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〈文化〉 湧き出る思いを歌にのせて デビュー20周年のリサイタル(11月)

ソプラノ歌手・小林沙羅さん

ソプラノ歌手の小林沙羅さんが、デビュー20周年記念のリサイタルを11月、東京・サントリーホールで開く。シューマンらクラシックの名曲を披露するほか、アコーディオニストのcobaさんに作曲を委嘱した新曲「あなたへ」、日本舞踊の世界をオペラで表現する新作モノオペラ「鷺娘」を世界初演する。

クラシックからJ-POPまで

今回のリサイタルは、持ち味である歌の表現力や演技力、バレエと日本舞踊で培ったダンスと、小林さんの魅力がたっぷり詰め込まれている演奏会だ。

 海外の歌からはシューマン、シューベルト、ドビュッシー、フォーレらクラシックの名曲を。日本からは詩人・北原白秋と作曲家・山田耕筰による「からたちの花」「鐘が鳴ります」、平成・令和のJ―POPを代表する米津玄師さんの「地球儀」を披露する。

 「シューマンの『献呈』は、大好きな曲。妻・クララとの結婚の時に書いた、愛情のこもった曲です」

感謝を込めて選曲

 「リヒャルト・シュトラウスの『献呈』には『わが感謝を受け取ってくれ』という歌詞が3回出てくるのですが、どちらの『献呈』の曲にも“あなたは私を高めてくれた”という深い思いが込められています」

 自分は一人ではない。周りの人とのつながりがあるからこそ自分がいる――。歌詞の中にあるこの気持ちも伝えたい、と。

 「今だからこそ、『多くの方に支えられて自分がある』という実感をもって歌えると思います。身近な人への感謝など、一つ一つの曲に私なりの思いを込めて選曲しました。

 米津さんの『地球儀』はクラシックの歌手も歌いやすい曲です。秋にリリースするアルバムに収める曲でもあるのですが、昔の自分を振り返り、どこか遠くへ行ってしまった人を思い、未来に向かって走りだす、という歌詞にメッセージ性を感じて、ぜひ歌わせていただきたいと思いました」

 アコーディオニスト・作曲家のcobaさん作曲の「あなたへ」は、小林さん自身が作詞した。現代音楽の演奏グループ「アンサンブル・ノマド」の演奏会で聴いた、クラシカルかつ現代音楽の要素もあるcobaさんの新作に感銘を受けたという。

 「『何か作品を作っていただけないでしょうか』と突撃して(笑)、できたのが『あなたへ』です。小さな歌曲をイメージして1番と2番で完結する歌詞を作り、作曲をお願いしたのですが、1番と2番に続けて、ものすごく盛り上がるサビ、そして3番、という曲を作ってくださいました。

 曲を頂いた時は『3番の歌詞、どうするの?』と思いましたが(笑)、曲に導かれるように歌詞ができ、広がりのある曲になりました。本当は言いたかったけれど言わずに心にとどめておいたことを、cobaさんが開いてくださったようにも感じます。ぜひ聴いていただきたい、いい曲ができたと思います」

 モノオペラ「鷺娘」は、人間国宝・坂東玉三郎さんの舞台でも知られる歌舞伎の名作舞踊に基づく作品。小林さんは小学生の頃に、玉三郎さんが主宰する演劇塾「東京コンセルヴァトリー」で日本舞踊や演技の基礎を学んだという。この「鷺娘」も、小林さんが長唄の歌詞を現代語にして台本を書いた。 

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