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Z世代が選ぶフォトニュース
Z世代が選ぶフォトニュース
2024年6月10日
Z世代(1990年代中盤以降生まれ)ならではの視点で、ニュースの中から注目した三つを選んでもらいました。
Z世代(1990年代中盤以降生まれ)ならではの視点で、ニュースの中から注目した三つを選んでもらいました。
①宇宙へ飛び出す日本の伝統技術
①宇宙へ飛び出す日本の伝統技術
世界初となる木造人工衛星の宇宙飛行用モデル=5月28日、京都市左京区の京都大学(時事)
世界初となる木造人工衛星の宇宙飛行用モデル=5月28日、京都市左京区の京都大学(時事)
「宇宙木材プロジェクト」に取り組む京都大学と住友林業株式会社は5月28日、「世界初の木造人工衛星が完成した」と発表しました。
従来の人工衛星はアルミや鉄でできています。運用後には大気圏に突入して燃やされますが、微粒の粒子が残り、大気汚染の原因になることが懸念点でした。
今回製作された木造人工衛星(LignoSat)は、約10センチ四方で、重さは約1キロ。ネジや接着剤を一切使わずに、木と木を組み合わせる「留形隠し蟻組接ぎ(とめがたかくしありくみつぎ)」と呼ばれる日本古来の伝統技法を採用しています。
法隆寺をはじめとした、日本の伝統的な木造建築に使われている木組みの技法は、数多く存在します。木の材質をうまく活用することで、高い耐久性を可能にしています。
日本の伝統技術が宇宙産業にまで進出したことに大変驚きました。まさしく、“温故知新”を体現した、新たな開発だと思いました。世界にはさまざまな課題がありますが、現代の私たちの知恵と、先人たちの知恵を組み合わせることで、解決できることも多いということを知りました。(コノハズク)
「宇宙木材プロジェクト」に取り組む京都大学と住友林業株式会社は5月28日、「世界初の木造人工衛星が完成した」と発表しました。
従来の人工衛星はアルミや鉄でできています。運用後には大気圏に突入して燃やされますが、微粒の粒子が残り、大気汚染の原因になることが懸念点でした。
今回製作された木造人工衛星(LignoSat)は、約10センチ四方で、重さは約1キロ。ネジや接着剤を一切使わずに、木と木を組み合わせる「留形隠し蟻組接ぎ(とめがたかくしありくみつぎ)」と呼ばれる日本古来の伝統技法を採用しています。
法隆寺をはじめとした、日本の伝統的な木造建築に使われている木組みの技法は、数多く存在します。木の材質をうまく活用することで、高い耐久性を可能にしています。
日本の伝統技術が宇宙産業にまで進出したことに大変驚きました。まさしく、“温故知新”を体現した、新たな開発だと思いました。世界にはさまざまな課題がありますが、現代の私たちの知恵と、先人たちの知恵を組み合わせることで、解決できることも多いということを知りました。(コノハズク)
②赤ちゃん連れの美術ツアーが好評
②赤ちゃん連れの美術ツアーが好評
赤ちゃんと一緒に美術鑑賞を楽しむ保護者=5月22日、福岡市中央区の福岡市美術館(時事)
赤ちゃんと一緒に美術鑑賞を楽しむ保護者=5月22日、福岡市中央区の福岡市美術館(時事)
1歳半くらいまでの子どもとその保護者を対象にした「初めてのベビーカーツアー」が5月、福岡市美術館で開かれました。
このイベントは、同美術館の学芸員が自身の子育ての経験を通して発案したものです。
ツアーでは、赤ちゃんが最初に認識する色の一つといわれる「赤」をテーマにした作品が紹介されるなど、赤ちゃんでも楽しめる工夫が凝らされていました。
保護者の中には、子どもが泣いたりぐずったりするのを気にして、普段、美術館に行くのをためらう人も多くいます。しかし、ツアーでは、そうしたことを気にせず、ゆっくり作品を鑑賞できるまたとない機会となったようです。
内閣府が2021年3月に公表した「少子化社会に関する国際意識調査」によると、「自国はこどもを生み育てやすい国だと思うか」との質問に対し、「そう思わない」と答えた人が6割に達しています。
今回の美術館の試みは、来場者の利便性向上とともに、「社会全体で親と子を応援していこう」というメッセージの一つとして子育て世代に届いたのではないでしょうか。(銀多祖)
1歳半くらいまでの子どもとその保護者を対象にした「初めてのベビーカーツアー」が5月、福岡市美術館で開かれました。
このイベントは、同美術館の学芸員が自身の子育ての経験を通して発案したものです。
ツアーでは、赤ちゃんが最初に認識する色の一つといわれる「赤」をテーマにした作品が紹介されるなど、赤ちゃんでも楽しめる工夫が凝らされていました。
保護者の中には、子どもが泣いたりぐずったりするのを気にして、普段、美術館に行くのをためらう人も多くいます。しかし、ツアーでは、そうしたことを気にせず、ゆっくり作品を鑑賞できるまたとない機会となったようです。
内閣府が2021年3月に公表した「少子化社会に関する国際意識調査」によると、「自国はこどもを生み育てやすい国だと思うか」との質問に対し、「そう思わない」と答えた人が6割に達しています。
今回の美術館の試みは、来場者の利便性向上とともに、「社会全体で親と子を応援していこう」というメッセージの一つとして子育て世代に届いたのではないでしょうか。(銀多祖)
③モーターショーから見えた「移動」の変化
③モーターショーから見えた「移動」の変化
北京国際モーターショーで展示されている中国家電大手・小米科技(シャオミ)の電気自動車(EV)「SU7」=4月26日、中国・北京(共同)
北京国際モーターショーで展示されている中国家電大手・小米科技(シャオミ)の電気自動車(EV)「SU7」=4月26日、中国・北京(共同)
4月29日から5月3日まで、世界最大規模の「北京国際モーターショー」が一般公開されました。中国産高級車の出品が目立ち、新発表モデルでは電気自動車(EV)などの新エネルギー車が8割近くを占めました。また、人工知能(AI)開発に伴う自動運転技術の向上も注目されています。中国のスマートフォンメーカーである小米科技(シャオミ)が3月末に発売したEV車「SU7」が、1カ月足らずで7万5千台超を販売したことも話題となりました。
ガソリン車では欧米や日本のメーカーが世界を制しましたが、今は、“100年に一度の変革期”といわれています。トヨタ自動車は同モーターショーで、中国IT大手の騰訊控股(テンセント)との提携を明らかに。AIやクラウドなどの分野で協力する予定です。日産自動車も4月、中国IT大手の百度(バイドゥ)との提携を発表しました。
一方で、長く世界の自動車業界をけん引した「東京モーターショー」は、昨年、「Japan Mobility Show」に一新されました。自動車に限らず、幅広い移動手段に最新テクノロジーを組み合わせることを意図しています。
かつては車を所有することが個人のステータスともいわれましたが、スマートモビリティーの誕生やライドシェア(相乗り)サービスの登場も相まって、移動手段の選択が、自然環境への配慮といった“個人の意思表示”の一つとなる時代が到来しつつあります。「移動」のあり方がこれからの10年でどのように変化していくのか、注目していきたいと思います。(ベルばら)
4月29日から5月3日まで、世界最大規模の「北京国際モーターショー」が一般公開されました。中国産高級車の出品が目立ち、新発表モデルでは電気自動車(EV)などの新エネルギー車が8割近くを占めました。また、人工知能(AI)開発に伴う自動運転技術の向上も注目されています。中国のスマートフォンメーカーである小米科技(シャオミ)が3月末に発売したEV車「SU7」が、1カ月足らずで7万5千台超を販売したことも話題となりました。
ガソリン車では欧米や日本のメーカーが世界を制しましたが、今は、“100年に一度の変革期”といわれています。トヨタ自動車は同モーターショーで、中国IT大手の騰訊控股(テンセント)との提携を明らかに。AIやクラウドなどの分野で協力する予定です。日産自動車も4月、中国IT大手の百度(バイドゥ)との提携を発表しました。
一方で、長く世界の自動車業界をけん引した「東京モーターショー」は、昨年、「Japan Mobility Show」に一新されました。自動車に限らず、幅広い移動手段に最新テクノロジーを組み合わせることを意図しています。
かつては車を所有することが個人のステータスともいわれましたが、スマートモビリティーの誕生やライドシェア(相乗り)サービスの登場も相まって、移動手段の選択が、自然環境への配慮といった“個人の意思表示”の一つとなる時代が到来しつつあります。「移動」のあり方がこれからの10年でどのように変化していくのか、注目していきたいと思います。(ベルばら)