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ベネチア国際映画祭「銀獅子賞」作品「悪は存在しない」 来年公開予定 2023年9月21日
- 濱口竜介監督が会見
- 三大映画祭と米アカデミー賞で栄冠
第80回ベネチア国際映画祭で銀獅子賞(審査員大賞)に輝いた映画「悪は存在しない」。同作の濱口竜介監督と主演の大美賀均が先日、東京都内で会見を行った。(記事・写真=鈴木将大)
濱口監督にとって今回の受賞は、ベルリン、カンヌに続いての快挙となり、世界三大映画祭全てで賞を射止めた。それに加えて、米アカデミー賞でも賞を受けており、これらの偉業は、“世界のクロサワ”と称される黒澤明監督以来で、濱口監督はわずか2年半で成し遂げた。

濱口監督㊨と主演を務めた大美賀
濱口監督は、本作の受賞について「何もないようなところから地道に始めた企画を認めていただき、これからも地道にやっていきなさいと、背中を押されたような気持ちでいます」と心境を明かした。そして、「黒澤明監督という偉大なお名前を引き合いに出していただき、申し訳ない気持ちが正直なところ」と語り、「かえって黒澤監督が遂げたスケールの大きさがあらわになった」と述べた。
本作は、長野県の自然豊かな村の近くでキャンプの宿泊施設の建設計画が持ち上がるが、水資源や生態系に影響がもたらされることが明らかになり、地域の人々の心が揺らいでいく様子を描いた物語。音楽は、カンヌ受賞作「ドライブ・マイ・カー」(2021年)に続いて石橋英子が担当した。
濱口監督は「音楽と映像を実際にやり取りしながら最終的に一つの作品になった。“音楽のセッション”をしているような感覚で得難い体験」と振り返った。
本作は24年に公開予定。