企画・連載
〈SDGs×SEIKYO〉 解説編「目標の進捗状況」(最終回) 2024年12月17日
「SDGs×SEIKYO」の解説編「ちーちゃんと考える 未来のカタチ」。この企画では、本紙で好評連載中の4こま漫画「ちーちゃん家」(堀田あきお&かよ作)のキャラクターたちと共に、SDGsの17目標と、世界が直面するさまざまな問題を学んできました。今回は、いよいよ最終回! 2030年の達成に向けたSDGsの進捗状況をはじめ、日本が抱える課題などについて考えます。
SDGsの目標は今、どれくらい達成されているの?
17目標の169のターゲットのうち、現時点で達成への軌道に乗っているのは、わずか17%だという。そして半数近くは最低限か、少しだけ進捗。3分の1以上は、停滞または後退しているんじゃ。各国で取り組むべき課題が多くある。
えー、そうなの!?
世界のSDGsの取り組みは、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的流行)の影響によって、大きく停滞してしまった。地球温暖化による異常気象も頻発し、大きな被害が出ておる。
毎日、ニュースで話題になっているものもあるね。
特に目標16「平和と公正をすべての人に」は、全目標の中でも喫緊の課題の一つ。ウクライナ危機などの影響で、2022年から2023年の間に、武力紛争による民間人の死傷者が72%も増加したという。
そうなんだ……。達成に近づいている分野はあるの?
科学技術面の発展は目覚ましいものがある。例えば、わずか8年の間に、インターネットへのアクセスが約70%も増えた。再生可能エネルギーの活用も、どんどん進んでおる。
へー!
世界的な研究組織「国連持続可能な開発ソリューションネットワーク(SDSN)」では、毎年、各国のSDGsの達成状況をランク付けしておる。今年の発表によると1位はフィンランド。じゃが、それでさえ達成済みの目標は二つしかない。
ちなみに日本は何位なの?
日本は18位。各目標の中で、最低ランクの「深刻な課題がある」とされたのは、目標5「ジェンダー平等を実現しよう」、目標12「つくる責任 つかう責任」、目標13「気候変動に具体的な対策を」、目標14「海の豊かさを守ろう」、目標15「陸の豊かさも守ろう」じゃ。
目標12の消費活動については、プラスチックごみの輸出量が多いことが指摘されておる。目標13の気候変動に関して言えば、2023年は、観測史上最も暑かった1年じゃった。日本はまだまだ、化石燃料の燃焼による二酸化炭素の排出量が多い。こうしたことが、地球温暖化の大きな原因となっておる。
SDGsの達成を目指す2030年までに、どうしたらいいのかな?
本年9月、国連で「未来サミット」が開かれ、「未来のための協定」が採択された。協定には、「持続可能な開発と開発資金」「国際の平和と安全」「科学・技術・イノベーションとデジタル協力」「若者および将来世代」「グローバル・ガバナンスの変革」の五つの分野にわたって、56の具体的な行動目標が掲げられておる。
協定全体として、SDGsの推進を加速させることを確認しておる。明るい「未来のカタチ」へ、国際社会が一丸となって努力していくことを、改めて約束し合ったのじゃ。
そうなんだ!
うむ。日常生活を少し変えれば、社会に大きな変革をもたらすことができる。わしらも、これまで学んできたことを生かして、身近なことから挑戦していこう!
うん。私も頑張る!
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sdgs@seikyo-np.jp
※聖教電子版の「SDGs」特集ページが閲覧できます。
https://www.seikyoonline.com/summarize/sdgs_seikyo.html