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〈Seikyo Gift〉「私がつくる平和の文化Ⅱ」2020年のインタビュー総集編 2021年2月7日

 2020年は、新型コロナウイルスの感染拡大などにより、物事の考え方や行動様式が大きく変わる一年となりました。連載「私がつくる平和の文化Ⅱ」では、各界の識者のインタビューを掲載し、家庭や地域、社会に「平和の文化」を築くために何ができるかを考察。ここでは、2020年に掲載した内容をテーマごとにまとめました。(同年12月29日付)

■歌手・俳優 横山だいすけさん
 <子どもの心に豊かさを>

 「歌のお兄さん」として、最初は戸惑いの連続でしたが、“今日は1人、笑顔にできた”“今日は2人、笑顔にできた”と積み重ねてきました。子どもとの関わりに正解はないことを学びました。

 子どもの歌は、短い行数にいろんな情景や人の心が詰まっています。小さい頃には意味が分からなくても必ず心に残ります。大きくなって口ずさんだ時、歌詞の意味に気付くのです。“やっぱり友達っていいな”“周りの人を大事にしなきゃ”と。

 幼い頃に胸に染み込んだ「人を大切にする心」。それは、大きくなった時に必ず形になります。そうすれば、自分の身近なところから平和が生まれます。それはいつか必ず大きな平和につながっていくのではないでしょうか。(1月23日付)

■国境なき医師団・日本会長
 加藤寛幸さん(小児科医) 
 <みんな尊い命>

 人道支援のために派遣されたスタッフは口をそろえて言います。“助けるために行ったのに、自分がしたことの何倍もの「目に見えない大切なもの」をもらった”と。紛争の中にあっても人間は信じ合えるし、希望はあります。みんなで助け合い、強く生きています。だから「平和の文化」の灯は消えることはないと思いました。

 どんなきっかけでもいいから「知る」ことから始めてほしい。遠く離れた場所でのことを「関係ない」と思わないでほしいのです。貧困や病気、紛争で苦しんでいるのは、僕たちと同じ「人間」です。

 自分のことを、「大勢の中の一人」と思わないでください。「自分の助けを必要としている人がいる」。そう考えてほしいのです。(2月13日付)

■ヒューマン・ライツ・ウォッチ日本代表
 土井香苗さん
 <子どもの今と未来のために> 

 今の子どもたちは100年先まで生きる世代です。人権や平和は空気みたいにあって当たり前と思いがちですが、努力しなければ、本当になくなってしまうこともあるのです。

 今、「キラーロボット(殺傷ロボット)」の開発が十数カ国で進み、大きな問題とされています。代償を払わされるのは子どもたちです。だから私たちの世代の責任として、キラーロボットの使用を阻止したい。

 人権や平和を難しく考える必要はありません。気付いたこと、胸を痛めるようなことがあったら、発信したり、人に話したりして「声に出すこと」です。幸せは自分の家庭から始まります。小さなことから気負い過ぎず、長く続ける。そうすれば変化は起きます。(3月9日付)

■SDGs市民社会ネットワーク理事、銭湯4代目店主
 大久保勝仁さん
 <人々をつなぐ青年力>

 私は今、SDGs市民社会ネットワークの理事、持続可能な社会に向けたジャパンユースプラットフォーム(JYPS)の事務局長、そして銭湯の店主を務めています。いずれも、「誰も置き去りにしない」というSDGsの理念を実践する点において“同じ”だと思っています。

 多様な年齢層の“裸の付き合い”がある銭湯は、どんな人も排除せず、社会の一員として支え合う「社会的包摂の場」。祖母から銭湯の経営を引き継ごうと思ったのも、地域の方々の「居場所」を守りたかったからです。

 「共に在る」ことを認め合える。そんな空間をつくることができれば、それは「平和の文化」だと思います。それが世界と銭湯での活動の中で抱いた実感です。(4月28日付)

■気象予報士・お天気キャスター
 森田正光さん
 <地球という一つの命>

 自然は本来、バランスを求め、常に“中間”“真ん中”へ向かおうとします。アンバランスを嫌いますから、変動・反動が起こるわけです。

 例えば、太陽が出ると地面が熱くなる。すると地面から水蒸気が立ち上り、雷雲が生まれ、その雨が地面を冷やす。そうして均衡が保たれます。季節もそうです。冬、冷たい空気がどっと入ってきても、だんだん太陽の位置が変わり、南風が吹き、大陸が暖まる。

 今、夏が極端に暑くなったり、反対に冷夏になったりする現象は、自然が崩れたバランスを元に戻そうとする働きといえます。近代以降、自然が嫌う極端なことをしてきたのは人間の側です。今こそ自然や環境に対し、「正しく恐れる」謙虚さを持つべきだと思います。(5月26日付)

■ジャーナリスト 国谷裕子さん
 <情報と正しく向き合う> 

 このコロナの時代は、心の内を聴き、琴線に触れる深い対話が求められています。報道のインタビューに限らず、一対一で直接会って語り合うことの意義や重みが、再認識されているでしょう。

 私たちは不安を覚えると、いろんな情報にアクセスします。ただ、自分の考えが正しいかを確認するには、あえて自分と異なる意見や見方に接し、立ち止まって考えることも大切です。そうした中で、「対話の文化」ひいては「平和の文化」が築かれます。

 今、世界最大のリスクが気候危機です。国際社会が協力し、脱炭素化を進めるべきです。今回のパンデミックは、社会のあり方を徹底的に考え直す契機。若い人たちの発想こそ、社会を変える力です。(6月23日付)

■評論家 荻上チキさん
 <子どもが安心できる社会に>

 いじめや不登校に悩む子たちには、好きなことや興味のあることをして過ごすストレスへの対処法(コーピング)の幅を広げてあげることが大切です。いじめはストレスが要因となり助長されますから、「ストレスの少ない空間をつくる」という発想が重要です。

 学校や家庭だけでなく、地域の共同体といった「居場所のレパートリー」を増やすことも、幅広いコーピングにつながります。

 親のすべきことは「子どもの味方であり続ける」こと。「あなたを愛しています」と伝え続けてあげることです。子どもに「好き」だと伝えてあげること。「無害」であり続けること。どんな人も「存在することに意味がある」。そう肯定し続けることが大事です。(7月14日付)

■日本原水爆被害者団体協議会事務局次長
 和田征子さん
 <核兵器のない世界へ> 

 人類が二度と過ちを繰り返さないよう、私たち被爆者が核兵器廃絶を訴え続けることは歴史から与えられた使命だと思っています。

 世界には1万3000発以上もの核兵器があります。操作ミスで発射されたり、テロリストの手に渡ったりと、使われない保証はありません。核兵器は必要悪ではなく絶対悪。開発や保有も禁止されるべきです。

 いま“目に見えない”新型コロナウイルスに対しては、世界中の人々が「自分事」として捉えています。核兵器も、目には見えなくても“目の前”に存在している脅威です。だから「自分事」と捉え、“核兵器をなくそう”という声を結集できるはずです。世界平和は核兵器廃絶なくしては絶対にできません。(8月4日付)

■ローマクラブ共同会長
 マンペラ・ランペレ博士
 <母なる地球に生きる> 

 ローマクラブは、半世紀にわたり環境破壊に警鐘を鳴らし、持続可能な発展を訴えてきました。ですが人々の破壊的な消費行動を変革できずにいました。

 クラブ創立者のA・ペッチェイ氏と池田SGI会長の対談集『21世紀への警鐘』を読み、両者が提唱する「人間革命」の思想に触れた時、今置かれている地球的な危機を乗り越えるには、「人間革命」を推進するしかないと確信しました。

 一人一人が、生命の調和を破壊する自らの行為と向き合い、行動を変えなければならない。ゆえに「新たな人類文明」を創出する鍵となる「人間革命」について語り合うべきだと考えました。「新たな人類文明」とは、「人間革命」を実践する人間が築く文明なのです。(9月17日付)

■国連事務次長、軍縮担当上級代表
 中満泉さん
 <国連と人類の未来>
©UN
©UN

 平和というのは単に戦争がない状態ではなく、平和のための条件が確保されて初めて実現するものです。

 その意味で私は、「核兵器のない世界」とは、世界共通の目標であると同時に、それを目指すこと自体が、「平和の文化」の構築といった包括的な平和をつくるための非常に重要なプロセスであり、手段であると考えています。

 また、これまで世界各地で成立した和平合意を調べてみると、女性が参加してつくられた合意の方が長く守られているということが証明されました。女性が平和問題に中心的に関わることが重要です。これは女性の権利、人権という意味だけでなく、さまざまな目的を遂行する上で、女性の参加が必要不可欠ということなのです。(10月15日付)

■お茶の水女子大学名誉教授IPU・環太平洋大学教授
 内田伸子さん
 <子どもを非暴力で育む> 

 子どもは親だけでなく、仲間や近隣の人、また保育士や教師など、さまざまな人とのやり取りを通じて、「人間」として歩み続けます。

 初期の親子関係のみが人間を発達させる決定因ではなく、後からやり直しや修正がきくのです。そして、愛着のもとで自尊心が育まれ、精神的なレジリエンス(回復力)も高まるのです。

 生みの親から虐待され、無視され、生きる力を萎えさせ縮こまっていた子どもたちは、一人の人格を持つ存在として向き合ってくれる人との出会いによって、息を吹き返し、「生き直し」ができる。「生まれてきてくれてよかった」「あなたの人生の主人公はあなた」というメッセージが伝えられる時、子どもは力強く歩み始めます。(11月24日付)

■2018年ノーベル平和賞受賞者
 デニ・ムクウェゲ医師
 <女性への性暴力と戦う>
(TT News Agency/アフロ)
(TT News Agency/アフロ)

 私はノーベル平和賞のスピーチで訴えました。「行動を起こすことは、無関心に対して『ノー』と言うことです。もし戦争を起こすとするなら、それは私たちの社会を蝕む無関心との戦争なのです」と。

 コンゴで起きている女性への性暴力を、遠く離れた地の話だと思わないでください。スマートフォンなどの電子機器を手にした時、紛争地域の資源が使われていることに思いを巡らせてほしい。

 被害者の女性たちが力強く歩みだす崇高な姿は、いかなる性暴力も人間の尊厳を奪うことなど絶対にできないと教えてくれます。今こそ、連帯と相互尊重の精神をもって、平和な世界を築こうではありませんか。これは、私たち一人一人の手で必ず実現できる夢なのです。(12月22日付)

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