、“勉学と部活を両立する姿を後輩に示したい”と強く思っていた時期は、高いモチベーションで、練習はもとより、普段の食事や睡眠も工夫ができ、結果を伸ばすことができたということがありました。

 慶応義塾高校の選手たちも、きっと“新たな可能性、多様性を示す”“常識を覆す”との強い思いが、優勝につながったのではないかと感じました。私自身も、そういう思いを胸に、物事に取り組んでいきたいです。(広)



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