創価教育

母の愛情こそ子どもの幸福を築く土台――女性部セミナーでの作家・佐藤優さんとの質疑応答から 2026年8月10日

 「現代社会における教育と受験――小中学校受験の意味」と題し、作家の佐藤優さんが講師として登壇した女性部のコスモスセミナー(先月18日、東京・新宿区の金舞会館〈創価文化センター内〉、本紙8月7日付2面に講演要旨)。ここでは、来場者から子どもの受験や子育てに関する悩みが、佐藤さんに寄せられました。質疑応答の内容を紹介します。

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◆受験と友人関係の両立

 〈“子どもらしさ”を尊重する上で、受験準備や習い事と、お友だちとの遊びとの両立を、どう考えていけばよいでしょうか〉
 
 スポーツや習い事、受験だけを見てバランスを取ろうとすると、“ママ友”間での流行に流されてしまいがちです。
 
 大事なのは、『希望対話』などを通して池田先生の価値観を学び、その上でどうバランスを取るかを考えていくことではないでしょうか。その過程で、自分の子どもに合った両立の形が見つかると思います。
 
 世間には「習い事や塾で子どもが忙しすぎるのはよくない」という意見もあります。
 
 しかし、今の子どもたちの現実を見ると、自由な時間ができれば、TikTok(ティックトック)やYouTubeを見て過ごしてしまう。
 
 お子さんの適性を踏まえて、ご家庭で検討されることをおすすめします。

◆子の潜在能力(ポテンシャル)の見極め方

 〈受験に挑戦できるだけのポテンシャルが子どもにあるのか、どうやって見極めればよいのでしょうか〉
 
 子どもの可能性を試してあげたいと思うなら、まず受験に挑戦してみればよいのではないでしょうか。適性があるかどうかは、やってみないと分かりませんから。
 
 中学受験の段階では、まだ本格的な思春期に入っていない子も少なくない。そのため、ポテンシャルの判断は、お母さんの見立てが大きな手がかりになると思います。
 
 その際に大事なのは、「見えや願望を子どもに投影しているだけではないか」と、自らに問うことです。
 
 子どもは大抵、お母さんのことが大好きです。お母さんの希望を忖度して、それを自分の希望だと思い込む傾向があるように感じます。受験に進むべきかどうかは、親子で向き合う中で、決めたらよいのではないでしょうか。

◆創価教育で人間力を培う

 〈創価教育のような心温かな人々が多くいる環境で育つと、大人になってから競争社会の中で苦労するのではないかと心配です〉
 
 温かな環境にいたからといって、必ずしもメンタルが弱くなるわけではありません。優しい人たちと交わった経験があるからこそ、人がつらい時に、優しくしてあげられるのです。
 
 世間には偏差値重視の弊害で、人に序列をつけ、人を見下す人がいます。その一方で、創価大学や創価学園には、偏差値とは違う価値基準で動いている学生・生徒が多くいます。創価教育を通して、総合的な人間力が身に付くと思います。
 
 “うちの子は優しすぎて、社会で生きていけるだろうか”と心配する。
 
 こうしたお母さんの愛情こそが、何よりも大切だと思います。お母さんがそういう気持ちで向き合っていれば、子どもは必ず幸せになれますよ。

◆きょうだいの進路の考え方

 〈3人の子どもがいて、上の子は小学校から創価学園に通っています。下の子たちも学園にと思っているのですが、性格もバラバラで上の子と同じように育てるべきか迷っています〉
 
 まったく同じ進路を歩ませることが、必ずしも平等とは限りません。小・中学生から私立学校に通わせるには、それなりのお金がかかります。将来、子どもが私立大学への進学を希望したときに、経済的に回るのかを考える必要もある。
 
 また養育費をかけすぎると、親自身の老後の備えが乏しくなり、かえって子どもの支援に頼らざるを得なくなる場合もあります。
 
 本年度から所得制限なしの高校授業料無償化が始まり、特に東京は環境が整っています。
 
 高校から創価学園に入れることを、選択肢の一つとするなど、どこかで創価教育に触れさせてあげることを考えてはいかがでしょうか。

◆「何のため」の受験なのか

 〈子どもの頃、受験に挑戦した私には、勉強がつらかったという記憶が残っています。娘には「何のために受験をするのか」を伝えていきたいです〉
 
 受験で成功するには、三つの要素――合理的な計画、集中力、学習時間――が必要です。今は、合理的な計画については、塾などの受験産業がかなりの精度で整えてくれます。あとは、中学入試であれば、お母さんが付き添い、毎日、相応の時間を取って子どもと伴走できるかどうかです。
 
 中学以降になると、勉強に対する自覚を持てるようになります。そのときに「なぜ勉強することが大事なのか」を、小説を通して親子で考えるとよいと思います。
 
 おすすめは、池田先生の小説『ヒロシマへの旅』や『新・人間革命』です。先生の本を一緒に読むことは、子どもの信心継承にもつながります。

◆母親自身が自信を持つこと

 〈私はひとり親で、発達障がいのある息子を育てています。息子は学校が嫌いで、勉強に興味がありません〉
 
 状況にもよりますが、学校は無理をして行かせなくてよいと思います。世界を見渡せば、さまざまな価値観があり、学校に行かなければ幸せになれないわけではないのですから。
 
 発達障がいについては、医学的に適切な対応を探ることが大切です。小児精神科医等の専門家から助言を受けられるよう、行政の支援を活用することも検討してみてください。
 
 大変な中で、お母さんが子どものことを真剣に考えている――そこに、もう幸せの土台があると思います。周りの子が受験をしているからといって、「うちの子は遅れている」などと考える必要は全くありません。お母さん自身が「自分は十分に子どものために動いている」と自信を持つことが何よりも大事だと思います。