ユース特集

電子版連載〈フードは風土――柳生九兵衛と巡る〉第11回 兵庫・神戸市 古民家コトノハ 2025年6月27日

200年以上の歴史を誇る
隠れ家のような古民家で
絶品御膳のランチを楽しむ

 フード(food)とは、もちろん食べ物のことですが、全国各地には地域の風土に根ざしたさまざまな名物“フード”が数多く存在しています。グルメコメンテーター・名物グルメ探究家の柳生九兵衛さんとともに全国各地を訪れ、それらにスポットを当てる連載「フードは風土――柳生九兵衛と巡る」。その第11回は兵庫県神戸市須磨区の「古民家コトノハ」の名物、「コトノハ御膳」など、絶品ランチの数々を紹介します。

 全国各地の名物グルメを柳生九兵衛が食べ歩くこの連載。第11回は、兵庫県神戸市須磨区にある隠れ家的な「古民家コトノハ」で味わえる名物御膳ランチの数々をご紹介します。神戸市の西部に位置する須磨区は、源氏物語の舞台の一つで、光源氏が過ごした地として描かれています。また、そのモデルとされる在原行平も須磨に滞在したことなどから、須磨は「源氏物語ゆかりの地」として知られています。
 昨年リニューアルオープンした、イルカやシャチのショーでおなじみの「神戸須磨シーワールド」も須磨の人気スポットです。
 神戸のシンボル・六甲山の最西端にあるのが「須磨アルプス」です。ハイキングコースとしても有名で、「馬の背」という岩稜(岩の尾根)があることから、アルプスと呼ばれています。ここからは、神戸の海と街の絶景を楽しむことができます。

 ハイカーたちの出発地点にもなっている、神戸市営地下鉄妙法寺駅から徒歩約8分、地域の名所である「妙法寺村の弘法井戸」を越えると、「古民家コトノハ」が見えてきます。以前、NPOで子育て支援やお母さん支援などをしていた女将の小田さくらさんと店主で夫の哲也さんが、荒れていた竹林を整備し、築200年以上の古民家をリノベーション。2022年6月に店をオープンしました。店名には「心の中にある思いや気持ちを大切な種にして、言葉(コトノハ)で伝えることで、人とつながり、葉っぱが広がるように世界をひろげてほしい」という思いが込められているそうです。

 一番人気のメニューは、店主で夫の哲也さんが芦屋で営む姉妹店「芦屋たのしや」で提供している塩おでん。鶏ガラスープに、鹿児島県枕崎産のかつお節、北海道黒口浜産の天然真昆布、長崎県産いりこのだしを合わせ、味付けは塩のみで仕上げるご主人オリジナルの絶品おでんを堪能できます。
 名物の塩おでん、海鮮、和牛の陶板焼きをメインにした御膳など、全ての御膳は、ガラス皿にきれいに盛られた前菜の盛り合わせ付き。ごはん、塩ひじき、季節のデザート、季節の薬膳茶も付いています。
 要予約の「店主おまかせコース」(5500円)は、塩おでんや陶板焼きなどの定番メニューに加えて、さらに明石昼網のお刺し身や特製の逸品料理なども楽しめます。お昼はもちろん、4人以上なら通常営業時間外でも対応してくれるので、兵庫にお出かけの際のプチぜいたくにもぴったり。わざわざ遠くから足を運ぶ魅力があるお店です。ご予約の上、ぜひ、みなさんでお出かけください。

取材協力:古民家コトノハ(兵庫県神戸市須磨区妙法寺谷野141―1)
TEL:078―741―2235
営業時間:11:30~15:00(14:00L.O.)※4名以上での事前予約で時間外営業にも対応可(月曜定休)

 やぎゅうきゅうべえ 人気番組「TVチャンピオン(テレビ東京系)」で2連覇し、第4代、第5代B級グルメ王に。日本全国を食べ歩き、各地の名物グルメをはじめ、さまざまな食を探究。そこで得た知識や情報をご紹介してみなさまに役立てていただき、喜んでいただくことを「我が使命の道」とする“安くてうまいものをこよなく愛する”プロの食いしん坊。名物グルメ探究家・グルメコメンテーター・名物おでん探究家などとして活動。

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