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〈START~私が選んだ道~ 信仰体験〉 踊りまくりの大変で楽しい日々 2023年7月25日

  • 「“信じる”って自分を大事にする挑戦」

 母がカトリックだった阿部さつきさん(31)=千葉県八千代市、女性部員(池田華陽会では県サブキャップ)、芸術部員。宗教に対して、それほど抵抗はありませんでした。だから、創価学会に入会していた父が苦難を乗り越える姿を見て、母が学会の信心を始めた時も「あ、今度はこっちを拝んでるんだなくらいの感じ(笑)」。それから、ダンサーの夢を抱いた阿部さんは、初めて信仰を“実践”するようになります。信じて、行動した先に起きた変化とは、何だったのでしょう――。

 私が中学生だった時、パパが脳梗塞で倒れてICU(集中治療室)に入った。
 その時、家族を一番気にかけてくれたのが、パパを折伏した人だったみたい。後遺症もなく退院したパパは、それまでホコリをかぶってた仏壇を掃除して、「南無妙法蓮華経」って唱え始めたんだ。経営してる会社がそれまで危なかったんだけど、祈り始めてから、だんだん安定したんだよね。
 地域の学会員の真心にも触れて、「この信仰なら、みんな幸せになれる!」ってママも決心して学会員に。私も、きょうだいと一緒に入会した。

 その前は教会にも行ってたから、会館に行くのも同じような感覚だったかな。最初は入会した自覚はあっても信じてるって自覚はないから、ママにただついてくだけ。本幹の中継で池田先生が話してても、あのメガネの人は誰だろう?くらいの感じだった(笑)。

 その頃の私は「EXILE」とか、“安室ちゃん”とかの後ろで踊ってる人たちに憧れてた。小学生の時にダンスを習い始めて、高校生の時にプロを目指そうって。でもバックダンサーのオーディションを受けても、不合格ばっか。審査員を前にすると、練習したことが頭からポーンと抜けて、何もできなくなっちゃうんだ。それで落ち込んで、“私はダメだ”って自己肯定感下がりまくりで。

 地元の女子部(当時)の人がウチに来たのは、そんな時。「ダンサーになりたい」って打ち明けたら、「ゼッタイかなうよ!」って。私より私の夢に自信がありそうなテンションでびっくり。
 ダンス仲間はある意味ライバルで、そんなふうに言ってくれる人っていなかったから、素直にうれしかった。その上で、「一緒に祈ろう」ってお題目も。唱えるのと夢がかなうのって、その時はイマイチ結びつかなかったんだけど、私のために時間を使ってくれてるって、気持ちが伝わってきたんだよね。

 誘われた女子部の会合で、小説『新・人間革命』を知った。読んで衝撃。画面で見てた池田先生が、実は本気で平和のため、世界を相手にして一人を元気づけてたっていう。だから先輩も、あんなふうに励ましてくれたんだって納得した。私も先生や先輩のように“与える人”になりたいって思ったんだ。
 それまで、踊る理由はただ大きい舞台に立ちたいだけだった。学会の人に会って、ダンスは観る相手がいて成り立つんだって分かった。踊りで誰かに勇気や希望を送れる。割と言われることかも知れないけど、自分で気付けたから、練習にもずっと力が入るようになった。

 オーディションに落ちても、次のパフォーマンスはどうしようかって切り替えられるようになって、何より審査員の前で物おじしなくなった。
 “私を見て!”って、自分のダンスを信じられるようになったっていうのかな。そこで初めて、夏歌で有名なアーティストのスタジアムコンサートで、バックダンサーのデビューが決まったんだ!

 こうなると、もうなんでもできるような気がしてくる。本場のダンスに触れたくて、21歳の時にアメリカ、それからカナダにダンス留学した。住む場所も決めずに、バックパッカー用のホテルで過ごしたのも、私には御本尊様があるから良い滞在先も必ず見つかるって、それくらい信じ切ってたっていうか。
 SGIともつながって、学会活動に参加した。初めての土地でも、日本と同じ組織がある安心感。学会員でホントによかった。肌の色が全く違う人が一緒になって御本尊様に向かってて、すっごい感動だった。

 ただ海外生活は、やっぱ大変だなってことの方が多い。言葉だったり、人間関係だったり。“楽しい”と“つらい”で感情の波がグワングワン(笑)。
 こんなブレブレでいいのかって感じだけど、御書を読んでみると、「苦しくても楽しくても南無妙法蓮華経と唱えきっていきなさい」(新1554・全1143、通解)って書いてあって。あ、そういう自分のままでもいいんだなって。

 それにしんどい時こそ、現地のメンバーが一緒に祈ってくれた。信心を疑うヒマもないくらい支えてもらった。“信じたい”って思えば思うほど、善知識っていうのかな、助けてくれる人の大きさに気付けた留学だったと思う。

女性部の同志と
女性部の同志と

 信じるって話ばっかしてる気がするけど、信仰を持つ上で大事なテーマだと思うんだよね。信じ“続ける”ってやっぱり難しいことだと思うから。

 日本に戻ってからも、舞台やイベント、CM、ハリウッド映画でもパフォーマンスする機会をもらえるようになった。信心スゴいなって思う出来事もあれば、一方で恋愛とか、うまくいかないなってことも。それが続くと、やってもムダかなって時々、諦めの気持ちが湧いちゃうこともある。てか一人だったら諦めてる(笑)。学会の同志や家族、「さつきのダンスにはパワー感じる!」って言ってくれる仲間や友達。私を私以上に信じてくれる人たちを思う時、自分の弱さと向き合いながら、信心でここまでやってきたじゃんって思い直せる。「行き詰まった時こそが本当の勝負です。行き詰まりを打開する力こそ、『いよいよ強盛』の信心です」。池田先生の言葉。“信じる”って、頑張ってきた自分を大事にするための挑戦って思うんだ。

 今年、「暗闇キックボクシング」のインストラクターを始めた。キックボクシングとダンス音楽が融合したもの。自分の新しい可能性と力を探ってる。

 広宣流布のために祈ればゼッタイに道は開けるって、なんか、そういう境地にたどり着いちゃってるんだよね(笑)。大変なことも全部、成長の糧に変えられる。新しい挑戦ができる毎日が、すっごく楽しい――。 

おばあちゃん入会の日の一枚(後列左から時計回りに阿部さん、姉・えりかさんとめい・葵さん、母・ロセレルザさん、弟・優一さん、父・孝之さん、祖母・歌子さん。本人提供)
おばあちゃん入会の日の一枚(後列左から時計回りに阿部さん、姉・えりかさんとめい・葵さん、母・ロセレルザさん、弟・優一さん、父・孝之さん、祖母・歌子さん。本人提供)
○家族の話○

 家族で最初に入会した父・孝之さん(60)=千葉県鎌ケ谷市、地区部長=は、レントゲンやMRIなどの特殊な内装の施工・設計を担う会社を経営。フィリピン出身の母・ロセレルザさん(54)=同、白ゆり長=と共に、さつきさんたち3人の子の成長を見守る。

 どんなことも家族で話し合い、一緒に祈ってきたという。ダンサーの夢を追うさつきさんの身を案じながら、「ここで諦めるさつきじゃないよね」と、どんな時でも背中を押そうと決めてきた。

 家族全員で学会活動を始めた時から、「リレーするみたいに」続けていた祖母への仏法対話。一昨年の11月、10年越しにその思いが実る。入会を知らせる孝之さんのメッセージに、家族のSNSのグループは大盛り上がりとなった。


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「広宣流布は自分の人生を世界規模で見るってこと。どこにいても、一人を励ます使命を見失わずにいられると思うんだ」
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認定NPO法人フローレンス会長。2004年にNPO法人フローレンスを設立し、社会課題解決のため、病児保育、保育園、障害児保育、こども宅食、赤ちゃん縁組など数々の福祉・支援事業を運営。厚生労働省「イクメンプロジェクト」推進委員会座長

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