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〈Seikyo Gift〉健康PLUS 毎日の習慣で猫背を治す 2021年2月7日

医学博士 安保雅博さん

 気温が低くなると、寒さから身を守るために背中を丸めやすくなります。荷物を持ったり、スマートフォンやパソコンを見たりと、日常生活の中で前かがみになりやすい場面も多くあります。姿勢が悪いと、肩凝りや慢性疲労など全身の不調につながる場合も。今回は、医学博士の安保雅博さんに、姿勢が健康に与える影響や、改善方法などについて聞きました。
  
  

〈ポイント〉

 ① 良い姿勢は体に酸素を取り込みやすい
 ② 過度なダイエットは骨を弱める
 ③ “ながら”ストレッチを習慣に
  
  

悪化が進んでいる⁉

 コロナ禍となった今は、家の中で過ごす時間が増えました。テレワークが普及して、外出が減ったり、動画視聴やゲームに費やす時間が増えたりと、姿勢が悪くなりやすい状況が続いています。

 心理的な背景も、猫背の一因と考えられます。人混みを避けるあまり、運動不足になると、ストレスがたまりがちになります。また、先の見えない不安は、自然と体をこわばらせ、姿勢がうつむき加減になる要因です。

 猫背による体の不調は、腰や背中の痛み以外にもあります。背中が丸まって首が前に出ると、胸が広がらなくなるため、肺に入る空気量が少なくなります。体内に十分に酸素が行きにくくなると頭痛や肩凝りにつながったり、体の老廃物を外に出す働きである基礎代謝が落ちたりします。

 逆に、良い姿勢になると、空気をたくさん吸って吐くことができるため、肺活量が上がって、血液の循環が良くなり、基礎代謝も高まります。その結果、さまざまな不調が改善されていくのです。

 猫背を治すために、まず大事なのは、自分の姿勢を見つめること。生活の中で常に意識しておくのは難しいかもしれませんが、気付いたときに、正しい姿勢を意識することが重要です。まずは、正しい姿勢をやってみましょう。
  

基本姿勢を確認しよう

 ① 両手を伸ばして大きく頭の上に上げる
 

 ② すとんと下ろして、真っすぐ立つ

または

 壁に頭、背中、お尻をつけて立てますか?

 これが正しい姿勢!
  
  

背筋をバランスよく鍛える

 猫背になると、元気がないように見られたり、長時間の作業後に体が痛くなったりすることがあります。なぜこのような姿勢になるのか、いくつかの原因が考えられますが、最も多いのは、背中や首を真っすぐに保つ筋肉、中でも背筋が弱くなることです。体は腹筋や背筋などによって支えられているので、筋力がアンバランスな状態になると、猫背の原因になります。

 本来、私たちの関節は、動かせる範囲(関節可動域)が決まっています。しかし、背筋が弱くなって姿勢が悪い場合、この関節可動域まで関節が動かせなくなり、筋肉が固くなっている可能性があります。関節を柔らかくし、背中を真っすぐにするストレッチを取り入れてみてください。実践例を、最後にシーン別に紹介します。
  
  

調理台やパソコンの高さに注意

 姿勢が悪くなる環境を改善することも大切です。キッチンでは、身長の高い人は前かがみになりやすいため、適切な高さに調理器具を置いたり、厚めのまな板を使ったりするようにしましょう。

 デスクワークで使うパソコンは、背筋を伸ばして打てるようにキーボードを、上からのぞき込み過ぎない高さに画面を置きましょう。

 また、特に若い人に注意してほしいのが、スマートフォンを見ている姿勢です。

 時間が長くなりがちな人は、前かがみの姿勢が続き、気付くと体の筋肉がこわばってしまっていることも。のぞき込む姿勢が体に負担を掛けるだけでなく、目の疲れは肩凝りや腰痛にもつながるので、意識して休憩しましょう。

 正しい姿勢で立ったり座ったりするだけでも、真剣にやれば、運動になることを実感できると思います。仕事や家事の合間に、簡単な伸びやストレッチを5分程度すると心身ともにすっきりし、能率も上がっていきます。
  
  

若い時から“貯筋”に励もう

 骨の密度や質が下がる「骨粗しょう症」が、猫背の原因になることも。ストレッチをしても姿勢の悪さが改善しない場合や、ストレッチの姿勢自体ができない場合は、整形外科などで骨の状態をチェックしましょう。

 骨粗しょう症を予防するには、過度なダイエットは禁物。特に女性は、出産や閉経を機に骨密度が一気に下がるので、バランスの良い食事で栄養素をきちんと取り、適度に運動しましょう。

 乳製品、小魚などは、骨細胞の材料となるカルシウムが豊富。中でもしらすには、カルシウムの吸収に役立つビタミンDも含まれています。また、吸収を助けるマグネシウムや、筋肉を作るのに必要なタンパク質を取ることも大切で、アジや豆腐もオススメです。20代をピークに筋力は次第に衰え、背筋は70代で6割に減少する場合も。筋肉の特徴は、なかなか蓄えられないことです。若い時から貯金ならぬ“貯筋”に励むのがよいでしょう。

 一方で、何歳になっても、努力次第で筋力をアップさせることも可能です。諦めることなく、何かの合間に、“ながら”でいいので運動を生活の一部にしてみてください。2カ月たった頃には、姿勢の改善や体調の変化を感じられると思います。
  
  

●三つのシーン別 お勧めストレッチ●
【デスクワーク時】
バンザイ、腰ひねり

 ① 座った状態で背筋を伸ばし、両手を真っすぐ上げる

 ② 椅子の背もたれを引っ張るように持ち、腰をひねる。左右に5~10回ずつ行う
  

【スマートフォンを見た後】
リラックスのポーズ

 ① 頭の後ろで両手を組む

 ② 手の位置はそのまま、頭を後ろに押して5秒数える

 ③ 何度か繰り返す
  

【朝晩の布団で実践 2つのストレッチ】

〇朝行うと……寝起きが良くなる
〇お風呂上がりや寝る前に行うと……睡眠が深くなる

子犬のポーズ

 ① うつぶせになり、肘を突いて上半身を起こす

 ② 1分キープし、またうつぶせになる

 ③ これを10回繰り返す
  

ブリッジ運動

 ① あおむけになり、膝を曲げてお尻を上げる

 ② 3秒キープを10回繰り返す

 ※最初は少しでもお尻が浮けばOK!
 上半身から太ももが真っすぐになるとベスト。
  

〈アドバイス〉

 筋肉を伸ばすには、どのストレッチも一つ一つの動作をゆっくり、時間をかける必要があります。自宅なら、スマートフォンなどで好きな音楽を1曲流しながらやるのもオススメです!
  
  

 あぼ・まさひろ 医学博士。東京慈恵会医科大学附属病院副院長。リハビリテーション科診療部長。1990年、同大学を卒業。スウェーデンのカロリンスカ研究所への留学を経て現在、同大学リハビリテーション医学講座主任教授。脳卒中後遺症が専門。著書に『何歳からでも丸まった背中が2カ月で伸びる!』(すばる舎)など。
  

 取り上げてほしいテーマなど、ご意見・ご要望をお寄せください。
 dokusha@seikyo-np.jp

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