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〈ファインダー 信仰体験〉 開けゆく春「ママあのね」
〈ファインダー 信仰体験〉 開けゆく春「ママあのね」
2024年4月28日
ママとの相撲対決に勝利した後、「こっちゃん」こと寿葉さんは、会心の笑みをカメラに向けてくれた。この笑顔に出会えて「夢のよう」と母・理さんは言った
ママとの相撲対決に勝利した後、「こっちゃん」こと寿葉さんは、会心の笑みをカメラに向けてくれた。この笑顔に出会えて「夢のよう」と母・理さんは言った
【札幌市】雲一つない、青空のような人生が待っていた。
三谷理さん(50)=白ゆり長=は、夫の和寿さん(44)=地区幹事=と結婚する前、子宮筋腫の手術を2回経験していた。それでも子どもが欲しかった。医師の説明は暗かった。年齢もあり、妊娠できる確率は極めて低いと。
【札幌市】雲一つない、青空のような人生が待っていた。
三谷理さん(50)=白ゆり長=は、夫の和寿さん(44)=地区幹事=と結婚する前、子宮筋腫の手術を2回経験していた。それでも子どもが欲しかった。医師の説明は暗かった。年齢もあり、妊娠できる確率は極めて低いと。
自転車に乗るのが大好き。小さい時から補助輪は付けていない
自転車に乗るのが大好き。小さい時から補助輪は付けていない
和寿さんの出勤前。こっちゃんはゲームをしたくてパパを引っ張る
和寿さんの出勤前。こっちゃんはゲームをしたくてパパを引っ張る
座談会では、理さんとこっちゃんがクイズコーナーを。みんな大盛り上がり
座談会では、理さんとこっちゃんがクイズコーナーを。みんな大盛り上がり
顕微授精を試みても、失敗を告げる薄い封書ばかりが届いた。だんだん笑顔が日常から消え、貯金も減っていく。自然に親子連れを目で追ってしまう。「桜もモノクロに見えた」
和寿さんに八つ当たりもした。「もう無理」と何度こぼしたか。題目を唱えると、和寿さんは黙って横に座ってくれた。本部幹部会の中継行事で池田先生の声を聞くと、「絶対に大丈夫だ、という気持ちになれた」。
顕微授精を試みても、失敗を告げる薄い封書ばかりが届いた。だんだん笑顔が日常から消え、貯金も減っていく。自然に親子連れを目で追ってしまう。「桜もモノクロに見えた」
和寿さんに八つ当たりもした。「もう無理」と何度こぼしたか。題目を唱えると、和寿さんは黙って横に座ってくれた。本部幹部会の中継行事で池田先生の声を聞くと、「絶対に大丈夫だ、という気持ちになれた」。
白ゆり長として初めてのブロック座談会であいさつする理さん
白ゆり長として初めてのブロック座談会であいさつする理さん
オンラインで仕事の講習を受ける理さん。こっちゃんは「ママ オンラインがんばって」と手紙を書いた
オンラインで仕事の講習を受ける理さん。こっちゃんは「ママ オンラインがんばって」と手紙を書いた
仕事や通院で理さんの帰りが遅い夜。和寿さんは、ごはんとみそ汁を作っていてくれた。二人で食卓を囲む。“この人は「戦友」なんだ”。そう思って、3年が過ぎた。
家に届いた封書が、いつもより少し厚かった。2017年(平成29年)7月、子宮に受精卵を戻すことができた。
8カ月後、小さい命が胸に乗った。元気な産声に、涙が止まらなかった。
仕事や通院で理さんの帰りが遅い夜。和寿さんは、ごはんとみそ汁を作っていてくれた。二人で食卓を囲む。“この人は「戦友」なんだ”。そう思って、3年が過ぎた。
家に届いた封書が、いつもより少し厚かった。2017年(平成29年)7月、子宮に受精卵を戻すことができた。
8カ月後、小さい命が胸に乗った。元気な産声に、涙が止まらなかった。
この日は真新しいランドセルを背負って登校の練習。うれしくてママと手遊びした
この日は真新しいランドセルを背負って登校の練習。うれしくてママと手遊びした
家の前で伸びるつくし。札幌に春の到来を告げていた
家の前で伸びるつくし。札幌に春の到来を告げていた
座談会の後、仕事終わりに駆けつけたパパに会えて大喜び
座談会の後、仕事終わりに駆けつけたパパに会えて大喜び
札幌創価幼稚園で描いた創立者・池田先生と香峯子夫人の似顔絵
札幌創価幼稚園で描いた創立者・池田先生と香峯子夫人の似顔絵
「こっちゃん」こと一人娘の寿葉さん(6)。昨春、札幌創価幼稚園に年長として入園した。理さんは喜ぶ一方で、不安もあった。和寿さんのこと。ため息をつくようになった。「俺、五月病かな……」。仕事に行けず、3日間、布団から出られないこともあった。「うつ病」の診断だった。
理さんは「今度は私が支える番」だと思った。生きる力を、こっちゃんもくれた。色鉛筆でパパの似顔絵を描き、覚えたてのひらがなで〈パパだいすきだよ またあそぼうね〉。純真な笑い声につられて、和寿さんにも少しずつ笑顔が戻った。
「こっちゃん」こと一人娘の寿葉さん(6)。昨春、札幌創価幼稚園に年長として入園した。理さんは喜ぶ一方で、不安もあった。和寿さんのこと。ため息をつくようになった。「俺、五月病かな……」。仕事に行けず、3日間、布団から出られないこともあった。「うつ病」の診断だった。
理さんは「今度は私が支える番」だと思った。生きる力を、こっちゃんもくれた。色鉛筆でパパの似顔絵を描き、覚えたてのひらがなで〈パパだいすきだよ またあそぼうね〉。純真な笑い声につられて、和寿さんにも少しずつ笑顔が戻った。
入学式に向かうこっちゃんは少し緊張気味。理さん㊧と和寿さん㊨が優しく声をかけていた
入学式に向かうこっちゃんは少し緊張気味。理さん㊧と和寿さん㊨が優しく声をかけていた
入学式の日、パパとママと手をつなぎ、こっちゃんは笑顔
入学式の日、パパとママと手をつなぎ、こっちゃんは笑顔
ママとこっちゃんの相撲対決が始まった
ママとこっちゃんの相撲対決が始まった
大好きなカレーライスを食べる。熱いから氷を入れた
大好きなカレーライスを食べる。熱いから氷を入れた
この春、こっちゃんはピカピカの1年生に。水色のランドセルを背負い、通学路をスキップする。和寿さんも、服薬しながら以前のように勤務ができるまでになった。
優しいこっちゃんは、学校で友達のランドセルに荷物を詰めるのを手伝ってあげる。その話を家族でし、頭をなでられるこっちゃんはうれしそう。
「ママあのね」
何げない日常の小さな喜びを、この子が見つけてくれる。(北海道支社)
この春、こっちゃんはピカピカの1年生に。水色のランドセルを背負い、通学路をスキップする。和寿さんも、服薬しながら以前のように勤務ができるまでになった。
優しいこっちゃんは、学校で友達のランドセルに荷物を詰めるのを手伝ってあげる。その話を家族でし、頭をなでられるこっちゃんはうれしそう。
「ママあのね」
何げない日常の小さな喜びを、この子が見つけてくれる。(北海道支社)