聖教ニュース

ブラジルSGI発足65周年記念総会――「10・19」池田先生初訪問の日に 2025年10月22日

谷川SGI理事長らが出席し自然文化センターで

 【サンパウロ】池田大作先生のブラジル初訪問と同国SGI(創価学会インタナショナル)の発足65周年の記念総会が19日午前(現地時間)、サンパウロ州イタペビ市にあるブラジルSGI自然文化センターで盛大に開催された。これには、谷川SGI理事長、西方同青年部長ら南米訪問団が、ブラジルSGIのシラトリ理事長、イノグチ婦人部長をはじめ各地から集った同志と共に出席した。総会の模様は全土にオンラインで配信された。

 「エ・ピケ、エ・ピケ、エ・ピケ、ピケ、ピケ! エ・オラ、エ・オラ、エ・オラ、オラ、オラ! ハ・チン・ブン、センセイ! センセイ! センセイ……」――ブラジル広布の新章節の開幕を告げる歓呼の声が、ブラジルSGI自然文化センターに響きわたる。
 
 くしくもこの日は、65年前に池田先生がブラジルを初訪問した師弟原点の日。当時、現地の会員数は100世帯ほどで、日本から移住した友が広大な国土に点在していた。
 
 この折、先生がまいた妙法の種は同志の共戦によって根を張り、芽を出し、全土に幸福の花を咲かせた。65年を経た今、ブラジルSGIは「世界の王者」として堂々たる発展を遂げている。

 総会でひときわ感動を呼んだのは、リジア・ハルエ・マルヤマさんの信仰体験である。信心根本に一家和楽を築いたマルヤマさん。だが昨年末、最愛の娘・ジェシカさんが不慮の事故で帰らぬ人に。あまりにも深い悲しみの中、立ち上がる力となったのは創価家族の励ましだった――。
 
 体験映像が上映された後、マルヤマさんが夫のエドアルド・カシワヤさんと共に登壇。学会活動が大好きだった娘の思いを胸に広布へ駆ける決意を述べると、場内から大拍手のエールが。参加者の瞳には、きらりと光るものがあった。

我らは永遠に師弟と団結で勝つ! 誓願光るブラジルSGI総会

 ブラジルSGIのミヤモト壮年部長、イノグチ婦人部長、サントス青年部長が、学会創立100周年・同国SGI発足70周年の2030年に60万人の陣列を達成しゆく誓いを力強く。西方SGI青年部長は、青年が先頭に立ち、折伏の大行進で師弟不二の大願を果たそうと語った。
 
 シラトリ理事長は、師匠への報恩と草創の同志への感謝を胸に、次なる広布の峰へ出発しようと望んだ。
 
 谷川SGI理事長は、ブラジル広布をさらに拡大するための鍵は、誓願の祈りと仲良き団結であると強調。永遠に師弟を根幹に、皆で励まし合い壁を破る前進をと訴えた。
 
 最後に世界の希望合唱団、ダンスグループ「タイガ(大河)」、平和の翼鼓笛隊、タイヨウ(太陽)音楽隊の演奏とパフォーマンスに合わせ、同国SGIの愛唱歌「サウダソン・ア・センセイ(ようこそ、先生)」を全員で大合唱。歓喜と感動が冷めやらぬ中、2030年への船出を固く約し合った。

 「私は戸田先生の弟子です。行く、絶対に行く。もし、倒れるなら、倒れてもよいではないか!」――1960年10月19日のブラジル初訪問は、恩師に誓った世界広布を断じて実現せんとする、池田先生の不惜身命の決心によって実現した。
 
 訪伯前、先生は滞在先のアメリカで著しく体調を崩していた。同年10月2日から始まった初の海外指導は24日間で北南米の3カ国9都市を訪れる強行軍。同行者はブラジル行きを止めたが、先生の決意はいささかも揺るがなかった。
 
 先生は命を削る覚悟で、ニューヨークから約13時間かけてサンパウロへ。到着の翌20日には海外初の支部である「ブラジル支部」を結成し、集った友に呼びかけた。
 
 「平和と幸福の開拓者として、どうか、私に代わって、ブラジルの広布の道を開いてください」と――。

 師が託した広布の開拓。その魂は草創の父母から青年に脈々と受け継がれている。

 アリネ・アユミ・マツオカさん(創価ユース・総合方面青年部長)と、ガブリエラ・ヒロミ・ヒライ・サルーンさん(同・支部副リーダー)。二人の曽祖父母は、支部結成の会合に参加した松浦壽明さん・君子さん(共に故人)である。
 
 高知県で入会した松浦さん夫妻は、移民として海を渡り、広布開拓の汗を流した。
 
 「過酷な環境下で信心を貫いた曽祖父母のように、この仏法で全てを乗り越えていきたい」と語るマツオカさんは建築士。昨年5月の青年部総会では、ステージのデザインなどを手がけた。
 
 総会を準備するメンバーになった時は仕事が安定せず、将来に不安を抱いていた。しかし“今が正念場”と定め、題目根本に仕事と学会活動に奔走。大成功の総会の直後、立て続けに大きな仕事が舞い込み、信仰の功力を実感した。
 
 マツオカさんは決意する。「ブラジル広布は私たちの使命です。“センセイと共に”との心で、幸の連帯を広げていきます!」
 
 ヒライ・サルーンさんの夢は教員になること。先生の「最後の事業」である「教育」の分野で子どもたちの成長に尽くしたいと、日々学び続けている。
 
 大学に通いながら企業で働いていたが、今年に入り心身の疲労が重なり退職。「苦しい時こそ心を磨こう」と真剣に祈り、支部や幼少期から所属するダンスグループ「タイガ」のメンバーへの励ましを重ねる中、以前から希望していた幼稚園の特別支援学級のインターンに選ばれた。「草創の精神を継承する生き方をしていきたい」。ヒライ・サルーンさんは瞳を輝かせる。
 
 ――4世代によって成し遂げられてきたブラジル広布の歩み。総会の開始直前、降り続いていた雨はやみ、終了後には雲間から日が差し込んだ。
 
 それは、世界の王者ブラジルの前途を照らす希望の光に見えた。