【東京都品川区】ハツラツたる年輪をまとった女性たちが、健康体操をしていた。元気の先頭に立つのは、102歳の野﨑峰喜さん=副白ゆり長。両腕はピシッ。両足はサッ。背筋はピンッ。かけ声もいい。「いち、にい、さん、しっ」。えー、お尋ねします。年齢ちょっと盛ってますよね?
驚嘆をさらうブリッジ
70代に見えるってよく言われます。言われますけど102歳。年齢? 別に関係ないじゃん。元気ですもんね、体操してると。もうずーっとやってるからね、休まずに。
まあ元気でいられる一番は、両親に健康な体で産んでもらったからです。あとは好き嫌いなく腹八分目。それと運動。体は柔らかいですからね。あのイスでひっくり返ってみましょうか。
(聞き間違いではなかった。野﨑さんはあっさりと背中を反らせ、ブリッジした。記者「だ、大丈夫ですか」。周りの人は驚嘆し、なぜか自分の腰をさすり出す。野﨑さんは体をゆっくり戻した)
自慢できるのは、これぐらいのことで、新聞に出るようなことやってないから、申し訳ないなあ。ただ元気で体操してる「だけ」のことですから。
強さの土台は読書だった
昭和55年(1980年)に高知県から上京したんです。前の年に主人が亡くなって、子どもたちが東京に来てたので。
ここの団地には昭和63年に入りました。もう最高。南向きなんですよ。お日さまがいっぱい当たるんで、すごく気持ちがいいんです。
引っ越しでずいぶん本を整理しましたね。400冊くらいかな。
小さい頃から、本というか活字が大好きで、学校行くのに友達が来るまで、新聞読んで待つような子だったの。
肩が凝らないチャンバラものが好きですねえ。
吉川英治さんの『宮本武蔵』。山岡荘八さんの『徳川家康』。池波正太郎さんの『剣客商売』。外国の本も、右から左へ忘れちゃうけどね、読みましたよ。
アレクサンドル・デュマの『モンテ・クリスト伯』。パール・バックの『大地』。モンゴメリの『赤毛のアン』もいい。
子どもたちにも財布の底をはたいて、少年少女世界文学全集を買ってあげたけど、親の心子知らずでした。
そうそう、信心のきっかけも本だったなあ。