聖教ニュース(紙面)

ローマクラブとイタリア創価学会のイベント 共通の未来のための対話 2025年12月22日

ペッチェイ博士との対談集発刊40周年 欧州最大規模のローマ・ラ・サピエンツァ大学で

 ローマクラブ、アウレリオ・ペッチェイ財団、ローマ・ラ・サピエンツァ大学、イタリア創価学会等の主催による行事「考える、団結する、行動する――共通の未来のための対話」が11月29日(現地時間)、イタリア・ローマ市内の同大学で行われた。
 世界的なシンクタンク「ローマクラブ」の創設者アウレリオ・ペッチェイ博士と池田大作先生の対談集『21世紀への警鐘』のイタリア語版発刊40周年を記念するもの。対談で強調された「人間革命」のメッセージを一段と発信するべく、ローマクラブと創価学会の協働プロジェクトの一環として昨年、イギリスで開催したイベントに続き2回目となる。人間と自然、そして未来の関係性を探りつつ、社会の変革に向けた具体的な道筋を探究した。
 会場となったローマ・ラ・サピエンツァ大学は、14世紀初めに創立された欧州で最大規模の最高学府として知られる。
 会議では、同大学のアントネッラ・ポリメーニ学長がビデオメッセージで、大学には良識豊かな市民を輩出する使命があると言及。リヴィオ・デ・サントリ副学長(サステナビリティ担当)は、構造的で長期的な変革のビジョンを描く必要性を語った。
 また、ローマクラブのカルロス・アルバレス事務局長がメッセージを寄せ、社会全体で未来のビジョンを描く“想像力”を回復する必要があると指摘。ペッチェイ博士の子息でアウレリオ・ペッチェイ財団のリッカルド・ペッチェイ氏は、世界的な危機への総合的な対応が急務になっていると述べた。
 イタリア創価学会のコンティ副会長は、目指すべき社会の方向性として精神性と科学のバランス、市民の参画を確立する重要性を強調した。
 その後、三つのテーマで対話セッションがもたれ、『21世紀への警鐘』で焦点となったテーマに関連する議論が交わされた。
 最初のセッションでは、イタリア創価学会の関連機関である財団法人「Be the Hope」のステラ・ビアンキ氏が進行を務め、人間と生態系の相互依存を巡って議論。二つ目の分科会では、欧州SGI(創価学会インタナショナル)のハラップ共同議長が登壇し、社会変革の原動力としての人間革命の理念を紹介した。
 最後のセッションでは若者の役割をテーマに、異なる文化からの学びや教育の役割、包摂的な社会のビジョンなどが語り合われた。