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【インタビュー】Z世代が語る信仰/人と人をつなぐ人になりたい 2023年11月11日

  • 電子版連載〈WITH あなたと〉#Z世代

 「人に合わせることが苦手だった」という谷川望美さん(兵庫県尼崎市、華陽リーダー)。自身の生き方について、どのように考えているのか、赤裸々に語ってくれました。

 ――Z世代って、“あまり無理をしていない”と言われますが、どう感じますか。

 私は学業だったり、学生団体の活動だったり、海外留学だったり、目立つ部分が多いからなのか、お世話になっている学生団体の先生から「ミスパーフェクト」って言われたことがあるんですけど、全然そんなことなくて。家に帰ったら「疲れたー」と言って、テレビ見てゴロゴロする時もあります(笑)。大学での自分、バイトでの自分、家での自分、っていうふうにいろいろな自分がいて、できる範囲で挑戦して、休んで、そのバランスを楽しんで生きているのかな。

 ただ、昔はもっと不器用だったと思います。中学の頃は、人付き合いが苦手で。みんなで一緒にトイレに行こうとか、食堂に行こうとか、そういうのが無理でした(笑)。“自分の好きにすればいいやん”と思っていて。それなのに、当時は真面目すぎて、相手の言葉とか行動とかを、注意ばかりしちゃってました。なんだか矛盾してますよね。

“人に合わせられない。合わせたいわけでもない。でも、何か変わりたい”。そんな思いを、誰かに受け止めてほしかったのかもしれません。
 学校で気を張っていた分、家に帰ってきたら、学校のことをいったん忘れたくて、革靴をすぐに隠していた時もあった(笑)。その時は、きっと無理をしていたんだと思います。

 大学生になって、創価学会の同世代の先輩に出会えたことは、そういう意味でも良かったです。ありのままの自分を受け止めてもらうという経験があったから、いろいろな人や団体と関わっていく際にも、一歩踏み出していくことができたのかなと感じています。人間関係のつくり方とかリーダーのあり方とかも学べるし、その全てが教学や信仰を根本にしているから、創価学会って魅力的だと思う。

 ――逆に苦手なことってありますか。

 自分のため「だけ」のことですかね。“誰かのため”とか、人が関わっていると、ちょっと大変なことだとしても、“人のためになるんやったら”と思って、やれる。逆に自分のためだけだと、頑張れないんです。大学の課題とか特に(笑)。

 それこそ私は趣味もそんなになくて、映画をちょっと見るぐらい。旅行にも行ったりするけれど、楽しいにプラスして、その地で出会った人にもう一度会いに行くとか、(海外で支援した)活動のその後の様子を見るためとか。理由として、人が関わっていることが多いです。

 カンボジア留学で目にした人たちの姿から、自分の価値観を変えてもらい、自分自身のことも振り返って考えられるようになりました。それまでの自分は、人から“どう思われてるんやろう”とか、“これは自分に何のメリットがあるんやろう”とか、考えて考えてからじゃないと行動に移せないタイプだったんですけど、そういうのから解放されて、自由になれた気がしました。

 日本に帰ってきてからは、自分の身なりから行動まで、やりたいようにやろうって思えて。10月は韓国に行って、11月は一人でアジア5カ国を巡ろうと決めています。来年はJICAの海外協力隊の体験プログラムに合格したので、就職するまでの3週間、ガーナに行く予定です。

 メリットがあるとかないとかじゃなく、“自分がわくわくする”“楽しいと思える”ことを選んで、進んでいく。そのチャンスがあれば逃さず、つかんでいくっていうのが、自分の中のポリシーになったと思います。

 ――海外への留学経験も経て、「自分がどうしたいかを大切にするようになった」という今、さらに学会活動を頑張る理由は、どんなところにありますか。

 私は他の人の話を聞いて刺激を受けるっていうのが好きなので、会合に参加している理由は、それが1番ですね。

 大学やアルバイト、私は女子学生部であり池田華陽会でもあるので、社会で仕事をされている人の話を聞くこともできます。家庭環境も人それぞれなので、自分と近い境遇であれば共感があるし、全く異なる背景であれば、発見や学びがある。違いを超えて励まし合える関係って、すごいと思います。

 普通は、違いがあると、溝ができちゃうと思うんですよね。それは、学会の中でも例外ではないと思っていて。単純に会合で顔を見る回数だけで考えたら、学会活動をすごい頑張ってる人と、仕事とか他のことが忙しくて会合に参加できない人と、両方いるじゃないですか。バリバリ活動家の人って「なんであの人、学会活動頑張らへんの」って気持ちになっちゃいません?

 私自身、そう思われることが後ろめたく感じる時期もあったんです。ちょうど学生団体の活動で海外に居て会合に参加できず、先輩に「参加できなくて、すみません」と連絡をしたことがありました。そしたら、先輩が「社会で活躍することも、学会活動につながっているんやで」と快く送り出してくれたんです。その言葉で気持ちが楽になりました。

 学会の指導にも「信心は一人前、仕事は三人前」ってあるし。もちろん、仕事を理由に活動をおろそかにするのは良くないと思うけど、社会貢献や地域活動も大切だなって思うんです。創価学会が社会に根ざしているから、私は魅力を感じるんだと思います。

 今、私は女子学生部で総合委員長、女性部で華陽リーダーと、それぞれ役職を務めさせてもらっています。それは、信心に関する力量が秀でているとか、そういう捉え方は全くしていなくて、学会活動をたくさんやっている人と、会合にはなかなか参加できていなくても他の分野で頑張ってる人の“パイプ役”になれたらなって。もっと互いに交流する機会があったら、新しい気づきや、学び合えることがたくさんあるはず。自分がその“中間層”だからこそ、“人と人をつなぐ人”になれたらなって思っています。

 ――はたから見たら、バリバリ頑張っている人に見える気もしますが、谷川さんは“中間層”なんでしょうか。

 そうなんだと思います。昨日もちょうど、学生団体の後輩に、学生団体でつくっている商品を持ってきてほしいってお願いしていたんですけど、「忘れちゃいました」と連絡があって。今日の取材で記者さんに見てもらうから、ちゃんと持ってきてもらえるように、これは理由を言った方がいいなと思いました。実は取材を受けること、周りに言ってなかったんですよ。バリバリの人なら、これは“対話のチャンスや”って、きっと言いそうですよね(笑)。

 そんなこともあり、「創価学会の機関紙の聖教新聞で取材をしてもらうことになってて、結構大きく出るらしいから持ってきてほしいんよ」って伝えて、商品を持ってきてもらったんです。結果的には、後輩が1回、商品を忘れてくれて良かったと思っています。

学生団体で扱っている商品
学生団体で扱っている商品

 日頃から、“もっと学会の話をフランクにできたらいいのに”って思うんです。学会の人が“内部”とか“外部”とかいう壁をつくっちゃったら、社会との間に一線を引くのと同じことになっちゃう。社会に開かれた活動を積極的にしていけば、他のボランティア団体とか、町内会とかに入っているような感覚で、隠す必要ないやんって。

 もちろん、宗教界で大きな団体ということはすごいなって感じているけど、自分が壁をつくっちゃったら、相手は“そっちが壁つくってるやん”ってなるじゃないですか。だから社会の中にある、一つの団体ぐらいに思ってもらえる時代になったらいいなって思います。

 とはいえ、今回の後輩とのやり取りで、自然体で対話することにこそ、勇気が要るんだなってことを実感しました。これから社会に出ていくに当たって、仕事であれ、学会活動であれ、人との関わりであれ、何かに向かって目的観を持って進んでいきたいです。

 “自分で決めたんだ”ってことが自分の心を支えることにもなる。

 誰かに言われたからとか、誰かのようにしなきゃとかじゃなくて。自然体で自分の力が発揮できるように、努力と経験を重ねたいと思います。
 

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