〈特集　師弟の力はかくも偉大――池田先生の95年〉②　民衆凱歌へ　不惜の激励行 〈特集　師弟の力（ちから）はかくも偉（い）大（だい）――池田先生の95年〉②　民（みん）衆（しゅう）凱（がい）歌（か）へ　不（ふ）惜（しゃく）の激（げき）励（れい）行（こう） 2023年11月21日

• どこまでも「一人」のために　全国の同志と結んだ共戦の絆
• どこまでも「一人」のために　全国の同志と結んだ共（きょう）戦（せん）の絆（きずな）

　池田先生の巨大な足跡を6回にわたって特集する「師弟の力はかくも偉大――池田先生の95年」。第2回は「民衆凱歌へ　不惜の激励行」と題し、第3代会長就任以来、北は北海道・稚内から南は沖縄・石垣島まで、日本全国の津々浦々に刻まれた同志との励ましのドラマを追う。

　池田先生の巨（きょ）大（だい）な足（そく）跡（せき）を6回にわたって特集する「師弟の力（ちから）はかくも偉（い）大（だい）――池田先生の95年」。第2回は「民（みん）衆（しゅう）凱（がい）歌（か）へ　不（ふ）惜（しゃく）の激（げき）励（れい）行（こう）」と題（だい）し、第3代会長就（しゅう）任（にん）以来、北は北海道・稚（わっか）内（ない）から南は沖縄・石（いし）垣（がき）島（じま）まで、日本全国の津（つ）々（つ）浦（うら）々（うら）に刻（きざ）まれた同志との励（はげ）ましのドラマを追（お）う。

　1960年（昭和35年）5月3日の午前10時半過ぎ。池田先生が車から降り立った。場所は東京・両国の日大講堂（当時）。黒のモーニングは戸田城聖先生の形見である。
　
　第3代会長就任式は正午に開会した。音楽隊による学会歌の演奏が轟く中、池田先生が入場。途中、先生は歩みを止め、前方に高く掲げられた戸田先生の遺影を見上げた。
　
　壇上に立った池田先生は、力強く第一声を放った。
　
　「若輩ではございますが、本日より、戸田門下生を代表して、化儀の広宣流布を目指し、一歩前進への指揮を執らせていただきます！」
　
　参加者は、場内外で2万余人。雷鳴のような拍手が包む。全同志が待ちに待った、32歳の青年会長の誕生であった。
　
　席上、池田先生は、戸田先生の遺言である300万世帯を、4年後の七回忌までに成し遂げようと呼びかけた。
　
　これは、「第五の鐘」の具体的な目標となった。

　1960年（昭和35年）5月3日の午前10時半過（す）ぎ。池田先生が車から降（お）り立（た）った。場所は東京・両国の日大講堂（当時）。黒のモーニングは戸田城聖先生の形見である。
　
　第3代会長就（しゅう）任（にん）式（しき）は正午に開会した。音楽隊による学会歌の演（えん）奏（そう）が轟（とどろ）く中、池田先生が入場。途（と）中（ちゅう）、先生は歩（あゆ）みを止め、前方に高く掲（かか）げられた戸田先生の遺（い）影（えい）を見上げた。
　
　壇（だん）上（じょう）に立った池田先生は、力（ちから）強（づよ）く第一声を放（はな）った。
　
　「若（じゃく）輩（はい）ではございますが、本日より、戸田門（もん）下（か）生（せい）を代表して、化（け）儀（ぎ）の広宣流布を目（め）指（ざ）し、一歩前進への指（し）揮（き）を執（と）らせていただきます！」
　
　参加者は、場内外で2万余人。雷（らい）鳴（めい）のような拍（はく）手（しゅ）が包（つつ）む。全同志が待（ま）ちに待った、32歳の青年会長の誕（たん）生（じょう）であった。
　
　席上、池田先生は、戸田先生の遺（ゆい）言（ごん）である300万世帯を、4年後の七回（かい）忌（き）までに成（な）し遂（と）げようと呼（よ）びかけた。
　
　これは、「第五の鐘（かね）」の具体的な目標となった。

　7年ごとに広布前進のリズムを刻む「七つの鐘」――池田先生がこの構想を発表したのは、戸田先生の逝去から1カ月後の1958年（昭和33年）5月3日。当時、一部マスコミは「壊滅寸前の創価学会」などと書き立てていた。
　
　そうした中、悲しみに沈む同志にどうやって希望を送ればいいのか。池田先生はただ一人、思索を深めていた。
　
　当時の日記には、こう記されている。
　
　「ひとり二十年後の学会を、考えゆく。心労あり。苦衷あり」（4月30日）

　7年ごとに広布前進のリズムを刻（きざ）む「七つの鐘」――池田先生がこの構（こう）想（そう）を発表したのは、戸田先生の逝（せい）去（きょ）から1カ月後の1958年（昭和33年）5月3日。当時、一部マスコミは「壊（かい）滅（めつ）寸（すん）前（ぜん）の創価学会」などと書き立てていた。
　
　そうした中、悲しみに沈（しず）む同志にどうやって希望を送ればいいのか。池田先生はただ一人、思（し）索（さく）を深めていた。
　
　当時の日記には、こう記（しる）されている。
　
　「ひとり二十年後の学会を、考えゆく。心（しん）労（ろう）あり。苦（く）衷（ちゅう）あり」（4月30日）

　
　そして、5月3日の「七つの鐘」構想の発表となる。
　
　これは、戸田先生が生前、「7年を一つの区切りとして広宣流布の鐘を打ち、『七つの鐘』を打ち鳴らそう！」と語っていたことから、池田先生が着想したものであった。
　
　「第一の鐘」は、30年（同5年）の学会創立から創価教育学会が正式に発足した37年（同12年）までの7年。
　
　「第二の鐘」は、44年（同19年）の牧口常三郎先生の逝去までの7年。
　
　「第三の鐘」は、51年（同26年）の戸田先生の第2代会長就任まで。
　
　「第四の鐘」は、戸田先生が生涯の願業であった会員75万世帯を成就し、逝去するまでの7年である。
　
　その上で、我らは、このリズムのままに7年また7年、未来を見据えて「第五の鐘」「第六の鐘」と勇気と確信をもって進み、「第七の鐘」が鳴り終わる21年後を目指して戦おうとの宣言である。
　
　この壮大な指標は、同志が前を向く力となった。
　
　そして学会は「第五の鐘」の目標である300万世帯を62年（同37年）に達成。「第六の鐘」で750万世帯を突破し、「七つの鐘」が鳴り終わる79年（同54年）には、日本の広布の基盤が完成する。

　
　そして、5月3日の「七つの鐘」構想の発表となる。
　
　これは、戸田先生が生前、「7年を一つの区（く）切（ぎ）りとして広宣流布の鐘を打ち、『七つの鐘』を打ち鳴（な）らそう！」と語っていたことから、池田先生が着想したものであった。
　
　「第一の鐘」は、30年（同5年）の学会創（そう）立（りつ）から創価教育学会が正式に発足した37年（同12年）までの7年。
　
　「第二の鐘」は、44年（同19年）の牧口常三郎先生の逝去までの7年。
　
　「第三の鐘」は、51年（同26年）の戸田先生の第2代会長就任まで。
　
　「第四の鐘」は、戸田先生が生（しょう）涯（がい）の願（がん）業（ぎょう）であった会員75万世帯を成（じょう）就（じゅ）し、逝去するまでの7年である。
　
　その上で、我（われ）らは、このリズムのままに7年また7年、未来を見（み）据（す）えて「第五の鐘」「第六の鐘」と勇気と確信をもって進み、「第七の鐘」が鳴り終わる21年後を目指して戦おうとの宣（せん）言（げん）である。
　
　この壮（そう）大（だい）な指（し）標（ひょう）は、同志が前を向く力（ちから）となった。
　
　そして学会は「第五の鐘」の目標である300万世帯を62年（同37年）に達成。「第六の鐘」で750万世帯を突（とっ）破（ぱ）し、「七つの鐘」が鳴り終わる79年（同54年）には、日本の広布の基（き）盤（ばん）が完成する。

　「学会がここまで発展してきたのは、なぜでしょうか」
　
　ある識者の質問に、先生は「一人を大切にしてきたからです」と答えている。
　
　それは、池田先生の人生そのものであった。
　
　先生は未来への指標を示すだけでなく、全同志が幸福勝利の人生を歩めるよう、渾身の励ましを送った。民衆凱歌の時代を切り開くため、一人一人と共戦の絆を結んだ。
　
　1965年（昭和40年）3月22日、宮城・仙台市で地区部長会が開かれた後のこと。その日、先生の手は赤く腫れ上がっていた。約600人の参加者全員と、2時間にわたって握手したのだ。手に痛みが走り、万年筆を握ることすらできなくなった。
　
　8日後には、長野の地区部長会が予定されていた。
　
　“生涯の原点となる出会いをつくってあげたい”
　
　その一心で握手に代わる激励として考えられたのが、記念撮影だった。
　
　のちに、先生はこうつづっている。「できうるならば、全国の地区の柱として立つ、壮年・婦人・男子・女子・学生の中心者の方々全員と握手をして、励ましたい。しかし、それは、時間的にも次第に困難になっていった。そこで智慧を絞り、せめてもの思いで発案した」
　
　本紙記者の調べによると、先生が65年からの8年3カ月で記念撮影した相手は、少なくとも延べ71万8550人に及ぶことが分かっている。
　
　それも、ただ写真に納まるだけではない。“もう会えないかもしれない”との一期一会の思いで撮影の合間に真心の声をかけ、一人一人の悩みにも耳を傾けた。高熱を押して出席したこともあった。何回もフラッシュを浴び、目を痛めることも。まさに不惜身命の激励行だった。

　「学会がここまで発（はっ）展（てん）してきたのは、なぜでしょうか」
　
　ある識者の質問に、先生は「一人を大切にしてきたからです」と答えている。
　
　それは、池田先生の人生そのものであった。
　
　先生は未来への指標を示すだけでなく、全同志が幸福勝利の人生を歩めるよう、渾（こん）身（しん）の励（はげ）ましを送った。民（みん）衆（しゅう）凱（がい）歌（か）の時代を切り開くため、一人一人と共（きょう）戦（せん）の絆（きずな）を結（むす）んだ。
　
　1965年（昭和40年）3月22日、宮城・仙台市で地区部長会が開かれた後のこと。その日、先生の手は赤く腫（は）れ上（あ）がっていた。約600人の参加者全員と、2時間にわたって握（あく）手（しゅ）したのだ。手に痛（いた）みが走り、万年筆を握（にぎ）ることすらできなくなった。
　
　8日後には、長野の地区部長会が予定されていた。
　
　“生（しょう）涯（がい）の原点となる出会いをつくってあげたい”
　
　その一心で握手に代（か）わる激励として考えられたのが、記念撮（さつ）影（えい）だった。
　
　のちに、先生はこうつづっている。「できうるならば、全国の地区の柱として立つ、壮年・婦人・男子・女子・学生の中心者の方々全員と握手をして、励ましたい。しかし、それは、時間的にも次（し）第（だい）に困（こん）難（なん）になっていった。そこで智（ち）慧（え）を絞（しぼ）り、せめてもの思いで発案した」
　
　本紙記者の調べによると、先生が65年からの8年3カ月で記念撮影した相手は、少なくとも延（の）べ71万8550人に及（およ）ぶことが分かっている。
　
　それも、ただ写真に納（おさ）まるだけではない。“もう会えないかもしれない”との一（いち）期（ご）一（いち）会（え）の思いで撮影の合間に真心の声をかけ、一人一人の悩（なや）みにも耳（みみ）を傾（かたむ）けた。高熱を押（お）して出席したこともあった。何回もフラッシュを浴（あ）び、目を痛（いた）めることも。まさに不（ふ）惜（しゃく）身（しん）命（みょう）の激（げき）励（れい）行（こう）だった。

　72年（同47年）7月14日、岩手県営体育館では12回に分けて3600人との記念撮影を行った。疲労困憊で、出された食事も喉を通らない。それでも時間になると力強く立ち上がり、同志のもとへ駆け寄った。
　
　この日、撮影を終えた先生は盛岡の会館に向かい、かつて小学生たちと交わした“約束”を果たしている。
　
　きっかけは、先生のもとに将来の夢などがつづられた子どもたちの手紙が届けられたこと。その時、先生は“岩手に行った時に会いましょう”と伝言していたのだ。
　
　会館に着いた子どもたちを「よく来たね」と出迎え、本の見返しに励ましの言葉を認めた書籍を贈っている。

　72年（同47年）7月14日、岩手県営体育館では12回に分けて3600人との記念撮影を行った。疲（ひ）労（ろう）困（こん）憊（ぱい）で、出された食事も喉（のど）を通（とお）らない。それでも時間になると力強く立ち上がり、同志のもとへ駆（か）け寄（よ）った。
　
　この日、撮影を終えた先生は盛（もり）岡（おか）の会館に向かい、かつて小学生たちと交（か）わした“約（やく）束（そく）”を果（は）たしている。
　
　きっかけは、先生のもとに将（しょう）来（らい）の夢などがつづられた子どもたちの手紙が届（とど）けられたこと。その時、先生は“岩手に行った時に会いましょう”と伝言していたのだ。
　
　会館に着いた子どもたちを「よく来たね」と出（で）迎（むか）え、本の見（み）返（かえ）しに励ましの言葉を認（したた）めた書（しょ）籍（せき）を贈（おく）っている。

　第1次宗門事件の嵐の中の1979年（昭和54年）4月24日、池田先生は宗門僧の理不尽な攻撃に終止符を打ち、会員を守るために一切の責任を負って第3代会長を辞任。師弟分断を画策した悪侶と反逆者らは、先生に“会合で指導してはいけない”“聖教新聞に出てはいけない”と押しつける一方、かさにかかって学会を攻撃し、同志を苦しめていた。
　
　この79年のある日、神奈川文化会館で会合が行われた。その声を会場の外でじっと聞いていた先生は、会合の進行を妨げないよう、会場前方の扉から、そっと入場した。
　
　先生の姿に気付いた友が、歓呼の声を上げる。すると、先生は「私は話してはいけないことになっているから」と口に人さし指を当てた。
　
　そして、会場内にあるピアノの方へ。「熱原の三烈士」「厚田村」など数曲を弾くと、静かに会場を後にした。

　第1次宗（しゅう）門（もん）事件の嵐（あらし）の中の1979年（昭和54年）4月24日、池田先生は宗門僧の理（り）不（ふ）尽（じん）な攻（こう）撃（げき）に終（しゅう）止（し）符（ふ）を打ち、会員を守るために一切の責任を負（お）って第3代会長を辞（じ）任（にん）。師弟分（ぶん）断（だん）を画（かく）策（さく）した悪（あく）侶（りょ）と反逆者らは、先生に“会合で指導してはいけない”“聖教新聞に出てはいけない”と押（お）しつける一方、かさにかかって学会を攻撃し、同志を苦しめていた。
　
　この79年のある日、神奈川文化会館で会合が行われた。その声を会場の外でじっと聞いていた先生は、会合の進行を妨（さまた）げないよう、会場前方の扉（とびら）から、そっと入場した。
　
　先生の姿（すがた）に気付いた友が、歓（かん）呼（こ）の声を上げる。すると、先生は「私は話してはいけないことになっているから」と口（くち）に人さし指を当てた。
　
　そして、会場内にあるピアノの方へ。「熱（あつ）原（はら）の三（さん）烈（れっ）士（し）」「厚田村」など数曲を弾（ひ）くと、静かに会場を後（あと）にした。

　この頃、同会館で幾度となく見られた光景であった。
　
　この第1次宗門事件で、大分は、悪侶の圧迫に最も苦しんだ地域の一つである。寺に行くたびに聞かされるのは、先生や学会への悪口ばかり。同志は歯を食いしばり、理不尽に耐えに耐えた。
　
　先生は、81年（同56年）秋から本格的な反転攻勢を開始した。“最も苦しんだ同志のために”と12月12日、大分・竹田市の岡城址を訪れている。
　
　「もう心配ないよ！」
　
　駐車場に降り立った池田先生のもとに駆け寄る学会員の安堵の表情、そして涙……。
　
　その場に居合わせた未入会の友がいる。当時、学会が大嫌いだった。妻に「この日だけは」とお願いされて参加したものの、「宗教の指導者なんて、どうせ威張り散らしているんだろう」と決めつけていた。しかし、先生の振る舞いを目の当たりにし、3カ月後に信心を始めている。
　
　その友は、先生の姿をこう振り返る。「庶民の海の中に飛び込んでいくようでした」
　
　この出会いの後、先生は語った。「会った人も大事だが、会わなかった人は、もっと大事だ」「旅の無事を祈り、真剣に題目をあげ続けてくださったんだ。その方々と、私は心で会った。その方々のおかげで、学会は勝ったんだ」

　この頃、同会館で幾（いく）度（ど）となく見られた光景であった。
　
　この第1次宗門事件で、大分は、悪侶の圧（あっ）迫（ぱく）に最も苦しんだ地域の一つである。寺に行くたびに聞かされるのは、先生や学会への悪口ばかり。同志は歯（は）を食（く）いしばり、理不尽に耐（た）えに耐えた。
　
　先生は、81年（同56年）秋から本格的な反転攻（こう）勢（せい）を開始した。“最も苦しんだ同志のために”と12月12日、大分・竹（たけ）田（た）市の岡（おか）城（じょう）址（し）を訪（おとず）れている。
　
　「もう心配ないよ！」
　
　駐（ちゅう）車（しゃ）場（じょう）に降（お）り立（た）った池田先生のもとに駆（か）け寄（よ）る学会員の安（あん）堵（ど）の表情、そして涙（なみだ）……。
　
　その場に居（い）合（あ）わせた未入会の友がいる。当時、学会が大（だい）嫌（きら）いだった。妻に「この日だけは」とお願いされて参加したものの、「宗教の指導者なんて、どうせ威（い）張（ば）り散（ち）らしているんだろう」と決めつけていた。しかし、先生の振（ふ）る舞（ま）いを目の当たりにし、3カ月後に信心を始めている。
　
　その友は、先生の姿（すがた）をこう振（ふ）り返（かえ）る。「庶（しょ）民（みん）の海の中に飛（と）び込（こ）んでいくようでした」
　
　この出会いの後、先生は語った。「会った人も大事だが、会わなかった人は、もっと大事だ」「旅の無事を祈（いの）り、真（しん）剣（けん）に題目をあげ続けてくださったんだ。その方（かた）々（がた）と、私は心で会った。その方々のおかげで、学会は勝ったんだ」

　先生の心は、いつも、苦しんでいる友のもとへ飛んだ。
　
　2000年（平成12年）2月29日には、兵庫・長田文化会館を訪問。集い合った友と勤行した。
　
　会場には、「阪神・淡路大震災」で最愛の父と子を失った友もいた。生き埋めの中で九死に一生を得た友もいた。
　
　この時、先生は力強い励ましを送っている。
　
　「人生は戦いです。幸福になるための戦いです」「どうか朗らかに！　朗らかな人には、だれもかなわない。そして忍耐をもって生き抜いていただきたい」
　
　この言葉は、今も同志の前進の力となり、師との誓いとなっている。

　先生の心は、いつも、苦しんでいる友のもとへ飛んだ。
　
　2000年（平成12年）2月29日には、兵庫・長田文化会館を訪（ほう）問（もん）。集い合った友と勤行した。
　
　会場には、「阪（はん）神（しん）・淡（あわ）路（じ）大（だい）震（しん）災（さい）」で最愛の父と子を失った友もいた。生（い）き埋（う）めの中で九（きゅう）死（し）に一生を得た友もいた。
　
　この時、先生は力強い励ましを送っている。
　
　「人生は戦いです。幸福になるための戦いです」「どうか朗（ほが）らかに！　朗らかな人には、だれもかなわない。そして忍（にん）耐（たい）をもって生き抜いていただきたい」
　
　この言葉は、今も同志の前進の力となり、師との誓（ちか）いとなっている。

　全国の友に希望の灯をともし続けてきた池田先生は折に触れ、21世紀が開幕する2001年（平成13年）の5月3日から第二の「七つの鐘」を打ち鳴らすことを念願してきた。
　
　1997年（同9年）5月には、関西で23世紀後半までの壮大な新しい「七つの鐘」の構想を示している。
　
　第二の「七つの鐘」となる21世紀前半の50年では、アジアをはじめ世界の平和の基盤を築き、第三の「七つの鐘」となる21世紀後半では「生命の尊厳」の哲学を時代精神、世界精神へと定着させる。
　
　第四の「七つの鐘」となる22世紀前半には、世界の「恒久の平和」の崩れざる基盤をつくる。その基盤の上に、第五の「七つの鐘」となる22世紀後半には絢爛たる人間文化の花が開き、それが実現すれば第六の「七つの鐘」、第七の「七つの鐘」と進み、日蓮大聖人の立宗1000年（2253年）を迎える23世紀の半ばごろから、新たな展開が始まるであろう――と。

　全国の友に希望の灯（ひ）をともし続けてきた池田先生は折（おり）に触（ふ）れ、21世紀が開（かい）幕（まく）する2001年（平成13年）の5月3日から第二の「七つの鐘」を打ち鳴らすことを念願してきた。
　
　1997年（同9年）5月には、関西で23世紀後半までの壮大な新しい「七つの鐘」の構想を示している。
　
　第二の「七つの鐘」となる21世紀前半の50年では、アジアをはじめ世界の平和の基（き）盤（ばん）を築き、第三の「七つの鐘」となる21世紀後半では「生命の尊（そん）厳（げん）」の哲（てつ）学（がく）を時代精神、世界精神へと定着させる。
　
　第四の「七つの鐘」となる22世紀前半には、世界の「恒（こう）久（きゅう）の平和」の崩（くず）れざる基盤をつくる。その基盤の上に、第五の「七つの鐘」となる22世紀後半には絢（けん）爛（らん）たる人間文化の花が開き、それが実現すれば第六の「七つの鐘」、第七の「七つの鐘」と進み、日蓮大聖人の立（りっ）宗（しゅう）1000年（2253年）を迎（むか）える23世紀の半ばごろから、新たな展（てん）開（かい）が始まるであろう――と。

　現在は第二の「七つの鐘」の前進の途上にある。先生はこの鐘が鳴り終わる学会創立120周年（2050年）を展望し、こうつづっている。
　
　「その時、仏法の人間主義の哲学が、どれほど世界を照らす太陽と輝き、我ら創価の大連帯が、どれほど人類の平和の柱と仰がれていることか。私の胸は熱くなる」
　
　この広布の大ロマンはつまるところ、「一人の励まし」に徹し抜く行動によってのみ実現する。その方程式は全て、池田先生の行動の中に示されている。

　現在は第二の「七つの鐘」の前進の途（と）上（じょう）にある。先生はこの鐘が鳴り終わる学会創立120周年（2050年）を展（てん）望（ぼう）し、こうつづっている。
　
　「その時、仏法の人間主義の哲（てつ）学（がく）が、どれほど世界を照らす太陽と輝（かがや）き、我ら創価の大連帯が、どれほど人類の平和の柱と仰（あお）がれていることか。私の胸（むね）は熱くなる」
　
　この広布の大ロマンはつまるところ、「一人の励まし」に徹（てっ）し抜く行動によってのみ実現する。その方程式は全て、池田先生の行動の中に示されている。