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どんな若者がいてほしい? 探究型読書で考える「未来の若者」

1月号のテーマは「未来を考える」。ここでは、読書を通してテーマを深める探究型読書(クエスト・リーディング)を編集部で行い、「未来の若者」について考えました。

【記者が選んだ本はこれ!】

◆『二十一世紀への対話』 池田大作、A・トインビー 著 (聖教新聞社)

池田先生と、歴史学者アーノルド・J・トインビー博士との対談集。1972年5月と翌年5月に行われた合計10日間にわたる対談の内容が収録されている。

 二人の語らいは、人間という存在、教育の在り方、戦争と平和、指導者の条件、組織論、世界統合化への道、宇宙観、生命の永遠性、宗教の使命などに及び、その内容は多岐にわたる。人類の課題を解決していく方途の探求する対話が織り成される。

◆『私はこう思う 選集』 池田大作 著 (聖教新聞社)

池田大作先生が1965年から69年にかけて、全国紙や経済紙、女性誌等の要請で寄稿したエッセーなどがまとめられている。

 第三代会長就任後の30代後半から40代前半にかけて、激務の合間を縫って執筆されたもの。宇宙・自然から、平和・政治、家庭、青春に至るまで、多彩なテーマで論じられている。20世紀中盤の激動の時代に記された言葉は、色あせることなく、現代を生きる私たちの未来を照らす。

◆『華氏451度』 レイ・ブラッドベリ 著/伊藤典夫 訳 (早川書房)

1953年に、米国の作家レイ・ブラッドベリが発表したSF小説。

 物語は、本が忌むべき禁制品として、読むことも、所有することも禁じられた世界が舞台。人々は、情報機器に囲まれ、ここでの暮らしこそ至高の生き方だと信じている。主人公も、隠匿された書物を燃やす「昇火士」という仕事に誇りを持っている。だが、ある少女との出会いを起点に、彼の人生は劇的に変わっていく。

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未来に生きる人ってどんな人?

『私はこう思う 選集』を手に取った記者は、「“60年前”に執筆された書籍に、当初は“時間的な距離”を感じていたのですが、読んでみると今の自分に向けられているかのように響きました」と語る。「最近、両親との世代間ギャップに戸惑うことが多かったんです」と話していた記者は、時を経ても色あせない池田先生の「視座」に心が動かされたという。

 編集部の読書会では、『私はこう思う 選集』にある「未来に生きる人」という先生の言葉が、「若者の未来」を想像する上で、語らいのキーワードになるのではないかという話があがった。

 先生は、「青年は、過去に生きる人でもない。現在に生きるだけの人でもない。まさに、未来に生きる人である」と述べている。読書会の中では、「未来に生きる人」とは、“視点が未来にある人”ではないかと想定。どんな状況にあっても、希望に満ちた未来を思い描ける人こそ、「青年」ではないかと考えた。

 次に、これから訪れる未来を決定づける要素は何かを話し合った。語らいの中で浮かび上がったのは、こうしたい、こうなりたい、といった欲や夢。読書会では、このような欲や夢を“want”と呼ぶことにした。そして、“want”の中にも、快楽を求めるものと、社会や他者のために貢献したいというものがあり、その違いに注目した。

 SNSが発達した現代では、自己主張することが容易になった。その点に注目すると、“want”を言語化しやすい時代になっていると考えられる。一方で、自己主張が行き過ぎてしまうとエゴイスティックになり、社会との調和がとれない側面もあるのではないかとの指摘もあった。

 『21世紀への対話』を読んだ記者は、トインビー博士と池田先生が、“貪欲や慢心に支配されず、自己超克できるかが重要であり、自己超克を掲げている宗教に、人類は帰属心を持っていく時代になるだろう”と語り合っていたことを紹介。「学会はどのように社会を、高次の“want社会”へとリードし、寄与していけるでしょうか」と、問いを投げかけた。

 そもそも誰かのため、社会のためといった高次の“want”を生み出すために重要なこととは何か。私たちは、他者との関わりが大切だと考えた。

 読書が禁じられた世界が舞台の『華氏451度』を読んだ記者は、「登場人物の一人が、“読書によって多様な価値観に触れてしまえば、何が正解か分からなくなってしまう”と指摘する場面があって……」と言及。もし、考えることを手放せば自分の軸を失い、何を欲し、望んでいるのかが分からなくなってしまうことの危険性を語り、「学会の訪問・激励や会合でのディスカッションでは、お互いのことや何かの話題について対話が繰り広げられますよね。そういった機会で、さまざまな人の意見に触れ、それぞれの主張を考える土壌を持っていることって貴重なんじゃないかなと感じます」と語った。その意見に続いて別の記者からは、「学会員自体が“本”みたいな役割を果たしているようにもみえますね。問いを生み出したり、考えるきっかけを与えたりして」との反応もあった。

 対話したその瞬間は摩擦が生じているように見えることもあるが、それがさらなる問いを生み、考える機会を創出する。孤立や分断が危ぶまれる未来で、他者との関わりを重要視する学会の運動や学会員の姿勢は、時代の希望になるのではないかとの意見が交わされた。

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