台湾・台北市の中国文化大学「池田大作研究センター」が主催する第17回「池田大作平和思想研究国際フォーラム」が2月26日に行われた。ここでは、フォーラムで発表された同大学の林彩梅元学長、聖約翰(セント・ジョンズ)科技大学の唐彦博学長の基調講演と、分科会で発表された研究者の論文(代表の要旨)を紹介する。
台湾・台北市の中国文化大学「池田大作研究センター」が主催する第17回「池田大作平和思想研究国際フォーラム」が2月26日に行われた。ここでは、フォーラムで発表された同大学の林彩梅元学長、聖約翰(セント・ジョンズ)科技大学の唐彦博学長の基調講演と、分科会で発表された研究者の論文(代表の要旨)を紹介する。
中国文化大学
林彩梅元学長
「報恩」の心を受け継いでいく
中国文化大学
林彩梅元学長
「報恩」の心を受け継いでいく
池田先生と中国文化大学の張鏡湖元理事長の長年にわたる友情の軌跡は、創価大学と中国文化大学が共に歩んできた歴史そのものでありました。
両氏の初めての出会いは1994年11月にさかのぼります。私も同席したこの会見の中で池田先生は「これからは“きょうだい”の大学として、より積極的に交流を進めましょう」と提案されました。
これが両校の絆の原点となり、翌年の95年7月に学術交流協定が結ばれました。2003年には、教育者としての偉大な功績と平和活動を高く評価し、中国文化大学から池田先生に「名誉哲学博士号」を授与。さらに同年、先生の平和思想を永久に研究し広めるために「池田大作研究センター」を設立しました。
池田先生は交流を通して、多くのことを私たちに教えてくださいました。その一つが「報恩」です。
先生が語る報恩の精神の真髄とは、自分一人だけの幸福に満足することではありません。自分の幸福をより多くの人に分け与え、他者の心に幸福を届けることです。
中国文化大学が池田先生に名誉学術称号を贈り、池田大作研究センターを設立したことは「世界平和」「人類の幸福」という先生の願いを実現するためです。
張元理事長の“池田思想を世界に広げていきたい”という報恩の心を受け継ぎ、池田思想をさらに深く研究し、世界に広げ、次の世代にその「心」を伝えていく使命を果たしていきます。
池田先生と中国文化大学の張鏡湖元理事長の長年にわたる友情の軌跡は、創価大学と中国文化大学が共に歩んできた歴史そのものでありました。
両氏の初めての出会いは1994年11月にさかのぼります。私も同席したこの会見の中で池田先生は「これからは“きょうだい”の大学として、より積極的に交流を進めましょう」と提案されました。
これが両校の絆の原点となり、翌年の95年7月に学術交流協定が結ばれました。2003年には、教育者としての偉大な功績と平和活動を高く評価し、中国文化大学から池田先生に「名誉哲学博士号」を授与。さらに同年、先生の平和思想を永久に研究し広めるために「池田大作研究センター」を設立しました。
池田先生は交流を通して、多くのことを私たちに教えてくださいました。その一つが「報恩」です。
先生が語る報恩の精神の真髄とは、自分一人だけの幸福に満足することではありません。自分の幸福をより多くの人に分け与え、他者の心に幸福を届けることです。
中国文化大学が池田先生に名誉学術称号を贈り、池田大作研究センターを設立したことは「世界平和」「人類の幸福」という先生の願いを実現するためです。
張元理事長の“池田思想を世界に広げていきたい”という報恩の心を受け継ぎ、池田思想をさらに深く研究し、世界に広げ、次の世代にその「心」を伝えていく使命を果たしていきます。
聖約翰科技大学
唐彦博学長
先生に学びリーダーの変革を
聖約翰科技大学
唐彦博学長
先生に学びリーダーの変革を
21世紀に入り、今日まで、各地の紛争や気候変動、多国間主義の機能不全などの課題が解決できないまま山積しています。これらを解決するためには、リーダーの思考のパラダイムシフト(基本軸の転換)が必要です。
長年にわたり池田思想を研究し、学び深める中で、池田先生の平和思想に基づく現代のリーダーに必要な実践行動として、3点が挙げられると考えます。
1点目に「生命尊厳を行動規範とすること」です。国家の存在目的は権力追求ではなく、個々の生命の尊厳を守ることにあり、政治倫理の核を「国家利益」から「普遍的人権と生命価値」へ転換する必要があるからです。
次に「暴力的な対抗ではなく『対話と交流』を用いること」です。対話こそが平和への王道であり、リーダーは国家や宗教などの差異を超えて、謙虚に聞き、平等に接する「文明間の対話」を主導すべきであるからです。
そして3点目は「人間革命による幸福と平和の成就」です。紛争や気候変動問題の根幹には「人間性の喪失」があります。リーダー自身が利己主義を克服する「人間革命」の実践が一国の宿命、ひいては人類の宿命を変える“鍵”となるからです。
このような池田先生の平和思想を根本精神に据えた「倫理責任を重視するリーダーシップ」こそが、現代の複合的な危機を突破し、未来を切り開くリーダーの資質となることは間違いありません。
21世紀に入り、今日まで、各地の紛争や気候変動、多国間主義の機能不全などの課題が解決できないまま山積しています。これらを解決するためには、リーダーの思考のパラダイムシフト(基本軸の転換)が必要です。
長年にわたり池田思想を研究し、学び深める中で、池田先生の平和思想に基づく現代のリーダーに必要な実践行動として、3点が挙げられると考えます。
1点目に「生命尊厳を行動規範とすること」です。国家の存在目的は権力追求ではなく、個々の生命の尊厳を守ることにあり、政治倫理の核を「国家利益」から「普遍的人権と生命価値」へ転換する必要があるからです。
次に「暴力的な対抗ではなく『対話と交流』を用いること」です。対話こそが平和への王道であり、リーダーは国家や宗教などの差異を超えて、謙虚に聞き、平等に接する「文明間の対話」を主導すべきであるからです。
そして3点目は「人間革命による幸福と平和の成就」です。紛争や気候変動問題の根幹には「人間性の喪失」があります。リーダー自身が利己主義を克服する「人間革命」の実践が一国の宿命、ひいては人類の宿命を変える“鍵”となるからです。
このような池田先生の平和思想を根本精神に据えた「倫理責任を重視するリーダーシップ」こそが、現代の複合的な危機を突破し、未来を切り開くリーダーの資質となることは間違いありません。
分科会で発表された論文(代表の要旨)
分科会で発表された論文(代表の要旨)
中国文化大学
戴惟天助理教授
中国文化大学
戴惟天助理教授
AI(人工知能)のビジネス活用が急速に広がっている現代において、ビジネス向けAIが利益の最大化のみを追求しようとするあまり、社会倫理が欠如した意思決定が行われることが問題視されています。
そこで、牧口常三郎先生が著作『創価教育学体系』の中で示された「美(個人の充足)」「利(経済的価値)」「善(社会貢献)」の価値観を、AIの意思決定の基準に導入することで、人間の尊厳を肯定しながら持続可能な価値を提供できるようになると考えます。
また、池田博士の哲学の中でも、個人の成長が社会に変化をもたらすという「人間革命」の思想は、AIの急速な進化により、技術が人間を代替してしまうという不安を打破し、「人間と機械の協働」という平和と繁栄の未来を創出できると確信します。
AI(人工知能)のビジネス活用が急速に広がっている現代において、ビジネス向けAIが利益の最大化のみを追求しようとするあまり、社会倫理が欠如した意思決定が行われることが問題視されています。
そこで、牧口常三郎先生が著作『創価教育学体系』の中で示された「美(個人の充足)」「利(経済的価値)」「善(社会貢献)」の価値観を、AIの意思決定の基準に導入することで、人間の尊厳を肯定しながら持続可能な価値を提供できるようになると考えます。
また、池田博士の哲学の中でも、個人の成長が社会に変化をもたらすという「人間革命」の思想は、AIの急速な進化により、技術が人間を代替してしまうという不安を打破し、「人間と機械の協働」という平和と繁栄の未来を創出できると確信します。
創価大学
朝野嵩史非常勤講師
創価大学
朝野嵩史非常勤講師
第2次世界大戦の終結後、日本は沖縄を巡るいくつもの問題を抱えていました。池田博士は、1960年の初訪問以来、何度も沖縄を訪れ、解決に向けて数多くの具体的な行動を起こしてきました。
その中でも、かつて県内に配備されていたアメリカの核ミサイル発射台の跡地の一つを“人類の愚かさの証し”として保存し、沖縄研修道場という平和の拠点へとつくり替えた行動は、過去の人類の過ちを未来への知恵に変える具体的な手法であったと言えるでしょう。
戦争の爪痕すらも、単なる被害の記録として終わらせるのではなく、「世界平和を築くための重要な使命」へと転換しようとする池田博士の実践。その一つ一つには、対立や分断が続く世界にとって、平和を構築するための大きなヒントがあるように思えてなりません。
第2次世界大戦の終結後、日本は沖縄を巡るいくつもの問題を抱えていました。池田博士は、1960年の初訪問以来、何度も沖縄を訪れ、解決に向けて数多くの具体的な行動を起こしてきました。
その中でも、かつて県内に配備されていたアメリカの核ミサイル発射台の跡地の一つを“人類の愚かさの証し”として保存し、沖縄研修道場という平和の拠点へとつくり替えた行動は、過去の人類の過ちを未来への知恵に変える具体的な手法であったと言えるでしょう。
戦争の爪痕すらも、単なる被害の記録として終わらせるのではなく、「世界平和を築くための重要な使命」へと転換しようとする池田博士の実践。その一つ一つには、対立や分断が続く世界にとって、平和を構築するための大きなヒントがあるように思えてなりません。
空中大学
卞金鋒助理教授
空中大学
卞金鋒助理教授
現在の気候変動対策では、定量化しやすい指標が優先され、定量化できない重要な基準が見過ごされる傾向にあります。見せかけばかりで、本質的な対策が伴わない状況だと言えるでしょう。
地球環境(依報)と、そこに生きる人々(正報)は一見、無関係に見えても相互に影響し合うという、仏法の「依正不二」の考え方は、現代の気候変動対策やESG(環境・社会・企業統治)が急速に制度化される昨今において、必要不可欠な考え方です。
依正不二の視座に立てば、自然を管理対象やコストとする「道具的な見方」を排し、環境破壊を「自己の破壊であり、他者の破壊である」と捉え直すことができます。
気候変動対策を見せかけの事務的なプロセスから、世代を超えて継続できる「文明の選択としての公共の実践」へと変容できるのです。
現在の気候変動対策では、定量化しやすい指標が優先され、定量化できない重要な基準が見過ごされる傾向にあります。見せかけばかりで、本質的な対策が伴わない状況だと言えるでしょう。
地球環境(依報)と、そこに生きる人々(正報)は一見、無関係に見えても相互に影響し合うという、仏法の「依正不二」の考え方は、現代の気候変動対策やESG(環境・社会・企業統治)が急速に制度化される昨今において、必要不可欠な考え方です。
依正不二の視座に立てば、自然を管理対象やコストとする「道具的な見方」を排し、環境破壊を「自己の破壊であり、他者の破壊である」と捉え直すことができます。
気候変動対策を見せかけの事務的なプロセスから、世代を超えて継続できる「文明の選択としての公共の実践」へと変容できるのです。