聖教ニュース

東洋哲学研究所が創立構想65周年 識者から祝賀の声 2026年2月4日

 文明間・宗教間対話と、仏教を基調とする人間主義、平和主義の研究を進める東洋哲学研究所。創立構想65周年の節目に際し、海外の識者から寄せられた祝賀の声(要旨)を紹介する。

●韓国・済州大学 趙誠倫名誉教授
東哲がアジアの平和の灯台に

 東洋哲学研究所は創価学会の思想的基盤をなす法華経研究だけでなく、世界平和の思想の発展に大きく貢献してこられました。
 
 創立者・池田大作先生は、牧口常三郎初代会長、戸田城聖第2代会長の志を継ぎ、反核・平和を時代の中心課題として提示されました。現代社会が直面する最も重大な課題が「反戦と平和」であることを誰よりも先に洞察され、東哲がその思想を学問的に深化させる役割を果たすことを願われました。
 
 私が済州大学・平和研究所の所長を務めていた時、沖縄戦の惨状を体験した住民たちが描いた「沖縄戦の絵」展を済州島で開催しました。この展示は、学会員の献身的な努力によって収集された貴重な記録です。
 
 日本の沖縄研修道場を訪問した時のことも忘れられません。そこは冷戦期に米軍が核ミサイルを配備していた場所でしたが、冷戦終結後は、平和教育の場として生まれ変わりました。「沖縄戦の絵」展は大きな反響を呼び、済州島でも戦争を経験した人たちが自らの体験を絵で表現する運動が起こりました。これは、沖縄で始まった平和の流れが、韓国でも受け継がれた意義深い事例でした。
 
 2016年から、韓国各地で開催された「法華経――平和と共生のメッセージ」展は、市民が仏教思想と平和哲学に触れる機会を提供してくれました。そして、韓日両国の学術・文化的な連帯を強固にする契機となったのです。
 
 東哲が歩んでこられた65年の足跡は、平和・人権・人類愛という普遍的な価値を学問的研究と実践的活動へと結びつけてきた貴重な歴史です。
 
 今後も東アジアと世界の平和のため、知的・道徳的な灯台となってくださることを期待しています。

●マレーシア・マラヤ大学文明間対話センター ハディジャ・ビンティ・モハマド・ハンバリ所長
人間主義広げる比類なき機関

 東洋哲学研究所は、池田博士の創立構想から、本年で65年を迎えます。
 
 この記念日に際し、マラヤ大学文明間対話センターは深甚なる敬意と心からの祝意を表します。65周年という輝かしい節目は、英知の涵養、学術の発展、そして異文化理解の推進において、研究所が長年にわたり積み重ねてきた功績を改めて証するものです。
 
 1961年、池田博士の先見的な指導のもとに構想された東哲は、東洋哲学の伝統、およびその倫理的・人間主義的な意義を緻密に研究し、比類ない知的機関として、今日まで歩みを重ねてこられました。
 
 東哲の貢献が特に顕著なのは、仏教哲学の伝統との継続的な関わりに加え、法華経に内包された普遍的なメッセージを守り、研究し、普及してきたことです。これらの取り組みは、イスラム文明に古くから受け継がれてきた原理と深く共鳴しています。一昨年、マレーシアのジョホールバルで開催された「法華経――平和と共生のメッセージ」展の学術フォーラムで発表させていただき、貴重な異文化間対話の機会となりました。
 
 人々の間の分断が拡大し、不確実性が加速している現代において、哲学的探究と人間的価値を重視する東哲の姿勢は、世界的な意義をもっています。
 
 マラヤ大学文明間対話センターは、東哲の長年のパートナーとして、これらの理念を共に推進してきたことを光栄に思います。
 
 「対話こそが平和の礎」であり、「生命の尊厳こそが至上の道徳原理である」という池田博士の確信は、今もなお東哲の使命となっているのです。
 
 この輝かしい創立構想65周年を重ねてお祝い申し上げます。

●ブルガリア科学アカデミー アクシニア・D・ジュロヴァ博士
異文化との対話を続ける池田先生の思想を継承

 創立構想65周年は、私たちに東洋哲学研究所の淵源と池田先生を思い起こさせます。1960年に創価学会の会長に就任した先生は、翌61年にインドのブッダガヤを訪問しました。仏教発祥の地・インドは先生に衝撃を与え、東洋と世界の哲学、文化、芸術、そして研究者の学術的な交流を行う機関を創設するというアイデアが芽吹きました。それは先生が大切にしていた「平和の促進」のためでした。
 
 異なる文化が存在し続けるためには、対話の継続が必要です。精神性と人間性の保全、そして世界平和に到達する手段となるのは対話なのです。世界平和の希求は、先生の弟子たちへと引き継がれています。
 
 AI時代において人類は、人間主義の哲学、そして世界平和への展望をもち続けることができるのでしょうか。今日、池田先生と再び論議ができないことが心から残念です。
 
 だからこそ、私と池田先生の2冊目の対談集『大いなる人間復興への目覚め』は“開かれた結末”となっています。つまり、先生の弟子たちが、「道」を継承するための呼びかけなのです。私は、弟子たちが、その「道」を歩みながら、未来を創り出していくことを心から願っています。そして今後、『東洋学術研究』において同様な議論が掲載されることを希望します。それは先生の思想が生き続けていることを意味するからです。
 
 先生は土壌を創り出し、“種”をまきました。それは、暴力によるものではなく、結合と相互理解によって実現する、世界平和のための種です。
 
 東哲は、先生の思想を実現するために創立されました。すなわち、先生の活動の“華”であったと私は考えます。