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〈舞台〉 錦秋喜劇特別公演 2023年9月14日

  • 10月3日(火)から京都・南座
会見に臨んだ扇雀、藤山、鴈治郎、田村(左から)
会見に臨んだ扇雀、藤山、鴈治郎、田村(左から)

 
 京都の秋を彩る「錦秋喜劇特別公演」が、京都・南座で10月3日(火)から29日(日)まで上演される。今回は、上方喜劇(京都・大阪を中心とする地域で演じられる喜劇)の顔ぶれに加え、歌舞伎界の名だたる役者が舞台に立つ。過日、出演する藤山直美、成駒家一門で兄弟の中村鴈治郎と中村扇雀、俳優の田村亮が記者会見に出席し、同公演の見どころなどを語った。

◆歌舞伎の皆さんとの共演が楽しみ

 藤山は上方喜劇のルーツに触れ、「上方喜劇は上方歌舞伎の流れから生まれたお芝居です。鴈治郎さん、扇雀さん、そして田村さんが出演され、何の違和感もないことがその証明になると思っています」と、歌舞伎界との“コラボ”に心を躍らせる。
 
 共演する4人は、もともと上方にゆかりのある家系に育つ。藤山の父は、“昭和の喜劇王”と呼ばれた故・藤山寛美さん。鴈治郎と扇雀の両親は、坂田藤十郎、扇千景夫妻(ともに故人)。田村は、歌舞伎役者である故・阪東妻三郎さんを父に持つ。
 
 藤山も「縁のないところに結び目はできない」と親たちが皆、つながりがあったことを語り、「天国にいる人たちが一座を組んだら、さぞ大騒ぎ。天国で芝居をしたら“大入り満員”でしょう」と相好を崩した。

藤山
藤山

 
 今公演は、松竹喜劇の往年の名作である「祇園小唄」と「大阪ぎらい物語」の2本立て。
 
 「祇園小唄」では、京都・祇園のお茶屋を舞台に、薬問屋本家の跡取り息子と分家の若旦那が、恋愛を成就するために東奔西走する。出演は鴈治郎、扇雀。
 
 鴈治郎は「扇雀と、歌舞伎以外でお芝居をするのは初めて。ドキドキしています」と述べ、「『祇園小唄』で私がやる役は、かつて寛美さんが演じていました。二枚目、色男なんです。これがなかなかできないんですよ(笑)」と語った。
 
 扇雀も「喜劇というのは、人を笑わせるお芝居だと思われがちですが、人が真面目に、一生懸命生きている姿を真剣に演じることによって、歯車が合わなかったり、滑稽な部分があったり。それが喜劇となり、人情話になっていく」と熱意たっぷり。
 
 「大阪ぎらい物語」は、寛美さんの十八番演目。大阪・船場の木綿問屋で、人情味あふれるストーリーが繰り広げられる。子守歌を歌う親子のラストシーンでは涙を誘われる。昨年、大阪、東京でも好評を博し、今回、京都・南座での上演となった。
 
 藤山は主人公である木綿問屋の娘・千代子を演じ、その兄・新太郎役を鴈治郎、叔父の忠平役を田村が務める。
 
 見どころの一つは、扇雀が“女形”として演じる千代子の異母姉・おとみ。
 
 扇雀は「この役はとても控えめな性格の女性です。私が1人だけ女形で出演して、視線が集まるのは嫌なので、できるだけ自然体で演じたい」と笑みを浮かべた。
 
 すかさず藤山から「控えめにと言われていますが、そんなことを言うてる暇はありません(笑)」と“つっこみ”が入り、続けて「“うわー! 扇雀が出てきた!”――もうこれだけでお客さまは大喜び。これが、このお芝居の価値なんです」と。
 
 藤山との共演は27年ぶりとなる鴈治郎は、「この作品では、寛美さんがされていた役を直美さんが女性役に変えて違和感なく演じている。その雰囲気を壊すことなく、いい芝居にしていきたい」と意気込む。
 
 田村は「ラストシーンは、つい泣いてしまいます。皆さん、ぜひハンカチを持って見に来てください」とアピール。
 
 藤山は「喜劇の作品の中には、歌舞伎にも取り上げていただきたい作品がいっぱいあります。これからも歌舞伎の皆さんとの共演を続けていきたい」と語り、「皆さまに喜んでいただける公演にできるよう、一生懸命、務めさせていただきます」と締めくくった。

◆プロフィル

 ふじやま・なおみ 大阪府生まれ。俳優。父は故・藤山寛美さん。その後を継ぎ、喜劇の主役のほか、映画やドラマでも活躍。代表作である映画「顔」(2000年)で数々の映画賞を受ける。NHK連続テレビ小説「芋たこなんきん」(06年)で主演を務めた。

◆公演情報

【日程・会場】10月3日(火)~29日(日) 京都・南座 ※10日(火)、16日(月)、23日(月)は休演。日により公演回数は異なる。
【料金】1等席1万3000円、2等席8000円、3等席4000円、特別席1万4000円(税込み)
【問い合わせ】チケットホン松竹 0570(000)489または06(6530)0333
 
公演ホームページはこちら
 

【記事】平山美也子 【写真】種村伸広

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認定NPO法人フローレンス会長。2004年にNPO法人フローレンスを設立し、社会課題解決のため、病児保育、保育園、障害児保育、こども宅食、赤ちゃん縁組など数々の福祉・支援事業を運営。厚生労働省「イクメンプロジェクト」推進委員会座長

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