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〈シネマ〉 中川未悠主演「ブルーボーイ事件」 全国公開中 2025年11月27日
かつて日本で行われた性別適合手術(当時の呼称は性転換手術)を巡る出来事を描いた映画「ブルーボーイ事件」が全国公開中だ。本作の記者会見が先ごろ行われ、主演の中川未悠と飯塚花笑監督が登壇し、作品への思いを語った。
1964年、日本は東京五輪に沸いた。第2次世界大戦からの復興と国際社会への復帰を世界に示すため、先進的なインフラ整備や法制度の充実に着手。都市の「浄化」を図ろうと、売春の取り締まりも強化した。
物語は、当時、同手術をきっかけに起こった裁判から着想を得ている。手術を行い逮捕された医師・赤城(山中崇)が裁判にかけられると、手術を受けた主人公・サチ(中川)らが出廷し、証人として自身の思いを打ち明ける。
今作では出演俳優にトランスジェンダーが起用されているが、自身もトランスジェンダーである監督の飯塚は、「(日本の映画界では)性的少数者の方々が俳優として活躍する場が少ないと感じていたこともありますし、当事者の手で、この事件を世の中に出すのが重要だと思った」と、自らの強い意志を明かした。
主演の中川もトランスジェンダー。今後の俳優業については、「私自身が続けることで、誰かの光になれたらいいなと思います。世の中が変わっていってくれたらうれしい」と未来への思いを口にした。
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