RELATIONSHIP

“世代間ギャップ”感じてますか? vol.2

【電子版連載】社会学者・富永京子さんとイドバタ会議

 池田華陽会・ヤング白ゆり世代の読者と共につくりあげる連載「社会学者・とみながさんとイドバタ会議」。今回のテーマは「世代間ギャップ」です。本連載のアンケートを通じて、「世代間ギャップ」に関する声を寄せてくださった20代・30代の女性読者の中から3人に協力してもらい、社会学者で立命館大学准教授の富永京子さんとイドバタ会議を行いました。

 1回目では、それぞれの世代がギャップをどう受け止めていくかを中心に話し合いました。では、若い世代が感じるギャップを上の世代に伝えるにはどうしたら良いのでしょうか? 今回も率直なイドバタ会議を行いました。

<vol.1はこちらから読めます>

世代をつなぐのは「役割」のバトン!?

C:富永さんの新著『なぜ社会は変わるのか――はじめての社会運動論』を読みました。イタリアの研究者アルベルト・メルッチが援用した「集合的アイデンティティー」という概念が紹介されていました。それは、“人は一人で過ごしていたら、自分たちが社会の中でどんな存在で、どんな不満を抱いているのかが分からなくなる。ゆえに、同じような利害や関心を持った人でコミュニケーションを取ることで、自分たちという存在を意味づけ、定義していくことにつながる”との指摘です。まさに、同世代で語り合うことは、集合的アイデンティティーをつくるきっかけになるといえるでしょうか。

富永:それは絶対あります。例えば、労働組合でも青年部がありますし、フェミニズム運動でも30歳までで構成される団体もあります。その理由は、やっぱり世代によって、社会で直面している問題が異なるからなんですよね。例えば、体の問題、恋愛や結婚のこと、将来のキャリア、今後の生き方についてなど、そうした問題を精緻化させようとする時に、ヤング白ゆり世代、池田華陽会世代のつながりがあることは非常に重要です。その場をうまく使って、若手の意見を集合化させていく必要があると感じます。

B:例で挙げられた内容は、女性特有のものでもあるような気がします。世代間ギャップは、女性の方が感じやすい傾向にあるのでしょうか?

富永:権利が獲得されていく過程にあるマイノリティーの方が、世代間ギャップは強いかもしれませんね。例えば、育児・介護休業法が制定され、育児休業を取得しやすい雇用環境の整備が進められる前の世代と後の世代とでは、当然、利害に大きいギャップがあり、生きてきた社会の捉え方が全く異なります。

 以前、私が40、50代向けのファッション誌で仕事をしていた時、上の世代の読者の方に「富永さんは家庭もあるし、仕事も辞めずに済んだのね」と言われたことは記憶に残っています。つまり、世代によっては、どちらかを選ばなければいけなかったんですよね。あるいは、どちらも選ぶには非常に重い荷物を背負わなければいけなかった。そういう意味で、制度が拡充される中で、利益を享受できた人や何かを諦めざるをえなかった人、あるいは、わきまえてしまった人や今も戦っている人など、その人の状況によって、ギャップが生まれるのではないかと思います。でも、そのファッション誌の読者の方だって、ギャップはありつつも、絶対に私たちの邪魔はしないし、味方になってくれていたんですよね。

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