企画・連載

〈SDGs×SEIKYO〉 解説編「生涯、学び続けられる社会へ」 2024年4月16日

 「SDGs×SEIKYO」の解説編「ちーちゃんと考える 未来のカタチ」。今回のテーマは、SDGs(持続可能な開発目標)の目標4「質の高い教育をみんなに」。生涯学習や、高等教育を巡る課題などについて考えます。

 母さん、何の本を読んでいるの?

 世界の教育についての本だよ。
 SDGsの「質の高い教育をみんなに」の「みんな」は、子どもたちだけじゃなくて、大人も含まれる。誰もが学び続けられる社会にしていくことが目標なんだって。

 勉強って、学校を卒業したら終わりじゃないの!?

 違うよ! 今は「生涯学習」の時代。だから父さんも、何か勉強してみたら?

 え!? でも時間が……。

 今は通信教育や、オンラインのコースを提供する学校もたくさんある。人生100年時代の今、新しい知識やスキルを習得していかないと、社会の変化についていけないよ。

 そうかー。言い訳をしている場合じゃないね。あ、でもお金が……。

 確かに、経済的な負担は大きな課題だよね。SDGsの目標でも、“全ての人が無理なく払える費用で、技術や職業に関する教育や、大学などの高等教育を受けられるようにする”とある。

 日本でも、高等教育の無償化などが進んでいるようだけど。

 そうだね。でも日本では、経済的理由から大学に行けない人も、まだまだ多いみたい。日本の大学進学率は、どれくらいか知っている?
 日本では今、大学に進む人は高校卒業生全体の半分ほど。他の先進国と比べると、大学進学率は決して高い方じゃないの。ちなみに、オーストラリアの進学率は90%以上、デンマークは70%以上だよ。

 そんなに違うんだ!

 さまざまな理由があるにせよ、経済格差が教育格差につながるような状況は、変える必要があるね。

 うん。あと経済以外にも、地方と都市部の格差も存在するよ。
 例えば、地方と比べて都市部には、私立の学校や塾がたくさんある。つまり教育機関の選択肢に差ができてしまう。これも教育格差だよ。

 オンライン授業などの整備を進めて、誰もが、どこでも、さまざまな学びの機会にアクセスできる社会にしないといけないね。

 大人の人たちは、どんな勉強をするの?

 世界全体で見ると、一番の基本になるのは「読み書き」かな。
 世界では15歳以上の約7億人が、読み書きが十分にできないんだ。SDGsにも“2030年までに、若者と大人が読み書きと計算能力を身につけられるようにする”とある。

 へー、知らなかった!

 そしてSDGsの目標には、大人も含め、全ての人が「持続可能なライフスタイル」を学ぶ、とも記されている。自分のスキルアップだけでなく、同じ地球に暮らす一員として、どういう生き方が必要か――そんなことも学ばないといけない。

 そうか! 父さんもSDGsの講演会に参加したりして、努力してみるよ。みんなで地球の未来を守らないとね!

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