企画・連載

〈立正安国と民衆の幸福――池田先生の指導に学ぶ〉② 2024年7月25日

学会は社会に人材を送る母体

 〈戸田先生は、第2代会長就任3年後の1954年に政治・経済・教育など、社会の各分野に有為な人材を送る「文化部」を新設。翌55年の統一地方選挙に学会として初めて候補者を擁立し、支援の活動を進めた〉
 
 当時、国民の“政治不信”は募るばかりであった。(中略)
 
 民衆不在の日本政治の悲惨な現実があった。
 
 戸田先生は激怒された。
 
 「政治家は何をしているのか! 庶民がかわいそうではないか!」(中略)
 
 日蓮大聖人は、幕府権力者・平左衛門尉に、「あなたは『万民の手足』ではないか。この国が滅びんとするのを、どうして嘆かずにいられようか」(全171・新856、通解)と厳しく諫められた。
 
 民衆が根本である。民衆が主人である。民衆の幸福が目的である。そのために民衆が立ち上がり、民衆の手に政治を取り戻すのだ!
 
 ここに、日本の政界にも人材を送り出す、最大の焦点があったのである。(2005年4月の「随筆 人間世紀の光」)

 〈1956年7月の参議院選挙にも、学会は候補者を推薦し、支援に挑戦。「大阪の戦い」を勝利に導いた山本伸一に、戸田第2代会長は、今後の社会建設の活動を展望し語る〉
 
 「広宣流布が進んでいけば、社会のあらゆる分野に人材が育っていく。政治の分野にも、経済の分野にも、学術・芸術・教育など、どんな分野にも、社会の繁栄、人類の平和のために、献身的に活躍している学会員がいるようになるだろう。つまり、あそこにも学会員がいる、ここにも学会員がいる、というような状況になっていく――広宣流布していく時代を具体的に表現すれば、こういう様相になるんじゃないか。
 
 要するに、創価学会は、人類の平和と文化を担う、中核的な存在としての使命を課せられることになると、私は考えている。
 
 伸ちゃん、創価学会は、そのための人材を育て上げていく、壮大な教育的母体ということになっていくんじゃないか。
 
 要は、『人間』をつくることだ。伸ちゃん、この人間革命の運動は、世界的に広がっていくことになるんだよ」(中略)
 
 「創価学会は、間違いなく宗教界の王者になるにちがいない。大聖人が、『此の経文は一切経に勝れたり地走る者の王たり師子王のごとし・空飛ぶ者の王たり鷲のごとし』(全1310・新1737)と仰せになっているように、大聖人の仏法は、思想・哲学の王者だ。その偉大な仏法を、創価学会は、世界に弘めようと立ち上がったんだからな。
 
 だからこそ、社会のあらゆる分野に、御本尊を持った真に優れた人材を送り出していくのが、創価学会の使命なんだよ。
 
 それらの一人ひとりの、偉大な人間革命の実践が、新しい世紀における人類社会に、偉大な貢献をすることになる」(小説『人間革命』第10巻「展望」の章)
 
   ◇ ◆ ◇ 
 
 〈学会が政界に初めて人材を送り出してから6年後の61年11月、公明政治連盟(公明党の前身)が結成。同年の春、無所属として活動する議員らに、伸一は自身の考えを伝える〉
 
 「新たに政治団体をつくるということについては、私も賛成です。
 
 皆さんは、政治家として活動していくなかで、政治団体や会派の必要性を感じてきたのでしょうが、私は広宣流布の未来を展望し、そうするべきではないかと考えました。
 
 学会の目的は、民衆の幸福の実現です。そして、そのためには、世界の平和を築き、社会を繁栄させていかなくてはならない。(中略)
 
 この学会という母体から育った人材が各分野で、必要であれば、それぞれ団体や機関をつくり、社会に貢献していくべきであるというのが、私の考えです。それは、何も政治の分野だけでなく、音楽・芸術や学術の分野でも、また、教育や平和研究の分野でも同じです。
 
 今回、政治団体を結成するということは、その突破口を開くことになる」(小説『新・人間革命』第5巻「獅子」の章)