健康・介護

〈幸齢社会〉 タレント加藤綾菜さんが教える「万能氷だし」。おいしく減塩してみませんか 2026年3月25日

 “塩分は控えめにと分かっていても、味気ない食事では長続きしない”“毎日、手の込んだ減塩食を作るのも大変”――そんな悩みを解決してくれるのが「万能氷だし」。手軽に作れて、作り置きもでき、毎日の食事に簡単に使えます。夫・加藤茶さんの闘病を通じて、このだしにたどり着いたタレントの加藤綾菜さんに、その魅力を聞きました。

タレント
加藤綾菜さん

 減塩が大切。でも、なかなか続かない。私自身も、最初はそうでした。
 「塩分を1日6グラムにしてください。このままだと透析です」――夫の主治医からそう告げられた時、本気で減塩を考えるようになりました。加藤茶は大動脈解離やパーキンソン症候群を相次いで発症し、腎臓と心臓の数値も悪化していました。国立循環器病研究センター、医療基盤・健康・栄養研究所の先生の元へ勉強に通い始めたのはそれからです。専門家に教わりながら試行錯誤を重ね、たどり着いたのが「万能氷だし」です。料理家の田中つぼみさんと考案しました。
 だしの決め手は、酒かすでした。酒かすは塩分がないのに、加えるだけで驚くほど味に深みが出る。それまで減塩のみそ汁に酒かすを入れていたことがヒントになりました。「だしにも使えるはず」と試したら大正解でした。
 だしがらで作る「めっちゃウマだしがら」もオススメです。ふりかけとして、ごはんにかけてもうまみたっぷりで絶品です。
 市販の減塩レシピ本は何冊も試しました。でも、実際に作ると、どれも量がとても少ないのです。高齢者にとって、食事をしっかり取ることは体力維持に欠かせません。食事量が減ればカロリーが不足し、フレイル(虚弱)につながります。おいしく十分な量を食べられること。そこも、こだわったポイントです。
 二人三脚で減塩に取り組んだ結果、医師から「透析は必要ありません」と言われました。あれから5年たち、夫の血圧も200近くから120台まで下がりました。健康維持には運動も欠かせません。
 『加藤家の食卓』を出版した時、全国から熱のこもった手紙が届きました。腎臓病、心臓病、がんと闘いながら、減塩に取り組む方々の言葉に、胸が締め付けられました。闘病中の方の支えになれたらと思います。一方で、まだ病気を患っていない方こそ、今のうちから始めてほしいのです。週1回からでもいい。まずは一度、試してください。
 万能氷だしは、キューブ一つで塩分0.3グラム。だしと調味料の代わりに活用ください。作り方とアレンジレシピを紹介します(別掲)。作るのが面倒な方のために顆粒タイプ「綾菜式減塩 万能だし粉」(60グラム、1382円)も開発しました。上手に使い分けて、日々の減塩に取り組んでいただけたらうれしいです。

万能氷だし(キューブ10個分)

 【材料】
 タマネギ……1/2個
 しょうが……5g(1/2かけ)
 水……1カップ
 酒かす……6g(約小さじ1)
 かつお節……6g
 しょうゆ……大さじ1

 【作り方】
 ①小鍋にすりおろしたタマネギとしょうが、水、酒かすを入れて中火にかける。沸騰したら中火弱にして約5分煮る。
 ②火を止め、かつお節を先に入れてから、しょうゆを入れ、鍋を回してなじませる。かつお節が沈むまで1分ほど待つと、温度が下がってうまみが出やすい。
 ③ざるでこす。かつお節など、ざるに残ったものは、ヘラやスプーンの背で押してよく搾る。
 ④製氷皿に③を流し入れる。粗熱が取れたらラップをして冷凍庫で冷やし固める。

 【ポイント】
 製氷皿のサイズは10×19×5cm、10個のキューブが作れる一般的なものを使用
 そのまま2週間ほど保存可能
 残っただしがらは「めっちゃウマだしがら」に使用

めっちゃウマだしがら(小瓶1個分)

 【材料】
 だしがら……1回分(約30~40g)
 エキストラバージンオリーブオイル……大さじ1
 フライドガーリック……大さじ1
 粗びきこしょう……小さじ1/4
 塩……0.2g

 【作り方】
 ①だしがらは包丁やキッチンばさみを使って細かく刻む。
 ②ボウルに塩以外の材料を入れ、箸でよくかき混ぜる。
 ③塩を加えて味を調える。より減塩を目指す場合は入れなくてもOK。

 【ポイント】
 オリーブオイルをごま油に変更すると中華などに合わせやすい味になる。ごま油は、太白より、色が濃く香りの高い焙煎がオススメ
 冷蔵庫で4~5日、冷凍庫で2週間保存可能

ゆず風味のハクサイと豚肉のスープ(2人分)/88kcal・塩分0.6g

 【材料】
 ハクサイ……60g
 ゆずの皮……適量
 水……1と1/3カップ
 氷だし……2個
 豚バラしゃぶしゃぶ肉……40g
 酢……小さじ1
 ゆず果汁……小さじ1
 しょうゆ……小さじ2/3

 【作り方】
 ①ハクサイは繊維に逆らって1cm幅に切るか、ちぎっておく。ゆずの皮は千切りに。
 ②鍋に水と氷だしを入れて一煮立ちさせ、①のハクサイと豚肉を入れて火を通す。
 ③火を止めたら、酢、ゆず果汁、しょうゆを入れて器に盛り、①のゆずの皮を散らす。

 【ポイント】
 おかずがたくさん食べられない時にもオススメ。ゆずと酢を入れることでさっぱりいただける

カツオの手ごね寿司(2人分)/332kcal・塩分0.6g

 【材料】
 ごはん……300g
 酢……大さじ1
 氷だし……1個(酢飯用)
 砂糖……小さじ2
 カツオ……120g
 しょうゆ……小さじ1/2
 氷だし……1個(漬けタレ用)
 みょうが……1個
 大葉……4枚
 ごま……小さじ1

 【作り方】
 ①温かいごはんに酢、溶かした氷だし1個、砂糖を加えて混ぜ、酢飯を作る。
 ②カツオは7mm幅程度に切り、しょうゆと溶かした氷だし1個を混ぜたものに合わせる。みょうがは小口切りに、大葉は千切りにする。
 ③①に②とごまを指でひねりながら加えてざっくりと混ぜ、器に盛る。味がもの足りない場合は「めっちゃウマだしがら」や酢を少し混ぜて調整する。

 【ポイント】
 カツオを、マグロやサケに代えてもおいしい

減塩親子丼(2人分)/518kcal・塩分1.3g

 【材料】
 三つ葉……4本
 鶏もも肉……60g
 氷だし……4個
 しょうゆ……小さじ2/3
 水……大さじ4
 卵……3個
 ごはん……400g
 粉ざんしょう……適量
 刻みのり……適量

 【作り方】
 ①三つ葉の葉はつみ取り、茎は1cm幅に切る。鶏肉は1.5cm角に切る。
 ②氷だしを溶かし、しょうゆと水を混ぜて煮汁を作る。卵は別のボウルに溶きほぐす。ごはんにさんしょうを混ぜて器に盛る。
 ③小さめのフライパンに①の鶏肉と②の煮汁を入れて、弱~中火で煮込み、鶏肉を返しながら火を通す。火が通ったら弱火にして②の卵液を流し入れる。
 ④ふたをして好みのかたさになったら火から下ろし、②のごはんにかけて①の三つ葉と刻みのりを散らす。

 【ポイント】
 具は1人分ずつ作っても、まとめて人数分作ってもOK。フライパンに残っただしもごはんの上にかけて

 料理写真は『加藤家の食卓』より

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