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〈SDGs×SEIKYO〉 解説編「子どもの栄養不足をなくすために」 2024年3月22日

  • ちーちゃんと考える 未来のカタチ

 「SDGs×SEIKYO」の解説編「ちーちゃんと考える 未来のカタチ」。今回のテーマは、SDGs(持続可能な開発目標)の目標2「飢餓をゼロに」。子どもの栄養失調の問題や、生産性の高い農業の確立などの課題について考えます。

「全ての人に食料を届けないと……」 作・迎朝子
「全ての人に食料を届けないと……」 作・迎朝子

 ごちそうさまでしたー!

 ちーちゃん、最近は、ご飯を残さず食べているね!

 日本では余ったご飯がたくさん捨てられているって聞いたから、苦手な野菜も頑張って食べているよ!

 大事なことだね。世界では今なお、8億もの人々が飢餓で苦しんでいる。なかでも、子どもたちの栄養不足は大きな問題なんだ。

 栄養不足の子は、どれくらいいるの?

 5歳未満の子どものうち1億5000万人、割合では5人に1人が慢性的な栄養不良なんだ。この状態が続くと体の発育に悪影響が出て、大人になっても苦しむことになる。

 えー!! なんで、そんなに栄養不足の子どもたちがいるの?

 主に紛争や自然災害が原因だよ。そのせいで、食料が手に入らない人たちが多い。また、農業の生産性が低く、作物が十分にとれない場合もある。農業が非効率だと収入も低く、食料も買えない。だから貧困から抜け出せなくなってしまうんだ。

 以前に学校で、2050年代には世界の人口が100億になるって聞いたよ。農業の生産性を高めることは大事な課題なんだね。

 そう。SDGsの目標2「飢餓をゼロに」には、2030年までに、農家・牧畜家・漁師などの生産性を高めて、収入を2倍にするという目標もあるよ。

 大きな目標だね!

 だから日本も頑張っている。例えば、農業技術の低さが飢餓の要因になっているアフリカのザンビア。この国では日本が、干ばつに備えて水路をつくるサポートをしてきた。こうした設備があれば、いつでも田畑に水を引くことができるんだ。

 すごい!

 生態系を守りながら、自然災害にも負けない、生産性の高い農業を確立することは、世界中の人々の生活を守るために欠かせない。その上で、作物を保存・加工する施設や、流通網の整備も不可欠だよ。

 リュウツウモウ?

 うん。作物を人々のもとに行き渡らせるための、トラックや船などの運送手段や、道路や橋などのインフラのこと。
 インドでは、富士山よりも高い標高の山に作物の冷蔵施設を設置した例もある。これによって、山村で作られた果物が腐ることなく、各地まで流通するようになったんだ。
 一方で、輸送費によって食べ物の価格が上がらないような流通網の仕組みをつくることも大切だよ。

 考えることがいっぱい……。飢餓がない日本は恵まれているね。

 いや、日本でも、食べ物に困っている人たちはいる。特にひとり親の家庭では、3分の1以上が食料に困った経験がある、という調査もある。また、日本では多くの食料を海外から輸入しているし、世界の食料問題は決して人ごとじゃないんだ。

 私たちに、できることはあるの?

 国連世界食糧計画(WFP)では「レッドカップキャンペーン」を推進している。赤いカップのマークが付いた商品を買うと、売り上げの一部が世界の子どもたちの給食費になるんだ。これは一例だけど、普段の生活でできることは、たくさんあるはずだよ。

※ご感想をお寄せください
sdgs@seikyo-np.jp
  
※聖教電子版の「SDGs」特集ページが閲覧できます。
https://www.seikyoonline.com/summarize/sdgs_seikyo.html

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高知県出身。IT企業勤務を経て独立。エンタメから古典文学まで評論や解説を幅広く手がける。新刊『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』(集英社新書)発売中。

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