特集・企画

  • Mail
  • プリント
  • facebook
  • twitter
  • 紙面で見る

〈開学50周年へ 世界に挑む創価大学〉 国際的な平和・人権感覚を育む法学部 2018年7月12日

法曹・ビジネス法務・公共政策・外交
進路に応じた4コースを設置
外国人教員のもと、世界の人権問題について英語で学ぶ法学部の授業(創大の中央教育棟で)

 企業のコンプライアンス(法令順守)が重視される現代は、法律の知識や感覚を持つ人があらゆる分野で求められている。“民衆の側に立つ人材”の育成に力を入れる創価大学(東京・八王子市)の法学部も、これまで各界に卒業生を送り出してきた。ここでは、同学部の取り組みについて須藤悦安学部長にインタビュー。同学部を卒業し、創大の法科大学院で学ぶ学生の声を紹介する。

須藤学部長に聞く

 ――創大の法学部は開学以来、司法試験の合格者を342人輩出しています。これは、戦後創立された高等教育機関の中で第1位の実績です。

 これまで多くの学生たちが、勇んで難関に挑戦してきた結果です。またその陰には、合格した先輩たちによる現役生へのこまやかな支援があります。こうした“後輩を自分以上の人材に”との学生同士の絆は、本学に脈打つ伝統です。
 法曹界以外の多彩な分野にも、学生を送り出しています。
 卒業生の中には、外交官や国家・地方公務員、国際機関の職員として働く人も大勢います。特に公務員試験ではここ数年、合格者が開学以来の最高水準に達しています。学内の合格者の半数以上が法学部生です。もちろん国内外の企業への就職実績も豊富です。
 厳しい選抜を突破する学生も出ています。G20加盟国などから、各国1人を選出して行われる国際女性会議「Girls20サミット」の日本代表には、2015年から4年連続で創大生が選ばれていますが、全て法学部の学生です。
  
 ――これほどの実績を挙げてくることができたのは、なぜでしょうか。

 法学部では、進路に応じた四つのコースを設けています。学生は2年次からいずれかを選択し、専門性を磨いています。
 一つ目の「リーガル・プロフェッションコース」では、法律に精通した人材を養成します。具体的には、法科大学院進学、司法試験合格を目指します。
 二つ目の「ビジネス法務コース」は、民間企業への就職を考えている人を対象としています。金融機関、マスコミを志望する人もいます。
 三つ目の「公共政策・行政コース」は、公務員など公共政策の現場で活躍する人を育てます。「まちづくり」や「環境」「社会保障」に興味のある人に向いています。
 四つ目の「国際平和・外交コース」は、外交官や国際機関職員、グローバル企業、海外大学院など、平和問題に関する高い専門性と語学力を身に付け、国際社会で貢献する人を育成します。
 それぞれのコースでは、理論と実務を結び付けるための「ワークショップ」を積極的に取り入れています。そこでは、弁護士や公務員を招いたり、企業と連携したりして、最前線で活躍する方々を講師に、実際の諸問題を分析・解決する実践力を養います。
  
 ――グローバル化にも力を入れています。

 イギリス・バッキンガム大学への長期留学やダブル・ディグリープログラムなど、レベルの高い学部独自の留学制度を設けています(別掲)。留学等を目指す人のために、英語で国際問題などを学ぶ科目群も充実させてきました。
 各学年30人程度を選抜して行うGLP(グローバル・ロイヤーズ・プログラム)も好評です。これは、法科大学院の既修者コース(2年間)への進学を目指すものです。ここでは、外国人教員による授業や、海外の平和・人権問題を題材にした授業も行っています。
 世界には、人種差別や極度の貧困など人権が守られていない地域もあれば、“人権先進国”と呼ばれる国々もあります。また、平和問題や環境問題など、一国だけで解決することのできない諸課題が山積しています。
 これらに目を向けることで、「平和とは何か」「人権とは何か」といった価値観が深まっていきます。そうした国際感覚を養い、これまでとは違った観点で物事を捉えることが、新しい社会を創造していく力になると確信します。
 法学部は「大学は大学に行けなかった人のためにある」との創立者・池田先生の指針のもと、社会的に弱い立場の人々の側に立ち、民衆を守る人材の育成に努めてきました。どこに行っても活躍できる実力を付けられるよう、これからも一人一人に合わせて、全力でサポートしていきます。

卒業生の声/川村将輝さん

 幼い頃、私は泣き虫でした。しかし、理不尽なことには、負けたくない、屈しないという思いは人一倍強かったのを覚えています。
 それが今、法曹を目指す私の原点です。
 法学部ではGLPに挑戦しました。若き日に弁護士を目指していた父の影響に加え、世界で活躍できる力を付けたいと思ったからです。
 GLPでは、1年次から法律特有の文章を読み書きするトレーニングがあり、これが現在、法科大学院で学ぶ土台となっています。法律文書は文学作品とは異なり、正確に意思を伝えるため、論理性と説得性を重視したものとなっています。最初は、まるで外国語を読んでいるようでしたが、理解が進むにつれ楽しくなってきました。
 また、弁護士など実務に携わる人の話を聞く機会が多く、実際の状況をイメージして学ぶことができました。特に、国際的な舞台で活躍する人の講演会が印象に残っています。
 ある講演会では、JICA(国際協力機構)の職員の方が、まだ法律が根付いていない地域の話をしてくれました。“法律があっても、それを生かす法曹がいなければ無秩序になってしまう”と。諸外国の話は、法律や人権の在り方を考えさせられるものばかりでした。海外からの観光客が増え、グローバル化が進む日本にあっても、外国人の権利をどのように守るかなど「多様な人々が共存できる社会」を考えていかなければならないと思いました。
 将来、助けを必要としている人の力になれるよう、実力を磨いていきます。

法学部独自の留学制度

 ①ダブル・ディグリープログラム
 4年間で創価大学と英バッキンガム大学の二つの学位を取得する制度。1・4年次を創大で、2・3年次をバッキンガム大で学ぶ。バッキンガム大では、法学部または人文学部国際政治経済学科に所属し、専門科目を履修する。
   
 ②長期留学
 1年次の春休みと2年次の前期・夏休みにわたり、バッキンガム大に約8カ月間留学する制度。現地では、総合教養学科で英語、法律、政治、国際関係などを学ぶ。留学先の単位は創大の卒業単位に認定され、4年間での卒業が可能。
   
 ③短期海外研修
 春休みまたは夏休みの2週間、海外有名大学で行われる。英語コミュニケーション能力の向上を図り、平和問題、人権問題などを英語で学ぶ。

ご感想をお寄せください news-kikaku@seikyo-np.jp

バックナンバーを見る
記事クリップ 気になる記事を後でまとめ読みできます。 音声配信サービス スピーチや随筆を音声ファイルで配信! 聖教新聞社の本 漫画
ページの先頭へ