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「今の自分を否定しなくていい」――人生のレールから外れたと感じた人へ 中卒社長・小澤辰矢さんが語る、行動力の正体

電子版連載「著者に聞いてみよう」

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「自分らしさが分からない」「好きなことを見つけろと言われるほど苦しくなる」。そんな思いに心当たりがある人に、読んでほしい書籍があります。

 今回の「著者に聞いてみよう」では、コンクリートポンプ事業を手がける、経営者・小澤辰矢さんが登場。中学校卒業後、ホストや解体業、日雇い労働など、さまざまな仕事を経験し、大人になってからADHD(注意欠陥多動性障害)と診断されました。現在は年商14億円の会社を率いるかたわら、初の著書『テッペン、獲ろうか。』(KADOKAWA)を出版しました。「自分らしさが分からなくても、人は前に進める」。その言葉の背景を、これまでの歩みを通して聞きました。

「普通」になれなかった

 ――学校、仕事、同世代の歩み。そうした“想定された人生のレール”から外れたと感じた瞬間、人はどうなるか。「どう進むか」を考える前に、自分の価値そのものを疑問視してしまう人も多い気がします。

 なるほど。その感覚は、けっこう自然なことなのかな。俺は最初から、いわゆる普通のレールに乗っていなかったので、「外れた」という感覚がなかったんです。

 ――著書にもありますが、幼少期は壮絶でした。

 生まれて半年で生みの親と離れて、祖父母に育てられました。その後、母親の元に戻ったら、再婚相手から虐待を受けました。

 ――かなり厳しい状況です。

 きつかったですね。でも、「自分がダメだからこうなった」とは考えていなかった。「そういう環境に置かれていただけだ」と思っていました。

 ――高校は1年で中退しています。

 はい。でも、不安はあまりなかったです。先に、働いてお金を稼ぐ楽しさを知ってしまったから。東京に出て、ホスト、解体業、鉄筋加工、人材派遣と、いろいろやりました。

 ――多くの読者は、「そんなふうに動けるのは特別だからでは」と感じるかも。

 確かに、俺の経験は特殊かもしれません。でも、伝えたいのはそこじゃない。動けるかどうかより先に、「今の自分を否定しなくていい」と思えるかどうかが大事だと思っています。

 俺は大人になってから、ADHD(注意欠陥多動性障害)と診断されました。確かに自分はじっと座っていられない。本も長く読めない。YouTubeは30分も見られない。

 ――診断を受けた時の気持ちは?

 最初は戸惑いました。でも、欠点として見るか、特性として見るかで、その後の考え方は全然変わります。順序よく進めるのは苦手だけど、スピード感はある。それが俺のやり方だと分かっただけです。

 大事なのは、自分を平均に合わせることじゃない。今の自分を否定せずに、合う場所を探すことだと思っています。

失敗が怖くて動けない時、何が起きているのか

――「行動や挑戦が大事」だと頭では分かっていても、失敗が怖くて動けない人もいます。

 立ち止まってしまう理由は、二つあると思っています。一つは、考えたつもりで、実は考え切れていない。もう一つは、今の生活に、どこか満足しているパターンです。

 ――小澤さんは19歳で、コンクリート打設の仕事に就いて、24歳で独立していますね。

 職安(公共職業安定所)で一番給料が良かったのが、その仕事でした。仕事にも慣れてきたある日、同僚から「自分でやればいいじゃん」と言われました。それで、お金を工面してポンプ車を買いそろえて独立しようと決めたんです。

 ――独立は怖くなかったですか。

 もちろん考えました。失敗したら、まず何が起きるのか。その後、どうやって立て直せるか。そこまで整理すると、不思議と怖さは薄れていきました。本当に怖いのは、失敗そのものじゃない。起きた後を描けていないことが、怖さの正体なんだと思います。

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SEIKYO SHIMBUN