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〈Seikyo Gift〉スマイル自分らしく ステージ3Cの乳がん〈信仰体験〉 2021年2月7日

  • お題目は最高の“抗がん剤”

 水谷友香さん(36)=岐阜県海津市、白ゆり長=が体に異変を感じたのは、産後1カ月の頃。朝、目を覚ましたら手と足の関節が動かしづらくなっていた。
  
 診断は「関節リウマチ」。服薬のため、息子の要太君(4)に母乳をあげるのを止めた。しかし、2カ月たっても「左胸だけ張ったまま」。胸の奥に「硬いしこりのようなもの」があった。
  
 友達に相談すると、「母乳が残ってるんじゃない?」「乳腺炎かもね」と。
 “そんなもんなんや”と気に留めなかったが、看護師の夫・和夫さん(32)=圏男子部書記長=と両親から「念のため」と背中を押され、病院で検査を受けることにした。

抱っこひもの息子 止まらない涙

 産婦人科の看護師さんが私の胸を見てくれた。表情が曇っていく。「外科で診てもらいましょう」
 “え……”。嫌な予感がした。このしこりって、まさか……。
  
 お医者さんが「母乳が残ってるかもしれないから、マンモグラフィーは難しい」って。超音波と、細胞も取って検査してもらった。
  
 “私、がんじゃないよね……”
 後日、要太を抱いて病院へ。待合室で座ってると、不安で胸が苦しくなってくる。診察室に呼ばれた。
  
 お医者さんはパソコンの画面を見ながら、淡々と言った。
 「悪性ですね。ここから先の検査は、大きい病院で診てもらってください」
  
 ……頭が真っ白になった。診察室を出ると、急に涙があふれてきた。
 抱っこひもの中で、要太がスヤスヤ眠ってる。“この子を残して、私は死んでしまうの……”。要太の顔に、涙がこぼれ落ちた。

腫瘍は7センチ 希望が削られる

 がんと言われてから、ふと「死」を考えるようになった。
 要太の未来に、私はいるのかな……。ずっと、この子のそばにいたい。要太が笑うたび、いとおしくてたまらない。
  
 “要太の母親は、私しかいません。まだ生きていたいです。どうか助けてください”。御本尊様に祈ると、涙があふれてくる。
  
 生後5カ月で、要太を保育園に預けることになった。
 “一緒にいてあげられなくて、ごめんね”。会えない時間の分だけ、何度も何度もハグして、小さな手をぎゅっと握った。
  
 

 診察の日は怖くて、母が付き添ってくれた。
 「おっぱいがなくなってもいいから、悪いものを全部取ってほしいです」
 お医者さんは首を横に振った。「リンパに転移しているので、ステージ3以上は確定です。現時点で手術はできません」
  
 隣で聞いてた母が「娘を助けてください!」って手を震わせてた。母は30歳の時、胃がんになって、頑張って克服したのに。またつらい思いをさせてしまって……。
  
 診察のたび、希望がどんどん削られていく。治療の方針も決まらず、一日一日、不安だけがふくらんでいく。
 何度も検査して、遠隔転移がないことが分かった。腫瘍の大きさは7センチ。「ステージ3C」。点滴の抗がん剤治療が始まった。
  
 

  
 怖かった。
 でも、私に「がんと闘う勇気」をくれた人たちがいた。
  
 婦人部の先輩が「願兼於業」の信心を教えてくれた。
 「友香ちゃんは周りの人を元気づけるために、自ら願って病気になったんだよ。だから必ず乗り越えられる」って。
  
 またある人は御書の一節を教えてくれた。
 「一たびは歎き二たびは悦びぬ」(1009ページ)。大丈夫って、私の手を握り締めてくれた。
  

信心の証明者に 命の底から湧く力

 「これ、友香ちゃんにピッタリなご指導だから」って、聖教新聞の切り抜きや、池田先生の本のコピーもたくさん頂いた。
  
 「病に苦しんでいるならば、“この病を克服し、仏法の正しさを必ず証明します。広宣流布に、自在に動き回るために、どうか大生命力をください”との誓願の心が、克服の大きな力となる」
  
 先生の言葉に出合って、祈り方が変わった。
 “助けてください”と祈っているだけじゃ、力が出ない。
 “がんに勝って、信心の力を証明します”。そう祈ると、命の底から“負けてたまるか!”って、立ち向かう勇気が湧き上がってくる。
  
 

 私は生きる。生きて生きて生き抜いて、みんなの希望になるんだ。
 強く祈った。“この抗がん剤が、私のがんに最高に効きますように。全細胞を一新させてみせる!”
  
 治療は苦しくて、副作用もたくさんあった。婦人部の方が口内炎でも食べやすい料理を教えてくれた。
 「題目は最高の抗がん剤だよ」って、お題目を送ってくれた。女子部時代の仲間も、会館に集まって<完治>を祈り続けてくれた。
  
 髪の毛が抜けて、落ち武者みたいになった私の頭を、夫がクリクリにそってくれた。「まん丸坊主になっても、キューピーちゃんみたいでかわいいね」って。
 仕事で疲れてるのに、むくんでしまう私の体を、優しくもみほぐしてくれた。
  
 母はいつも、力強い言葉を掛けてくれる。「私も信心で乗り越えた。だから友香も絶対大丈夫!」って。
 父も、私を不安にさせないようにって、優しい笑顔を向けてくれた。
  
 この頃の私はもう、診察室に入るのにビクビクしなくなっていた。何を言われても“どんと来い”って、命が揺れなくなった。

「すごいこと」と 医師が驚いた

 ある日、ふと気になって、左胸を触ってみた。“あれ! しこりが小さくなってるやん!”
 7カ月の治療を終えて、手術ができるまでに、腫瘍は小さくなった。
  
 2017年(平成29年)2月、左乳房を全摘手術。皆さんの祈りに包まれて、大成功だった。
 手術後の細胞診の結果を、お医者さんが説明してくれた。
 「病理学的完全奏功です。切除した検体に腫瘍残存はありません。リンパ節は九つ取りましたが、原発にもリンパ節にも、がんは見つかりませんでした」
  
 言葉が難しくて、私がポカンとしてると、お医者さんが「水谷さん、これはすごいことなんですよ!」って。私のカルテに大きな字で「いいこと」って書いてくれた。
  

 

 ――あれから4年。
 私は今、再発を防ぐためのホルモン治療を受けながら、フルタイムで仕事に復帰している。土日は実家のみかん畑に出て、後継ぎとして奮闘してる。
  
 最近、私には「幸せなひととき」がある。それは、寝る前に、要太と一緒にお題目を三唱すること。
 終わった後、「きょうも一日、ありがとう」って抱き締める。
 がんの宣告を受けた時、こんな日が来るなんて思わなかった。だから毎日が、感謝でいっぱい。喜びでいっぱい。
  
 そんな私を見ていた友達が「大変な思いをしたのに、どうして笑顔でいられるの?」って、昨年、学会に入会して、信心を始めてくれた。
  
 「願兼於業」――私はこれからも闘い抜いたこの体で、信心の力を、生きる喜びを伝えていく。
 要太、強いお母さんの背中、見ていてね。
 (2020年12月16日付)

保育園の発表会で、要太㊥の成長を見るのが楽しみ。最初は保育士さんに抱っこされていた要太が、自分で歩けるようになって。お友達と歌ったり、タンバリンをたたいたり。今年はネズミのお面をつけて、劇にも出られたね。夫㊨と一緒に、この子を広布の人材に育てていきたい
保育園の発表会で、要太㊥の成長を見るのが楽しみ。最初は保育士さんに抱っこされていた要太が、自分で歩けるようになって。お友達と歌ったり、タンバリンをたたいたり。今年はネズミのお面をつけて、劇にも出られたね。夫㊨と一緒に、この子を広布の人材に育てていきたい

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