多くの高齢者が感じる「膝の痛み」。特に患者の多い変形性膝関節症について、膝軟骨再生治療のエキスパートで、プロ野球やJリーグのチームドクターも務めた広島大学の越智光夫学長に聞きました。
多くの高齢者が感じる「膝の痛み」。特に患者の多い変形性膝関節症について、膝軟骨再生治療のエキスパートで、プロ野球やJリーグのチームドクターも務めた広島大学の越智光夫学長に聞きました。
〈原因〉
加齢やO脚で
軟骨が摩耗
〈原因〉
加齢やO脚で
軟骨が摩耗
――“膝が痛い”という高齢者は多くいます。
膝の慢性的な痛みで、最も多いのが変形性膝関節症です。患者は統計によって異なりますが、60歳以上の2人に1人、約3000万人とも推定されます。
膝関節には軟骨や半月板があり、クッションの役割を担っています。さまざまな原因で、これらのクッションがすり減り(摩耗)、骨同士がぶつかるなどして炎症が起き、発症します。
――摩耗する要因は?
加齢の他、日本人に多いO脚、肥満は膝関節にかかる負荷が大きく、大きな要因です。女性の発症率は男性の1・5~2倍です。男性に比べ、膝周囲の筋力が弱く、さらに閉経後の女性に多く起こるため、女性ホルモンの影響も考えられています。
一方、膝をひねることなどが原因で発症するケース(2次性)もあります。
――“膝が痛い”という高齢者は多くいます。
膝の慢性的な痛みで、最も多いのが変形性膝関節症です。患者は統計によって異なりますが、60歳以上の2人に1人、約3000万人とも推定されます。
膝関節には軟骨や半月板があり、クッションの役割を担っています。さまざまな原因で、これらのクッションがすり減り(摩耗)、骨同士がぶつかるなどして炎症が起き、発症します。
――摩耗する要因は?
加齢の他、日本人に多いO脚、肥満は膝関節にかかる負荷が大きく、大きな要因です。女性の発症率は男性の1・5~2倍です。男性に比べ、膝周囲の筋力が弱く、さらに閉経後の女性に多く起こるため、女性ホルモンの影響も考えられています。
一方、膝をひねることなどが原因で発症するケース(2次性)もあります。
〈初期症状〉
起床時の痛み
放置すると悪化
〈初期症状〉
起床時の痛み
放置すると悪化
――症状は、どのように起こるのでしょうか。
初期は、起床時や歩き始めに痛みが出ます(スターティングペイン)。
休んだり、動作を続けたりするうちに痛みが消えるので、放置する人が多いのですが、摩耗は徐々に進みます。やがて動作中、そして安静時も痛みが続くようになります。O脚の人は、膝の内側の変形がひどくなります。多くは両脚とも痛みます。
診断では、痛みの出方などの問診をベースに、エックス線やMRIなどの画像検査を行います。
同様の症状が出るリウマチなどの病気と鑑別するために、血液検査を行うこともあります。
――症状は、どのように起こるのでしょうか。
初期は、起床時や歩き始めに痛みが出ます(スターティングペイン)。
休んだり、動作を続けたりするうちに痛みが消えるので、放置する人が多いのですが、摩耗は徐々に進みます。やがて動作中、そして安静時も痛みが続くようになります。O脚の人は、膝の内側の変形がひどくなります。多くは両脚とも痛みます。
診断では、痛みの出方などの問診をベースに、エックス線やMRIなどの画像検査を行います。
同様の症状が出るリウマチなどの病気と鑑別するために、血液検査を行うこともあります。
〈治療〉
関節の負担と
痛みを減らす
〈治療〉
関節の負担と
痛みを減らす
――どういう治療法がありますか。
主に、保存療法と手術とに分けられます。
保存療法では、生活改善や運動療法、薬や装具を使った治療があります。
――どういう治療法がありますか。
主に、保存療法と手術とに分けられます。
保存療法では、生活改善や運動療法、薬や装具を使った治療があります。
・生活改善
・生活改善
膝には歩く時、体重の2~3倍の負荷がかかるといわれます。
そのため、患者の状況に応じて、減量を目的とした生活指導を行います。
膝には歩く時、体重の2~3倍の負荷がかかるといわれます。
そのため、患者の状況に応じて、減量を目的とした生活指導を行います。
・運動
・運動
運動療法は、最も効果が高いとされます。膝周囲の筋肉を鍛えると、膝の動きが安定し、関節の負担が減るため、痛みが和らぎます。
また、関節を刺激し栄養が行きわたるため、軟骨細胞が活性化し、摩耗しにくくなるといわれます。当然、減量にもつながります。
おすすめは、脚の上げ下げ運動(別掲)です。
なお、ウオーキングには注意が必要です。そもそも膝関節に負荷をかける動きであるため、痛みが強い人などは、浮力のある水中で行ってください。
運動療法は、最も効果が高いとされます。膝周囲の筋肉を鍛えると、膝の動きが安定し、関節の負担が減るため、痛みが和らぎます。
また、関節を刺激し栄養が行きわたるため、軟骨細胞が活性化し、摩耗しにくくなるといわれます。当然、減量にもつながります。
おすすめは、脚の上げ下げ運動(別掲)です。
なお、ウオーキングには注意が必要です。そもそも膝関節に負荷をかける動きであるため、痛みが強い人などは、浮力のある水中で行ってください。
脚の上げ下げ運動
脚の上げ下げ運動
・薬物
・薬物
炎症を抑える薬物投与も多く行われます。運動療法と併せて行うケースも多くあります。
最も多く使われる非ステロイド性消炎鎮痛薬は、飲み薬、塗り薬、貼り薬などがあります。
痛みが強い患者には、ステロイド薬を短期間、使うこともあります。
関節の軟骨などに含まれる成分の一つ、ヒアルロン酸の注射も効果があります。
1~2週間に1度打ち、それを3~5回繰り返しますが、早ければ1~2日で効果が表れる患者もいます。
炎症を抑える薬物投与も多く行われます。運動療法と併せて行うケースも多くあります。
最も多く使われる非ステロイド性消炎鎮痛薬は、飲み薬、塗り薬、貼り薬などがあります。
痛みが強い患者には、ステロイド薬を短期間、使うこともあります。
関節の軟骨などに含まれる成分の一つ、ヒアルロン酸の注射も効果があります。
1~2週間に1度打ち、それを3~5回繰り返しますが、早ければ1~2日で効果が表れる患者もいます。
・装具
・装具
O脚の患者などには、足底板を直接足に着けたり、靴に入れたりして(インソール)、歩き方を矯正します。
つえの使用も、ひざの負担を減らします。痛みのない側の手で持ちます。
関節を温めたり冷やしたりして血行を良くすることも痛みを軽減します。そのため、伸縮するサポーターを履いて温めることもあります。
O脚の患者などには、足底板を直接足に着けたり、靴に入れたりして(インソール)、歩き方を矯正します。
つえの使用も、ひざの負担を減らします。痛みのない側の手で持ちます。
関節を温めたり冷やしたりして血行を良くすることも痛みを軽減します。そのため、伸縮するサポーターを履いて温めることもあります。
・手術
・手術
保存療法で改善がみられなければ、手術を検討します。
骨の一部を切り取ったり、金属を入れたりしてO脚などの荷重バランスを調整する手術は入院期間が長くなります。その上で、効果は10年以上続き、農作業やスポーツなども可能になります。
傷んだ関節を人工関節に置き換える手術は、重い患者が受けることもあり、術後の満足度が高い治療法です。素材も進歩し、20年以上、長持ちします。ただし、膝の曲がりが悪くなって「正座」「しゃがむ」など、一部の動きに制限が出る場合があります。
また、2023年からは、神経をラジオ波で焼灼して痛みを減らす治療法が、新たに保険適用となりました。
――膝の痛みに効く、とうたうサプリメントはどう考えればよいですか。
サプリメントは軟骨に含まれる成分が入っていますが、局所注射などの治療と異なり、直接患部に入って増えるわけでなく、必ず消化・分解されて体内に取り込まれます。
その後、それらが直接の原因となって膝関節内で増えたかどうかは検証が難しく、個人差も大きいと考えられます。そのことを理解した上で、検討してください。
保存療法で改善がみられなければ、手術を検討します。
骨の一部を切り取ったり、金属を入れたりしてO脚などの荷重バランスを調整する手術は入院期間が長くなります。その上で、効果は10年以上続き、農作業やスポーツなども可能になります。
傷んだ関節を人工関節に置き換える手術は、重い患者が受けることもあり、術後の満足度が高い治療法です。素材も進歩し、20年以上、長持ちします。ただし、膝の曲がりが悪くなって「正座」「しゃがむ」など、一部の動きに制限が出る場合があります。
また、2023年からは、神経をラジオ波で焼灼して痛みを減らす治療法が、新たに保険適用となりました。
――膝の痛みに効く、とうたうサプリメントはどう考えればよいですか。
サプリメントは軟骨に含まれる成分が入っていますが、局所注射などの治療と異なり、直接患部に入って増えるわけでなく、必ず消化・分解されて体内に取り込まれます。
その後、それらが直接の原因となって膝関節内で増えたかどうかは検証が難しく、個人差も大きいと考えられます。そのことを理解した上で、検討してください。