• ルビ
  • シェア
  • メール
  • CLOSE

23歳で入会した若手経営者が語る「宗教」の大切さ 2022年12月9日

  • SDGs×SEIKYOインタビュー

 田中耕太郎さん(39)=男子部副本部長=は、宮崎県都城市に本社を構える自然食品会社「タマチャンショップ」の代表取締役を務める若手経営者。同社のネット販売は、楽天市場における「ショップ・オブ・ザ・イヤー」に7年連続で名を連ねるなど、人気を集めています。
 
 そんな田中さんは、23歳で創価学会に入会した。あらためて宗教の存在意義が問われる今、田中さんに入会の経緯や、経営者として感じる思想や宗教の大切さを語ってもらいました。(取材=内山忠昭、石塚哲也)
 

 ――田中さんは、どのような経緯で入会したのでしょうか。
 
 僕は、専門学校を卒業後、上京して妻(聖子さん=地区副女性部長)と出会うまでは、創価学会のことは全く知りませんでした。
 
 僕の実家は仏教系だったんですけれども、その存在を意識するのは冠婚葬祭の時くらい。幼い頃にオウム真理教による事件があったので、宗教というと、どちらかといえば悪い印象で、弱い人がする、いわゆる“おすがり信仰”のイメージしかありませんでした。
 
 学会員の妻から、結婚前に何度も折伏されたんですが、「キリスト教やイスラム教なども勉強して納得したら入会する」と言って断っていました。
 
 そんな僕が入会したきっかけは、妻の流産です。
 
 結婚後、神奈川から宮崎に戻り、シイタケ農家をしていた僕の実家に嫁いでくれた妻は、ただでさえ縁もゆかりもない土地で大変な思いをしていました。流産という、さらなる苦難に遭った妻は、僕に「一緒に信心に励んで乗り越えたい」と伝えてくれました。地域の学会員の方々の温かな励ましが妻の支えになっていたことを知っていた僕は、その思いに応える形で、2006年に入会しました。
 

 ――それから、田中さんは、自ら進んで信心に励んでいったのでしょうか。
 
 いえ、数年間は、活動という活動はしていませんでした。
 
 学会の信心に対する僕の姿勢が変わったのは、09年、3人目の子どもである息子を9カ月の時に不慮の事故で亡くしたことがきっかけでした。
 
 僕は、亡くなった息子が生まれてきた意味、そして、残された自分が生きていく意味について悩みました。
 

 そんな時、妻や義母をはじめ、学会員の方々が、こう励ましてくださったんです。
 
 「死は最後の別れじゃない。息子さんの生命は田中くんの心にずっと生き続ける。信心で幸せになっていくこと。それが息子さんにとって最高の供養になる」
 
 「生命は永遠なんだよ。必ずまた会えるよ」
 
 それまで、学会の話に聞く耳を持てなかったのがうそと思うほど、学会員の方々の確信の言葉一つ一つが心に刺さりました。
 
 言葉だけではありません。皆さんの温かな人柄や明るさにも驚きました。学会の哲学は“おすがり信仰”とは真逆の、むしろ“自分の人生は自身で切り開く”という強い哲学でした。
 
 僕は妻と共に、学会の信心の大切さを教えてくれた息子への恩返しの人生を歩む誓いを立てました。
 

 ――信心に励む中で、学会の哲学は、その後、仕事に生かされていったのでしょうか。
 
 実家に戻ってすぐ、シイタケ栽培を手伝いながら、知人から勧められて食品のネット販売を始めた時です。当時、周りで成功されている方は、月商300万円くらいでした。僕もそれくらい売り上げを伸ばしたいと思っていたのですが、ふたを開けてみたら、1日の注文が1、2件。月商は、わずか8万円でした。
 
 誰しも、普通は悩みから逃げようとします。また、苦しい時ほど、自分の幸せだけを考えてしまうものです。入会前後の僕もまた、理想と現実のギャップに悶々とするばかりでした。
 
 しかし、本格的に学会活動を始め、試練に遭っても、自他共の幸福の生き方を貫く学会員の方々の体験を聞くにつれ、“僕も皆さんのようになりたい”と思うようになりました。
 

 そんな中、ある転機が訪れました。
 
 ある時、僕の会社が販売する食品がテレビ番組に取り上げられ、突然、1日に1500件もの注文が殺到。しかし、それもつかの間、その番組が紹介したレシピが原因で食中毒が発生し、キャンセルが相次いだのです。
 
 僕たち家族は、それから約1カ月間、寝る間も惜しんで、とにかく誠実に電話対応しました。
 
 その結果、「おたくだけは親切に取り合ってくれた」という声をたくさんいただき、それがきっかけで、少しずつ売れ行きが良くなっていったのです。
 

 ――まさに学会の哲学を実践し抜いた結果、信心の実証を示すことができたわけですね。
 
 その後、僕の会社は、シイタケのほか、雑穀やナッツ、スーパーフード、お茶、そしてオリジナルの健康食品やコスメなど、さまざまな商品を扱うようになりました。
 
 現在もなお悩みは絶えませんが、都度、信心の実証を示す時と捉え、試行錯誤を繰り返しています。
 
 ネットが発達した今は、何でもすぐに“パクられてしまう”時代です。そんな状況の中で、約10年前からは、他との差別化を図るために、“ニッポンのおかあちゃんになりたい”という会社のコンセプトを掲げました。
 
 そもそも「タマチャンショップ」の「タマチャン」とは、僕の実母の愛称なのですが、改めて、自社のコンセプトを、平和の象徴であるお母さんが家庭を明るく包むように、笑顔になれる「しあわせ食」を提供し、みんなを幸せにしていきたいと明確に表現しました。
 

 さらに、5年前くらいからは、お客さんと直接触れ合う機会として、都城市をはじめ、福岡、鹿児島、大阪に実店舗を構えるようになりました。
 
 その結果、「タマチャンショップがなければ、今の人生はない」という方まで現れ、毎年のように、楽天市場の「ショップ・オブ・ザ・イヤー」に選んでいただけるようになりました。
 
 何よりうれしいのは、僕や妻、地域の学会員の方々の姿を通し、両親をはじめ、姉夫婦、祖母が入会してくれたことです。
 
 今、僕は、会社を“日本のお母ちゃん”から“世界のお母ちゃん”にするというビジョンも掲げています。ウクライナをはじめ、世界では、大小さまざまな争いが起き、女性や子どもたちが犠牲になっています。世界平和実現のため、学会の哲学を192カ国・地域に広げた池田先生の弟子として、僕は、会社を“世界のお母ちゃん”にすることを通し、少しでも争いのない世界をつくっていきたいと思います。
 

 ――目覚ましい活躍をされていますね。宗教、中でも学会の哲学の価値は何でしょうか。
 
 国連でSDGsが掲げられたことに象徴されるように、もはや自分さえ良ければいいという考えは、時代遅れではないでしょうか。また、物質的に豊かになった今だからこそ、精神的に豊かかどうかが問われているともいえます。
 
 ゆえに、個人や組織が、どんな思想や宗教をもっているかが大切になってきていると思うし、その中で、“自分の人生は自身で切り開く”“悩みや苦しみは幸福や成長の糧”との学会の哲学は、ひときわ輝いていると思います。
 
 特に経営者は、会社が大きくなればなるほど、自分はもとより、多くの人の悩みや苦しみと向き合い、励ましていかないといけない。
 
 妻の折伏で入会した僕は、もっと若い時から、学会の哲学を知っていれば、人生が変わったと思います。学会2世、3世の人がうらやましいとさえ思っています。
 
 今後も、乗り越えられない壁はないとの信心への確信を強みに、前進していきます。
 
 
 
 お読みいただきありがとうございます。ぜひ、感想やご意見をお寄せください。
sdgs@seikyo-np.jp

動画

創価大学駅伝部特設ページ

創価大学駅伝部特設ページ

SDGs✕SEIKYO

SDGs✕SEIKYO

連載まとめ

連載まとめ

Seikyo Gift

Seikyo Gift

聖教ブックストア

聖教ブックストア

デジタル特集

DIGITAL FEATURE ARTICLES デジタル特集

YOUTH

劇画

劇画
  • HUMAN REVOLUTION 人間革命検索
  • CLIP クリップ
  • VOICE SERVICE 音声
  • HOW TO USE 聖教電子版の使い方
PAGE TOP