企画・連載

〈SDGs×SEIKYO〉 解説編「異常気象が増えたのはなぜ?」 2022年2月17日

 「SDGs×SEIKYO」の解説編「ちーちゃんと考える 未来のカタチ」第2回では、SDGs(持続可能な開発目標)の目標13「気候変動に具体的な対策を」について取り上げます。

人間の活動がもたらした危機
自然災害や海面上昇の被害が深刻化

 母さんが、最近、異常気象が多いって言ってたけど、どうして?

 地球が以前より暖かくなっているからじゃよ。この150年で1度くらい平均気温が上がったといわれとる。これを「地球温暖化」というんだ。

 そっかー。でも、なんで気温が上がっちゃったの?

 二酸化炭素が増えたからじゃよ。

 二酸化炭素? それでどうして地球が暖かくなるの?

 温室効果ガスだからなんだ。このガスには、太陽の光が地球に当たって、その熱が全て宇宙に逃げないよう閉じ込める働きがある。いわば、地球が寒くなりすぎないように着た服みたいなものだな。温室効果ガスがないと、地球の気温はマイナス19度くらいにしかならないと推測されとる。

 へー! じゃあ二酸化炭素も必要なんだね。

 適度な量だといいんだが、多すぎると、服を着すぎて体が熱くなるように、地球が必要以上に暖かくなってしまうのじゃ。

 なるほど! でもどうして二酸化炭素が増えたの?

 18世紀以降、人間が石炭や石油をたくさん燃やすようになったからじゃよ。最近の国連の報告書でも、人間の影響が地球を温暖化させてきたことは「疑う余地がない」と発表されたばかりなんだ。

 地球温暖化が進むと、どんな悪いことが起こるの?

 北極圏のグリーンランドや南極の氷床が解けてしまう。そこに住む動物たちの居場所がなくなるだけでなく、大量の氷が解けだして世界中の海面が上昇するんじゃ。

 海面が上昇すると、どうなるの?

 海に沈んでしまう島しょ国も出てくる。まさに死活問題なんだ。島しょ国じゃなくても、沿岸部に住んでいる大勢の人が居場所を追われて、「気候難民」になるともいわれておるんじゃよ。

 えー! 今住んでいる場所にいられなくなるのは、すごくつらいことだよね。

 問題は海面上昇だけじゃない。強大な台風、森林火災、干ばつ、洪水といった異常気象による自然災害が増えて、人々は住む場所を追われてしまう。農作物が育たなくなり、食料不足にもなる。水不足も深刻な問題じゃ。
 これらが原因で、紛争や戦争が起こる可能性が高くなるとも指摘されておる。気候変動は、まさに人類最大の危機といっても過言ではない。

 私たちの生活も気候変動で変わっちゃうの?

 そうじゃな。日本だと夏の猛暑日が増えたり、豪雨災害が頻発して多くの人が被害を受けたりしておる。
 異常気象だけじゃなく、わしたちの食生活にも影響が出始めておる。例えば、海水温の上昇で、以前は捕れていた魚が捕れにくくなったり、ホタテやカキの養殖が以前より難しくなったりした地域もある。
 次回、私たちに何ができるか考えていこう!

  
ご感想をお寄せください sdgs@seikyo-np.jp